{引用=つかめない キミの正体 月と知り 浅い夢に まどろむ夕暮れ
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たまにシあわせミたいなシろくろのしゃシんはあるけレど
聞こえるかいド
愛せないよとてもレ
その儘に生きてもド
ソ愛は聞こえないソ
シ・シシ・シ
ド辿り着くのかいド
レ水着はあ ....
地球にしかと立つためには
地面を脚で押さえなきゃならない
だが地面は無言で突き放す
さみしい宇宙に放り出されたくはない
必死でまた押さえ続ける
かくして重力は成立する
冬の朝
....
ねぇ
君はもう寝てしまったのかい
今日は一度もメールくれなかったね
ねぇ
君はなにかむくれているのかい
昨日まで毎日メールよこしていたのに
百合よりも薔薇が好き
....
朝、起きて
小さなテレビの電源を入れて
布団から頭だけ出して
二つ三つフィルターをかけたニュースを見る
右手を少し伸ばせば蜜柑に辿り着いた
引き寄せ ....
{ルビ二十歳=はたち}過ぎ恋が{ルビ永遠=とわ}だと信じてる奴は未だに中二病です
二次元の嫁はほかほかあったかいご飯を俺に作りはしない
オンラインゲームの恋は現実の恋の経験値にはならない
....
オリオンが
その名前を残して隠れ
朝は針のような空気で
小鳥の声を迎えうつ
わたしは
昨日と今日の境目にいるらしく
まだ影が無い
太古より繰り返す冬の日
あたたかい巣箱から
掴み ....
憧れをひきよせる耳今日もまた夜のしじまにツンとしている
夜歩くてくてくとっこどこまでもてくてくどっこん行ける気のする
電車では夢中になった本だってベッドの上でちょこんと眠る
身をゆだ ....
キコ、あの頃みたいに
カッターナイフ遊びがしたいよ
廃校の裏に捨てられた注射器に
ためた雨水を夕陽に透かせば
遠い異国へ運んでくれる
琥珀色のモルヒネになったね
キコ、無人 ....
上皿の落ちぬ程度の揺れならば均等と呼ぶ 胸に天秤
満水の体育館で耳鳴りがしてからずっと水底に居る
液晶を両手で包む二十五時 言葉はなにを伝えるだろう
....
夜は
重なり合って
ひそめく
息でくもる
ガラスを隠して
なだらかに波うつ
カーテンの裾で
夜は広がる
冷たい
アルコールが注がれた
二つのグラスが
擦れあった
....
早朝に剃刀を買うコンビニで 剃髪用です 袋いいです
昼下がり主婦がミシンを踏む音は 人を撃ち抜く練習に似て
夕暮れが鼻血のような色してた 鉄のにおいが漂って、冬
....
夜の暗さ
海の暗さ
そこのあるものの 暗さ
波が
うねりを繰り返し
何度でも打ち寄せる
夜の海
釣り人の
投げた重みが
ふかく沈む
あなたと
指を重む
その温度の確 ....
とてもしなやかに
折れ曲がる森があったので
そうではない多くの部分は昼と呼ぶことにしていた
迷い込めない、かくれられない、だからみんな怯えて
おびえるべきであって
きみが ....
キリンの頭の上から飛び降りて
勇気をもっておやつの時間にした
ねむってるあの娘をむりに起こさない
時計の針はからまって
かわいいビスケットの形をしている
....
遠い空の胸のうちには
一本の糸杉が、しん と立っている。
青く晴れた(夜ふけの雨後の)
明けすぎた真ひるの素顔。
さやかに風光りほほえみ
零しながら宙のゆびさす。
糸杉は、無風にないで ....
校庭の片隅できれいな石ころをみつけた
学んだばかりの醜さで奪いあって
あのとき僕らが細い腕を鎖にして囲っていたのは
この惑星に墜ちたひとつの原性ではなかったの?
みんなで笛を吹いていた ....
丹田呼吸法breathing exerciseを数分行ない
額の中央(第三の眼)へ朝日の破片が
熱い速度で注ぎこまれた
わたしはジェダイの騎士、ヨーダだ、
そして宮本武蔵だ、と十回ほど唱えると ....
・
一か月が
余りに速く過ぎ去るような気がして
どうしようもない
服を着替える間もなく
あっという間に秋である
外ではまるで軍隊のように
流行なのか
同じ型の服を身につけた女子が
勇 ....
1.
五線譜の上に
真夏の
影を溶かし込んだ
日焼けのあとに そっと
くちづけをする
あけはなした窓から吹きこんでくる
セピア色に塗り固められた
チャイムの
残響
....
なんで
空って青いの
しくみじゃなくて
理由が知りたいんだよ
でもそれは
なくっていいんだよ
答えは
なくていい
ぼくは考えていたい
悩みにも似ている
だからすぐ悩む
だけど ....
スガイは或る貧しい村の生まれである
彼は五人兄弟の長男で
下は四人とも妹であった
スガイは十歳のときに夢を見た
光り輝く犬が お前は医者になれ と言う夢であった
スガイには両親が居な ....
とんぼの様にぐるりと回る目ん球で
時計の針のような時間をぐるぐると眺めた
少しずつずれはじめた周りと僕はしかし
真っ直ぐな重力で決して切り離される事無く
ただ回り続けた
ただ回り続けそうして ....
エントロピーは海だろうか。奔流だろうか。日本の川は西欧人の目に川ではなく滝と映ったらしいがでは生物とは何か。宇宙におけるさまざまな天体とは何か。生み出された電力でさらに揚水し発電するダムのささやかな循 ....
余 熱
そこは
しろい花が咲いていて
緑も若やいで うつくしい
空気は
いつまでも清澄であり
....
花の都
水の都
霧の都
東の都
東京を愛することと、孤独を愛するということは
同一である
という意見に賛同しない
猫を愛することと、孤独を愛するということは
同一である
という意 ....
左目の水晶体に封じ込められた
淡い翡翠色の少年人魚は
ぴくりぴくりと蠢動しつつ
お前を挑発しつづけるだらう
覚えておいで
人魚は七回脱皮することを
そのたびに
空は蒼く痙攣するだらう ....
すこし涼しいね エマさんがささやく
たしかに風が吹いている 夜からの風だろう
もう七月で冬の足音がきこえてくる
いろとりどりの十字路 ここは見晴しがいい
少し背伸びをするだけで
100キ ....
わたしの生まれ育った村には
鮮やかな花が咲いていて
広大な田地が広がっている
野良犬がそこらじゅうにべとっと寝ていて
曖昧な微笑みを浮かべる村人と
いないはずの人たちが生きていた
たと ....
排他的な女の子は空を所持している。
その底のほうには、白くてきれいな宇宙船や、手垢できたない算数の教科書、軍隊の格好をしたキューピー人形や、プラスチックのマニキュアの瓶が、ざくざくとはめ ....
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