それは死体だよ
もう死んだ女にあなたは絶えず声をかける
それはずいぶん前に腐敗した皮と骨だ
何十年もゴミと虫が巣食っている
あなたがそれを生き物だと勘違いするのは
彼女が動いて話すから
ま ....
いますこし
あなたのかたわらで
あなたのつくる木陰に
わたしをやすめさせてください

かつて
あなたから遠く
遠くはなれていったわたしを
あなたの幹にもたげさせてくだ ....
シティポップに漬っ込んどいた耳は
クタクタになって湿っぽいね

次の分岐点は (泳いでんな目) どっちにしようか
(少なくともこっちではないね) 先回りされ言われる


目に映っている範 ....
えし。こころがえし。いやなにおい。やめて。ぼくをうばわないで。ぼくのなまえを、かえしてください。ぼくのめだまをかえしてください。こわい、こわい、こわい。きっときみはうそつきだ。ほんとうのことをどうして .... 商店で見た山崎パンの
バターケーキが豪華に見えた
電話ボックスに置かれた缶コーラに
毒が入っていたニュースが怖かった
ユリゲラーがスプーンを曲げたかと思うと
あのカルト教団の教組が宙に浮いて ....
羊が鳴いている
嵐の吹き荒れる草原に
たった一匹だけで
メェメェ、と

あの羊は
はぐれた仲間の群れを
呼んでいるのか
ずっとメェメェと
鳴き続けているだけ

あの羊を
わたし ....
詩ですべてにおいての表現が許されるのだとしたら、
詩はただ個人のためにあるのだともいえる。
個人が自分のために書いた詩など、
誰が読みたいかと思われるかもしれないが、
他人が他人のために書いた ....
小さな顕微鏡を買って、死んだ虫や死んだ葉、花びら、砂粒、髪や皮膚のカケラなんかを、どこまでも大きくして遊ぶ
覗き込んでいると、僕が世界だと思っているもの、それがひとつなどではないことがわかる
そし ....
石は喋るのが下手
本当は石じゃないから
石じゃないのだから
本当は喋れるし動けるはずだと考える
本当はなんなのか確かめるために
体を動かそうとして
うまく動けもしないことがわかる

長 ....
あとのことをあとで考える
寝室でハミングをする
パイのことを思い出していた
皮が厚くて温かいミートパイ
雨上がりの曇った空気は気持ちがいい
なにも考えないほうがいいのに考える
今までも震え ....
こんな時間に起きて水面を覗き込んでる
からっぽのコップに見えない水が見える
きみの水面にうつるのは
いつも何回か殺されたあとのぼく
ぼくもまたあなたを殺した
何度も
ぼくはきみの目
きみ ....
隕石が落ちてきて
ぶっ壊れた部屋の中
結んで開いて
狐を作って
その影と遊んでる
たぶん百年くらい
床を這う蟻を潰してる
だって象に巣食おうとするから
狐と蟻と象と
それに帽子の中に ....
横須賀に
マーロウという名のプリン屋がある
食べログでも結構な高評価の店だ
店の名の由来は
勿論「フィリップ・マーロウ」
プリンはビーカーに入っているのだが
そのビーカーにフィリップ・マー ....
ヤカンが蒸気を噴き上げている
換気扇が僕の深呼吸を助けてる
起き抜けの僕は寝ぼけ眼で
YouTubeでニュースをボーッと観てる

何でもない何時もの朝
ドラマチックに憧れるけど
平穏無事 ....
ねこはきえたい。
リモート会議の時にわざわざビデオ通話にしたがる上司がいたりすると、ねこはきえたい。

ねこはきえたい。
閉店間際のスーパーで一度手に取った商品を後から半額シールを貼れ ....
器が落ちる

僕はそいつが割れるのを待っている

あなたは花に怯える、華奢できよらかな芯の、その脆さのために泣く
迫る、離れる
あなたは月に戸惑う、深々と白銀が刺ささるのに、心がくらんで目 ....
わかるよ、わかりたくない、わからない が
層になった
手垢まみれの反射、その向こうに
戸もなく
枠も取っ手も
砂に還った それが
雲間から射すところを見つけた
開いている
いつも ずっ ....
その秋、ユレは泣かなかった
毎日、悔しさに、哀しみに、怒りに、高揚に、ユレの心は動いた
夜だった
寝室に忍び込んだ、はやるユレにうながされ
私たちは
真っ暗なコスモス畑を走った
林の奥に
 ....
暗い風が吹いた
濃くあかるい夏空の下を
暗い風が吹いた

暗い風が吹いてもなお
夏空は濃くあかるく
白くかがやく雲を湧き立たせた
蝉たちは鳴き 鳴きやめ また鳴き
鬼百合 向日葵 百日 ....
頭から夜をかぶる
花の枯れる匂いと音、種の割れる、うっとうしげな身じろぎ、あくび
のびては千切れる翅
近づいては崩れる影
もう食べてしまった
それからまた食べる
際限なく伸びる、縮む
音 ....
もろバレなキミへの気持ちは
どこからが恋で
どこからが愛なの?

駆け引きも
ままならないくらい
あたし うわの空

こんなに夢中な恋愛
初体験 未経験

いろんな思い出 作 ....
ひっそりと生まれ
ひっそりと生き
ひっそりと死んでいく

群衆の中に埋もれ
自己主張することもなく
小さな幸せと
わずかな喜びを
日常に求めて
静かに暮らす

そんな人々が
報 ....
わたしをくるむあなたの器官を
海と呼んでみようと思う
なまあたたかい夜の渚に
白く浮かび上がるのは
何の兆候なんだろう

わたしは魚になってくるまれる
鱗のない最初の魚
満ちて、引いて ....
とたんにきみはきみが綱のうえにいるのをしる
そういうのを
場面暗転というんだ

ヒマラヤのてっぺんに打ちつけられた杭があり
その杭からとおく伸びる綱の一閃
その綱はオリンポス山の頂に穿たれ ....
ほうぼうでじっとしてきた気もする。

そうでなかったのと同じぐらいに。

ここが惑星だとおもえば軽減する筈の、ディスレクシアがある。

けれども全土なのだし、惑星は観念、全土という語感の支 ....
今日、先年の水害で何もかもが水浸しとなった地区に行ってきた。路肩に植えらていた筈のマリーゴールドは尽く引き抜かれ、その代わりに黒い農業用マルチがのっぺりと施されていた。

ちょうど一年 ....
Uさんのお宅へは何年も通った。Uさんは地元の新聞の俳壇に俳句を投稿していて、何年か前に期間賞の次席に輝いたことが自慢だった。その時のぼくは百人近くいる職員の中で唯一の男性ホームヘルパーだったこともあり .... それでもなお時計は刻まれる。打ち続く闇にとざされてもなお。

たくさんの詩を読むと目を見張る表現やその人なりの感性や生き様や哲学や苦しみをそこから少しだけ分けてもらえる気がする。ぼくはいつも感心し ....
 詩の世界は閉鎖的である、とよく言われる。何だか意味の分からない作品を身内で褒め合って、結局現実社会に及ぼす影響力など皆無であるかのように言われる。そして、だからこそ詩の人口は増えないし、詩を身近なも ....  和洋折衷、さらにはカジュアルな個々の色彩が一つの流れとなって目的地である広場へと延々続く。両岸にはイカ焼きやタコ焼き、りんご飴やチョコバナナ、お面にくじ引き金魚すくいなど、食欲と郷愁を誘う魅惑の露天 ....
竜門勇気さんのおすすめリスト(162)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
無題- 凪目自由詩3*24-2-12
いますこし、あなたの木陰に- 田中宏輔自由詩23*23-3-27
ぐるぐるショートカット- なけま、 ...自由詩223-1-29
えしえしえし- 暗合自由詩222-8-27
居酒屋あらわる- うめバア自由詩1322-8-20
- 逢坂 冬 ...自由詩9*22-8-12
無料で這えるカビのような言葉のポエム- 杏っ子自由詩322-7-29
七夕- 凪目自由詩122-7-7
無音- 凪目自由詩2*22-6-15
- 凪目自由詩222-5-31
逆さまの月- 凪目自由詩122-5-6
手遊び- 凪目自由詩3*22-4-28
マーロウ- 花形新次自由詩222-2-20
ロックンロールは他所でやってくれ- まいこプ ...自由詩122-1-30
#ねこはきえたい- 梥本 サ ...自由詩322-1-14
- 凪目自由詩121-8-28
禁良区- 凪目自由詩221-8-24
- 凪目自由詩121-8-16
暗い風- 塔野夏子自由詩8*21-8-15
からさわぐ煙- 凪目自由詩621-8-15
100%- 花林自由詩5*21-7-3
パラノイア- 花形新次自由詩221-6-14
微熱の海- 橘あまね自由詩421-6-12
気が付いたら綱渡りをしていたことを思いだした、ひとりで- 道草次郎自由詩921-6-7
ディスレクシア- 道草次郎自由詩2*21-2-26
洪水のあとに- 道草次郎散文(批評 ...10*20-9-17
残熱- 道草次郎散文(批評 ...2*20-9-3
破綻の只中で- 道草次郎散文(批評 ...2*20-9-3
詩の現実主義- 葉leaf散文(批評 ...3+20-8-31
千億の花火- 済谷川蛍散文(批評 ...220-8-27

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