{引用=
赤くて甘い熟れた先端よりも白くて硬くてすっぱいお尻を
齧ったときのほうがずっと春に近づけるんだってさ。
朝から晩までへたのまわりに齧りついたのに、今日の天気は雪です。
舌がただれて痛 ....
コスモスがコスモス色に咲いてて
ススキがススキのように揺れてる
土曜の朝
私鉄沿線の住宅地を
ぼくとたあくんは歩く

めずらしく陽が射している
建物の影が舗道をおおって肌寒い
ぼく ....
あなたを中心にして
その円の中の全員と
しました

あなたが好きだったから
横浜の赤レンガの倉庫街で行われた朗読会の帰りに
ふとタクシーのなかから六本木ヒルズを見ると
点いている電気が文字のかたちになっていて
「認めてほしい」と書いてあった
俺はヒルズになぜ認 ....
空から腐葉土の香りがした

僕らはなんて孤独なのだろう

空を見つめている

ひとのこころは遠すぎて

僕らはいつもとり残されている

同苦したくてありったけの

こころをかき ....
+


花が散るころにわたしは女でした。女になってしまい、
鉄鉢の中の百枚の花びらが
蝶のように羽ばたき、遠ざかるのを眺めた


+


花びらのひとひらを虫ピンで留め ....
それは何かの予言のようで
空の七割は雲に覆われていて
甘く温かいホットミルクに
頑なな心まで溶けて

買い置きしておいたバナナは
黒い斑点だらけになり
みずみずしさを失い
しおれていた ....
煙草に火をつけ一口目、輪っかができた。
たまにやろうとしてもできないので、珍しくて目で追う。
ゆるゆると大きく広がりながら登っていく輪っかが「出口」のように思えて、形を壊さないようにゆっくりと左手 ....
夏の最中の暑い日に
アリの引っ越しを見たことがある
小さな黒いアリたち
餌運びでなく
引っ越しだと思ったのは
口々にタマゴらしきものをくわえていたから

元の巣が何で駄目になったのか
 ....
 僕はサバンナの中心で死にたいと思った。それはサバンナの中心ならば、よく分からない生き物にモサモサと食べてもらえると考えた末、至った結論だ。
 けれど、わざわざ、そんなことをしなくても良いんだという ....
ビルのあいま、一瞬の
うろこ雲の縮れたすきまに満たされた
蜜のような光りを執拗に覚えて
暗い夜の始まりに
歯形を残すように
ギターのグリップをかじる
コードを知らないなんて嘘
長調のはし ....
{引用=
 後書

 八つか九つの頃、瞬きが気になり、ひとたび気になると、目を見
ひらいていたり、瞬きすぎたりして、ぎこちなくなるということが
あった。意識しなくなるとともに症状 ....
とりとめもなく書いてみようと思うのは、ポエムについて、ということは同時に詩について、ということです。

すこしだけふれておきたいのは、たまに、ポエムはだめで現代詩はいいとか、その逆とか、そうした話 ....
ここがどこなのかわからなくなって、
どこに何があるのかわからなくなって、
あなたが誰なのかわからなくなって

僕はいつかうさぎのしっぽを踏みつけてしまう
そのうさぎに食べられるかもしれないけ ....
 地に伏していた。身体の自由が効かない。目を開けると、そばに灰色の蛾の死骸が見えた。風でうすい翅がゆらめいている。翅の鱗粉がかすかに光る。蛾の数本の細い脚が、宙をつかみ損ねていた。顔をずらし視線を先に .... 俺の会社は、なぜか各大学の空手部、相撲部、柔道部、レスリング部のOBが集まるところで、派閥もいわゆる学閥ではなく、格闘技別と言った雰囲気がある。
ちょっと不思議な会社かもしれない。
俺はボクシング ....
どうぶつの心の内容を覗きみることは、自然科学の領域ではタブーだし、
主観的にそれをやっちゃうと、サイエンスではあり得なくなってしまう。
それはもはやブンガクだ。
どうぶつ奇想天外法だ。
 ....
夢見なにをおもう

月見なにをおもう


春過ぎて夏

風過ぎて葉
一.


青を
反故にした

よりも
事情がある

真昼につき、
雨はふらない




二.


鋏の持ち手が緑だったことから
分け合いたくない
ままの
手 ....
あ から を までの過程をたどる
日本語というのは あ から を までの流れのなかで
ことばが組みあわされ、いろんなおもいを伝えるわけで
さいごに ん で輪を閉じる
ん。っていったらしりとりで ....
この歳になると、リアルに、大抵のことがどーでもよくなる。
いや、たとえば自分内の、円グラフの中の大部分が、
「どーでもよい」
に塗りつぶされるぶん
却って「どーでもよい」の外側にある
「どー ....
懐かしいと思ったのは、
かつてそれが自分のものだったから?

それとも自分だったものは
もうどこにもいないから?

でもぬけがらを手に取って
こんなことを考えてる、

そんな自分は誰 ....
おびえるなよ
という声が
おびえていた
私の体の 外で
外では
仕方がないから
精液の白さに免じて
ゆるした
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする

抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ

産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした

今も少し
する
 ....
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