暗い車輌が
過ぎて行く
きしる車輪の
音を残して
どこかに消える
儀式の時刻
中空を漂う
待ち人の視線

遮断された
昨日・今日・明日
の私
妻との外出

友にまた子規の歌集を贈らむと妻にささやく如月の昼

コーヒーのマイルドブレンド注文し二人来にけり茶店の窓辺

薄蒼き空の雲さえ淋しくて風にはためく宣伝の旗
 

目の見えない猫に
少年が絵本を
読み聞かせている

まだ字はわからないけれど
絵から想像した言葉で
ただたどしく
読み聞かせている
 
猫は黙って
耳を傾けている
少年 ....
はりついた水滴に
たまらず朝凪は
こきゅうをして、
そんざいを描く

とろける時間に
砂利道、みずたまり
セピアの、おとくず

あの子が、かすむ
つめたい足元に
藍がつたえば
 ....
カギはかけてないのに

なんでだれも入ってこないの


ユーアーウェルカム

発音は完璧なのに



帰国子女の
「チュッパチャップスなめるとRの発音が良くなるよ」 ....
拳には残っている
殴りつけてしまった
感触
顎の骨と
サンドイッチしてしまった
頬肉の
感触
殴りつけられた
痛みよりも
殴りつけてしまった
感触が
拳にまとわりついて
まとわ ....
紡いでいく
で、あろう/はずの
ことば
と呼ばれたものは
意識、という
こころのざるで
ふるわれたのち

いつも
肝心なところだけを

失ってしまう


 ....
身を粉にして働く
マメねー!
と言われる。
そうですマメですよ。

愛をばら撒く
皆が可愛い
皆の{ルビ僕=しもべ}
皆の足を洗う

命を大切に
命を平等に
命に責任を
命に ....
しあわせを数えて
ありがとうを発信する


予報よりも少し早めに
桜のつぼみが開き始め
相変わらず月も綺麗で
喉の奥がきゅっ、と鳴る


ひとりでもふたりでも
ひゃくにんでもせん ....
 
 
湯舟に浸かると
そこは港
ゆっくり岸を離れてゆく

目を瞑れば見えてくる
この世にひとつだけの海を
満天の星々を頼りに
湯舟はどこまでも行く

扉が開く音がして
お風呂 ....
? 蝶

シ/モクレンの一秒は
蝶の魂と同じ

奇妙に歪んだ美醜の契りが
爪先で蠢いて翅にかわる


うす紫がゆっくりと溶け出し
バスタブの温度を下げる

浴室で眠る蝶の夢は
完全に対称 ....
「わたし、あなたのこと嫌いなの」
と、笑顔で言ってしまえよ。

群がることが大好きで
独りを嫌う君達。

そのくせいじめたがって
独りを生むのが得意。


嫌いなやつとも
なかよ ....
桜咲く

胸痛くなる

木蓮がそれを告げる

傷つく準備かたくする

君と再会してしまえば


宇宙の碧まで連れてゆかれる

暗闇のような碧まで

堕ちてゆくように舞い上 ....
もくもくと
床磨き

とんとんと
整理整頓

掃除を
したのに

てんてんと
足跡が付き
ほの暗い
雲のもとでたたずみ
空をつかむ
透けている火影姿のこぶしから 零れる灰が
無風地帯へかえってゆき
つかみとおすこぶしは
遠い声にもほどかれることはなく
    透明 ....
霧につつまれた煉瓦通りを突当たり、
古いビルの地下にその店はあった
暗い夜の匂いが滲みついた長尺のカウンターには、
いつしか様々な顔と顔が並んでいた
俺は雑音の混じるオスカー・ピーターソンのピ ....
闇の東が
ほの白く潤んで
密やかな色と匂いが
滲み出す頃

花は
膨らみ過ぎる喜びに
身悶えしながら
目覚め

人は
濁った夢の浅瀬を
溺れながら
まどろむ

やがて ....
「サザエさん」視ずに二人で出掛けよう
(迫る明日から駆け落ちしよう)
あの子に電話するといつも後ろから聞こえる笑い声

またあいつ


いつもいっつも一緒


あの子の好きなキリンが描けないわたし

素晴らしくうまく描けるあいつ



あ ....
あの夏のプールでずっと溺れてる 溺死するまでたぶん永遠

溺れる青、僕らの断絶、空、曖昧にdis・communication、沈む群青

週5日学生鞄に泡爆弾 すべてを咎め何も咎めず

 ....
辛いけど
仕事を
勉強を

友達は
遊べと
言うけど

美酒は
後に
取って置く

負けたくない
マージャンしよう
カラオケ行こう
と言うけれど

時間がない
遊び ....
あなたに何かを伝えるために
私は
えんぴつを持って暮らしています

この手は
いかなる比喩も言葉にして
あなたのもとに届けるでしょう

この手は
寂しがったり苦しがったり
裏切った ....
冷たく触りきったあと
あなたの身体には何か遺るだろうか
私が夢見た痕跡は
のこるだろうか
青く澄んだ月の光のように
彼方のくぼみに 廃墟のように


(先に看取られ ....
あなたは
かけがえのない空

そう悟ったのは

自信の欠落したあの日から
幾月を見送った頃


新しい光
淡さを秘めた数分
あなたを忘れた数時間
掬われた空虚に
多少の望みを残したまま
捕らわれ戻る景 ....
おしまいは 急にやってくる

きのうが終わりだったことにも気付かないで

のうのうと呼吸する わたし

気のぬけたサイダーが知らせる時間の経過

にがいにがい泥水を飲み干して

終 ....
夜を抜け出して
港は
沈んでいる
深い群青の空を支える影は
暗く黒く
タールを越えて
走る

錘など最初から必要なかった
この手を、離せば。
それでよかった

忘れるわけじゃな ....
 山のように
 積みあがった吸殻
 明かりが落ちた
 暗い寒い部屋
 
 安コーヒーを口に運ぶ

 今日も恋人に会えなかった
 来たのは酒に酔って調子のいいオッサン
 
 キラリ
 ....
地吹雪が去った夜
夜空に張った薄氷の中に
満月が封じられている

月の光は 
擦りガラスを透した霊安室の灯りのように
歪められ 動かない

風がどこかで身を潜めている雪原で 
針 ....
妻が帰るまで
電話になってみる

受話器の奥が
外側に伸びてるあたりから
昔はなした電話の声が
聞こえてくる
思えば随分
たくさんの人たちと
はなしたものだ

亡くなった人もいる ....
 おそらく万人にとって、「恋」とは薔薇の花や輝きに例えられるものなのだろうが、私にとって恋とはときとして「毒」になる。すなわち恋愛至上主義者の私は、恋に恋しているのである。先日も、どうでもいいとわかっ ....
サバオ*さんのおすすめリスト(76)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜の回送車- フクスケ自由詩209-3-26
妻との外出- 生田 稔短歌409-3-26
絵本- たもつ自由詩3009-3-25
恋と汚れ- ゆうさく自由詩109-3-25
チュッパチャップス- カチキ自由詩309-3-25
記憶はデリート不可能だった- 北村 守 ...自由詩2+*09-3-25
透化- 山中 烏 ...自由詩6+*09-3-24
豆まき- ペポパン ...自由詩8*09-3-24
余らないほどの感謝を- あ。自由詩5*09-3-24
湯舟- 小川 葉自由詩909-3-24
psyche_Ⅳ〜Ⅵ- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...20*09-3-24
嫌われ者の憂鬱- ナ ヲ  ...自由詩2*09-3-23
桜咲く- 吉岡ペペ ...自由詩609-3-23
くりかえし- 未完自由詩4*09-3-23
帰る空- こしごえ自由詩10*09-3-23
夜霧のパピヨン_★- atsuchan69自由詩11*09-3-23
春暁- nonya自由詩14*09-3-21
日曜日よりの使者- 光井 新川柳5*09-3-19
妬き過ぎたモチはまずい- カチキ自由詩1+*09-3-16
溺れる青- 短歌8*09-1-20
遊びより勉強を- ペポパン ...自由詩8*09-1-15
仕合せ- エチカ自由詩2*08-12-28
0714flau_schmiedt- あすくれ ...自由詩5*08-6-28
ぽろん- 見崎 光携帯写真+ ...4*08-6-8
オープンエンド- 湖月自由詩1*08-6-8
黒猫- 士狼(銀)自由詩7*08-3-7
光る目- 山崎 風 ...自由詩308-2-2
凍った月- いねむり ...自由詩408-1-25
電話- 小川 葉自由詩508-1-22
- 麻生ゆり散文(批評 ...2*08-1-20

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