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細いうでを腫らして
まっている子ども
たりないものは
たりないままに
愛せなくても
いいんだよ
なにもそんなに重要じゃないし
なにもそんなに重大じゃない
愛せなくて ....
なぜかはわからないけれど、世界はとおくにある。
朝顔の花でつくるいろ水や、
海辺でひろう角のとれたガラス、
いいにおいのする果物の皮
そういう、心地よくて意味のないものになりたかっ ....
あなたがいま
涙して崇拝する「真実」が
あるひとにとっては
毎朝やってくる避けがたい「現実」で
またあるひとにとっては
真実であり現実であるところの「絶望」であるが
その絶望に「実」は ....
乳房まである、黒い髪の毛をもっている。
それはときどき褒められるけれども、なぜだろう、なんだか嘘をついているような心持になる。
爪のかたちを褒められたり、顔の造形や、筋肉のぐあいを良い風に言わ ....
冬と春が
「もうさすがにいきますね」
と
手をつないで別れを告げにきたので
ああそういうことかと合点して
餞別にと毛布を渡した
それがおとといの晩
その夜が明けるころから雨が ....
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