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秋晴れや雲なき空の青深し
汝が静か深まる青に吐息つく
秋深まり君なき夜の銀河濃し
うっとりと金木犀の秋日かな
込み上げる郷愁の念空高し
群れをなす曼珠沙華と青空と
雲上はいつも青空鳥渡る
やはらかく稲穂は風にたくましく
古本に残る傍線秋灯下
診察のドアにもクリスマスリース
朝顔や隣の家のドーベルマン
栗を剥くオリンピックの記事の上
ポッキーを束で喰いたる雪女
欠伸してナースコールの鳴りにけり
街の音に混ざりたる口笛夜寒
鯔を釣る水平線へ投げた針
秋の蝶母に恋して三千里
君の名はあしたも秋だ茜音空
小石蹴り缶から蹴って荻の声
アルバムを荻吹き抜けて箸立つ日
秋気澄む空からの声アコーディオン
並木道落ち葉踏み踏み万年筆
俳句の日五七五でする会話
名月をポテトチップで隠しけり
壇蜜の唾液に漬けた梅酒かな
一人身のビゼンクラゲの二日酔い
{ルビ海神=わだつみ}やネオンテトラの群れの中
広すぎる青田のそばの墓地に猫
夏深し月を吐き出す遠い雲
工場の裏の濁流川開
ソーダ水ダイヤモンドの砕け散る
紫陽花や嘘をつきたるタンブリン
紫陽花やお色直しにたつ新婦
祖母と母と私と娘蛍の夜
風鈴の 脆き響や 平和の音
蛍烏賊霧笛の二秒鳴りにけり
伊予柑や首の座らぬ赤子泣く
熊楠忌裸で覗く顕微鏡
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