卑怯者が来るので座布団を新調した
それからお茶とお菓子、万が一に備えて酒も
しかし指定の時刻を過ぎても現れなくて
もうそろそろ外が暗くなってくる
冬の日は早い
次第に天気も崩れてきて
風に ....
この薄暗がりの中
木々も鳥たちも
滅びゆくと同時に栄えゆき
語ると同時に沈黙する
数限りない両義性を込めて
早朝は傾斜を深める
この論理的な時刻
介入する倫理はなく
大地に ....
言葉でにぎりこぶしを作らないよう
ひらいて ひらいたら
ひとりごとが蝶々になって
くらりくらり とんでった


書いても書いても
何ひとつ
まっすぐ飛んでは行かないね
寄り道したり  ....
 人工的な街で君はその才能をいかんなく発揮した。
 時に夢見るように。時に現実に抗いながら。
 レゲエのリズムにただその細身の体を漂わせながら。
 きっとその時、神様に目をつけられたんだね。 ....
あっちむいてほい、と言われて
まんまとひっかかった
その顔の向いた方へ
大きな夕日が沈んでいく


今日も今日とて
僕は僕のままだった
そんな小さな誇りが
積もりに積もったおへその下 ....
ジャガイモ一袋かごの中へ

ゴツゴツした日焼け顔が笑う

にんじん一袋かごの中へ

面長のすまし顔が知らんぷり

たまねぎ一袋かごの中へ

まんまる顔の泣き顔がうつむく

豚肉 ....
柳に風が
いつまでもやまないので
僕はここから離れられずに
時間だけが コチコチ
鼓動だけが ドキドキ
規則正しいリズムを鳴らして


柳に風が
ただ吹いているのを見ているだけで
 ....
仕事せず酒飲みながら揚げた凧高く昇って宇宙の外へ 手のひらで星を掴む奇跡とはあなたの中の優しさにある


宇宙とは実は安易なものだとかすれ違いざま妊婦が笑う


真昼間の星を見たんだ宇宙とは君の子宮の中の出来事


火星から便りが来 ....
奈々子さんが亡くなった。交通事故死らしい。

奈々子さんは、人懐っこく暖かい笑顔が印象的な清楚系の美人さんだった。
彼女は兄の友人で、私が最も好意を抱いていた女性であっただけに
彼女の死は ....
また今日になる
また今日になる
あしたはずっとやってこなくて
あしたはずっとやってこなくて
いつも今日になる
今日は昨日になる
昨日はずっとあしたにならない
昨日の再現はありうる
 ....
棘のある野薔薇にそっと口づけるようにお酒を飲みなよ、きみは

お星様 えいえい力込めましょう 割れたら海に 捨てておきます

エメラルドグリーンのバッズ 煤焼けた肺に早蕨芽吹き、噎せる

 ....
今日もまた自ら雲海にダイブ
破戒の名人または根性無し
破瓜した子が墓に入る
殺人的快楽、結晶になる
この世は蛆も湧きに湧き
ハードスペックなモード、達観の幹
から千匹超の大蛇とガンジャ
 ....
障害者の弟がいる。
障害者の弟って、恥ずかしい。
昔から思ってきた。考えないようにしてきた。
消極的ではあるが今、正面に立つ。

障害者は当然、馬鹿にされる。子供の無邪気さは残酷で、仲間外れ ....
やべえやべえ、私は毎年エイプリルフールに気づかずに終わるのである。
今日がエイプリルフールであることを忘れていた。
先ほど、友人に「4月1日(しがついっぴ)おめでとうの電話」を掛けようとして、
 ....
生ぬるい風が吹いている

曇りの日だった


男はごわごわした髪を女に触らせた



「ふわふわ」


女は思いつく限りの形容詞で褒めた

遠くで猫が鳴いている


 ....
菩提樹には行灯が燈され、友去れど、
煌煌と燃ゆる仏塔の真下にある線香立て。
黄土色の砂の上に千個も建てる、明りの仏塔。
携帯電話の電波も届かない異界。
孫悟空の頭に食い込む輪っかみたいな額。
 ....
白い吐息が薄れかかる頃
陽だまりに梅の蕾を砕いて浮かべ
縁側に確かに重力を感じてる
引き寄せられる眠気
隣の家の子がピアノを弾いてる
飴細工のカーテンが蕩ける
夕食の支度が始まるまで
束 ....
ぼんやりとした大根頭に快感という月が降ってくる
ひ らり ×2 ひらりと!
言ってはいけないこと、の境界線
時間の遡及剤、明日に垂らし、
喉が叫ぶ、「今日を返せ」
だって、一人ぼっちの交差点 ....

どういうわけかうちのごみぶくろだけ
いつもあけられてしまって
中身がまき散らされているの

ある日曜の朝
母が困惑顔で言ったとき
それはきっと妹を狙う肉食獣の仕業に違いない
とわた ....
そうゆうんじゃない
肌に頬を押しあてて
脈打つ血の
ほんとうの色が浮き出すのを待ちながら
したい理由をききたい
耳もとで
吐く息にまぎれ込ませて
「どうして…?」とききたい
衝動にもゆ ....
 
動物園の絵はいつも雨が降ってるあなたと行ったあの日から
 
 
手を繋いで坂道を駆け上ったね下る時に負けぬ速度で
 
 
母と二人ハンバーグをつくる夕日よりもきれいだったひき肉
  ....
この世で一番に苦く美味い酒は
心が独りぼっちになった時になって
初めて味わえるもんなんだぜ

独りぼっちになる為に
どうしたら良いのかって言えば
まぁ割と単純で簡単なことでさ

例えば ....
父のポケットに
ときどき手を入れてみたくなる
そんな子どもだった

なにもないのに
なにかを探してしまう
いくら背伸びしても届かない
指の先がやっと届きそうになって
そこには父はいなか ....
「折り入って相談があるんです。」

昨今この国では容易に学校へ忍び込ことができない。
僕が小学生だった頃よりも夜勤警備員の数が二人ほど増えていた。
ある夜の帰り道。酔いの勢いを利用してフ ....
世界に唯一、病のからだ

手足なければ身を任せ
薬なければ身を委ね

耳を劈く轟音と
視力を奪う光線に
嗚咽は漏らさず
怒りも湧かず

全てはこの子のためだから
我侭坊やは末っ子 ....
絵描きは追い返せ
街には入れるな
見張りを怠ることなかれ
立て札を増やしておかなくては
雨と砂を浴びて
バイクにまたがり遠い国から
さっきやって来たかとおもうと
とぼけた素振 ....
たまゆらぐ
あきのひとみで
草のなかにかくれた
君をきいている

何かにすがりつきたいふうな君は
細い、ほそい線になって
なまみの月を仰ぎ
永いときを抱え
ふるえる

{引用=
 ....
夕刻
雲羊の渡りを見ました

カモたちが飛んでくるのとは反対向き
行き交いの空の対角線を
群れの先頭は彼方
群れの後方も彼方
二列、三列の編隊を組んで
空を渡って行きました

羊た ....
私は大変な気分屋だが
きみの前では落ち着き払いたい
顔が保護色ならば完璧なのに

私は大変な詭弁屋だが
きみとの討論を望まない上に
出会った人の数だけ私がいるため
本当の私とは身 ....
餅月兎さんのおすすめリスト(203)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
卑怯者- 春日線香自由詩415-12-28
早朝- 葉leaf自由詩215-12-16
ひらがな- 豆腐小僧自由詩515-12-14
SAD- ヒヤシン ...自由詩6*15-11-14
マグマ- 豆腐小僧自由詩715-8-8
買い物かご- 佐白光自由詩4*15-6-24
- 豆腐小僧自由詩315-4-9
仕事せず酒飲みながら揚げた凧高く昇って宇宙の外へ- 北大路京 ...短歌114-10-6
宇宙五部作- 永乃ゆち短歌111-11-16
幽霊に花束を- 北大路京 ...自由詩18*11-8-6
また今日になる- ぽこぽこ ...自由詩3*10-4-26
垂れ流し×20- ぽこぽこ ...短歌5*10-4-21
エセトシンゼンビ- ぽこぽこ ...自由詩2*10-4-9
手付かずの未来- ぽこぽこ ...自由詩5*10-4-4
しがついっぴおめでと- ぽこぽこ ...自由詩3*10-4-1
洪水警報- ぽこぽこ ...自由詩2*10-4-1
ギャグめく仏塔- ぽこぽこ ...自由詩2*10-3-31
- ぽこぽこ ...自由詩6*10-3-29
こんなもんかなあでやめちまった作詞- ぽこぽこ ...自由詩2*10-3-26
世の中がどんなに変化しても、人生は家族で始まり、家族で終わる- 吉田ぐん ...自由詩53+*09-10-2
産声- たちばな ...自由詩24*09-3-24
星の鳴る夜- たもつ短歌2208-11-26
最高の酒- 松本 卓 ...自由詩808-10-18
- yo-yo自由詩24*08-10-6
「兎」- 菊尾散文(批評 ...208-9-21
- 瀬戸内海自由詩1*08-9-15
絵描きの長い旅- ふたば自由詩408-9-14
交感する秋の声紋- 佐野権太自由詩27*08-9-10
羊たちの旅立ち- 小池房枝自由詩608-9-3
おれさま- 佐々木妖 ...自由詩8*08-9-2

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