ほんとうかどうか
知らないけれど
詩の勉強会
みたいなところで
こんなふうに言われるらしいね
悲しいだとか
せつないとかの
感情を指すことばを使わず
あなたの気持ちを伝えてご ....
夜ちゃんと
手をつないで歩いていた
夜ちゃんは
口を大きくあけたまま
何か話しかけるけど
その口は月なので
僕はその光をからだじゅうに
浴びている
夜ちゃんが
きゅうに無口 ....
コロンと鳴った 耳の下の方で聞いた
なんで気が付かなかったんだろう
ハネた髪の毛が鏡に映ったりして
食パンの焼ける匂いを嗅いだりして
振り向かなかった 振り向かなかったんだ
行ってき ....
箱庭の蓋が
ぴったり閉まらない
出会った頃は
普通の箱と蓋だったのに
一緒に暮らしてると
角が立ってしまうこともあるから
そのせいかもしれないわねと
妻はまるで
人ごとのよう ....
望みを下さい。
希望を下さい。
夢を下さい。
自慢させて下さい。
無視しないで下さい。
大切にして下さい。
話を聞いて下さい。
笑って下さい。
愛を下さい。
有名になって下さ ....
義弟が風呂上がりに寝っ転がっていると
娘がコロコロを拾ってきて
いきなり
一心不乱に背中を転がし始めた
マッサージか、気持ちいいな。
笑う義弟をよそに
手を休めない娘
真剣そのもの
ついさっき、猫 ....
空を溶かしたような
この海が
わたしの心の奥の奥を
綺麗に洗ってくれた気がしました
空と海が重なる此処なら
泣いても
全て飲み込んでくれそうで
心の雨もどしゃ降りに
降らせてみれば
....
ろくろ首
それにしてもあなたを待ちすぎました
わたしの断ち切れぬ想いはあの日の
あなたのうしろ姿に縋りついたままで
身体だけが狂おしく軋みながら
いくつもの夜を越えて来たので ....
ここで暮らしていたことが
夢のよう
いつかそうなる日が
来るとわかっていたから
やさしさは
やさしさでしかないことも
知っていたから
ただ祈るしかなくて
今も祈ることしかでき ....
坊主が屏風に上手に坊主の絵
を描いているところに
東京都特許許可局
の役人が訪ねて来て
裏庭には二羽庭には二羽ニワトリがいる
と教えてくれたので
青巻紙赤巻紙黄巻紙
を携えて駆けつけ ....
2009年1月1日
8時59分60秒
僕は一体何をしているだろう?
ある人は笑っているだろう
ある人は喜んでいるだろう
ある人はお酒でも飲んでいるんだろう
ある人は ....
Thinking time.
悩んで、迷って
成長する
でもね
YESやNOで
分けられない事がある
証拠や根拠が
なくても、
それだけが
全てではないのです。
物より
....
ごめん
いま
ちょっと
さびしい
ぼくは
いつだって
ずるいやつ だ
いつだって
そういって
にげて
にげて
けっきょく
なんに
なるの
こ ....
女の子は春に生まれました
桃色の小さな小さな靴が贈られました
風が若葉や清楚な花の匂いを運んできました
女の子の母親は六月がいっとう好きでした
雨が降ると木々や庭の草たちが
歌を歌うから ....
星降る夜にちいさな灯りがぽつん
ちいさなお家で
窓の外にも聞こえてくる
若夫婦が楽しそうにおしゃべりしているよ
プチプチリルレ
プチリルレ
ここは とってもおいしい と
評判のち ....
天を見上げると
白い花
なぜ泣いているのか
菊の花
地を見ると
黒い土
なぜ泣いているのか
花吹雪
雪は降りぬ
自然に溶け込み
体を白く染めぬく
楽しく回って踊る。
....
シロ、
あのひとはいつも
わたしをシロってよぶ
ほんとうのなまえじゃない
なんでかはしらない
いつのひだったか
わすれてしまったけど
なんでシロってよぶの、
そうき ....
キコ、あの頃みたいに
カッターナイフ遊びがしたいよ
廃校の裏に捨てられた注射器に
ためた雨水を夕陽に透かせば
遠い異国へ運んでくれる
琥珀色のモルヒネになったね
キコ、無人 ....
これはテストではない
完璧を要求されない。
手を放した空気風船
くさいアドバルーン
控えめがいい
周りが評価してくれる。
自分の仕事をして
黙っている。
愛が欲しければ
くれ ....
最近、体が重くなった
癖がひとつ増えたから
街中では
がちゃがちゃと
大人たちが
癖を重たそうに
引きずりながら
歩いている
誕生日にひとつ
プレゼントされる ....
白人は気性が荒い
鼻から息を吐いている
がめつい
ハングリーハンター
黒人は力持ち
息をしない
ずうずうしい
エッチ
日本人はTV漬け
熱し易く冷め易い
情に流される
仁 ....
それにしてもですよ、見るからにあやしげな女がよたよたと教会の階段を上っているというのにどうして誰も止めやがらないんでしょうか。その時たまたまそこに誰も居なかったというわけなんでしょうか。そ ....
僕のホームグラウンドは
君の駅に着く三分前の電車の中
・・・・・・
平日の昼間に足を踏み入れた
ちょっと疲れた各駅停車の車内には
重そうなキャリーケースに顎を乗せて眠っているおじ ....
彼女の手の平が押し出す白濁が
指の隙間から流れていく
少し力を込めた腕の強張りに
持ち上がる頬が顔立ちを整えていく
束ねてもらえなかった前髪が
目の鋭さを扇情的に遮っては見せ付ける
も ....
吐く息が、
薄く、
うすくなっていって、
きみはぼくが死ぬのだと、
気づいたらしい、
ようやく、
ようやくまぶたを閉じれるようになった、
その頃、
きみのナイフが、
太陽を剥いた ....
小学校に行ったよ
山奥の
廃校になった
なにもかも小さくて
洗面台なんかほんと低くて
でも何でも揃ってて
まだ、ひとの気配がした
あんまり陽あたりがよくて
運動場も広いから
....
段差のない
同じような家のならぶ
団地に住む
友人の家に日曜日
遊びに行った
ちょうどお昼ごろだったので
お昼ごはんを
ごちそうになった
手作りの
パンとコロッケと
....
問題です
この赤い糸はどこへ繋がっているのでしょうか
わかった方は緋月衣瑠香まで、どうぞ
ピンポーン
とチャイムが鳴る
あなたの顔を思い浮かべる
シャワーを浴びたばかり
少し濡れた髪を
わしわしと
拭きながら玄関へ向かう
早いね。
そうでもないよ。
左手でタオルをわし ....
みんな帰ったオフィスで
話しかける
もしもし
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