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終わっちまうんだよ
俺たち
灰になって
煙に、なって
空に紛れて
大気に混じったら
あの子の肺の中へも行けるだろうか
もちろんその子が、まだ生きていればの話だけどね
なんだか限 ....
大きくて
仕事以外で
人に
迷惑をかけている
気がします
普段は
表に出すか
わからないような事が
出てしまい
自分がわかりません
毎日 ....
雪が解けたら君の街まで行こう
晩秋の夜に君と春までのお別れをしたんだ
動物達は冬に備えて食料や栄養をたっぷりと蓄えていた
植物達は短い一生の終わりに未来へと繋ぐ子孫を残していた
....
白くつめたい指が摘んだ菫の花束
破綻をつづけるイノセンス
誰にもわからない時を刻む時計
虹色に震えながら遊離してゆく旋律
救いの無いシナリオ
かすかに聴こえる古いオルゴール
のようなノスタ ....
夢の中でも詩をつくっている
このどうしようもない欲
とっておきの最初の一行が思い浮かんでそれを記憶に留めるのだが
夢の時間が長過ぎてすっかり忘れてしまう
とっておきの一行を夢から覚め ....
ぼくたちは客車のなかで汗だくで存在する
ぼくたちは時に自分たちの水分によりとろけてしまいそうになることがある
木々のようにつり革の手前で僕たちはたたずむ
そうしてなるべくスマートに中央口の改札を ....
ぼくたちは静かにシンナーを吸引する
ボンドやパテやガソリンはやらない
誤ってガソリンを飲んだロッテは恋人のアパートで死んだ
その恋人の名前をぼくたちは知らない
ぼくたちは常に純 ....
眼球の下にそっと差し込んだヒマワリの種が
芽吹いた
冬だと言うのに街が暖かい
ラフロイグのビンがそこかしこに転がっている
白い玉砂利を食わされた犬がひっくり返っている
通り雨に ....
バイトに行くより
パリに行きたい
この国で育てた情緒が
すごい武器になったよ
昼は芋ほり
夜はカフェテラス
凱旋門へ凱旋
もっと大きな
責任感を果たすために。
みずたまり蹴 ....
手首かき切ったあの娘の
夢を僕は今でも覚えてるだろうか
十三階から落ちた彼女の
命をまた燃え上がらせよう
蚤に食われた
帝釈天の声はまた
狐色
短きこの世の地獄
空にクレーター
....
洗濯物を取り込む音が
二階のベランダから聞こえてくる
言い争うことも無く
君はもう産まない
とつぶやいた
僕らは同じ悲しみを
分かち合って生きる
多分同じくらいの
分かち合えな ....
見えては いなかった...
かっこうの 産声が 森を 編み
絹糸を 伸ばして 進み ながら あおいで いた
どうしようもなく あかるい 双眸の 記憶の 波が
茫漠とした ....
いつまで揺れているんだろう
このブランコ
いっそのこと
鎖が切れればいい
墜ちて
地面にめり込んで
やっと息が止まる
あわいピンク色や水色のブランコ
断ち切れた鎖がからみつく
....
床に教科書が転がっている
硬くなった茶色い吸殻が転がっている
トイレットペーパーが丸ごと転がっている
巨大なキャットフードみたいな
テトラポットが好きだった
のを
思い出したんだよ
....
あなたの心の叫びを
聞いた気がしました
どう捉えるかは
人それぞれだとは思いますが
私には
とても哀しく
とても寂しく
とても弱々しく
とても痛々しく
聞こえました
あなたは孤 ....
Is that a banana?
No,it isn't.It's a gorilla.
あれはバナナですか?
いいえ あれはゴリラです。
俗にいう一人の少年が英語を見限った瞬間を
....
八月 二週 また 入院暮らし...
ガラスの塔のなかで、優しいひとらに、接しながら、病と添い寝して。
夏は、晩夏を迎えて、( もう、立ちつくし、亡くなっているのかも、しれない。 )
....
毎度のことながら、
女にふられたので、
ラブホへ行って死のうと思った。
どうしてラブホかといえば、
情死かと思われるかもしれないからだ。
死んだ後のことなどどうでもよいかと思えば、
にんげ ....
いってらっしゃい
おかえりなさい
ごはん できているわ
おいしそうだね いただきます
そうだわ にちようび どこへいく
えいがをみて さんぽして
いっしょに ゆうはんのかいものにいこ ....
線路の下に作っている道路工事が原因で線路が陥没し
山の手線が止まって大混雑だとワイドショーが言うので
西武新宿線に乗って高田馬場駅まで様子を見にいった
新宿などのターミナル駅と違って高田馬場はJ ....
よく 死んだ
よく 死んだのである
明るい 日差しが
私の 胸を 刺殺するために
よく 死んだのである
今日も 暑い冬であった
私は 又 死んだために
眼鏡が 折れた
途端
盲目 ....
その日
チカテツが「おかわり」と言ったので
駅員さんはバケツいっぱいの鬱憤をチカテツに与えた
そうやって今日が特別だってことを体に教える
チカテツは震えながらそれを
お腹いっぱい食べた
....
こんな夜は
最終列車に乗って パラディソの君に会いに行きたい
僕の着く パラディソには
まだ
色がない
パラディソの海岸を二人歩く
僕の零した涙を
君は笑って 暗い海に投げた
....
世界の四隅まで
呼吸の音が染み渡っている
君の耳にも届くだろうか
この交響曲
生き物達は静かに とても静かに
生き死にの分裂を繰り返している
潮の満ち干きのようなその静かな喧騒を
愛 ....
小さな庭に
骨が積もった
息子は
動物だと思っていた
「寄生虫」だと言われてしまった
ひっそりと唇からしのび込み
大事なものを少しずつ吸いとってゆく
あなたの内臓に絡みつき肉を食む
そのうち
あなたの骨も脂肪もすかすかになる
心は風船 ....
心がゆらゆら揺らめいて
蒼く赤い燃える小さな炎に
過去の自分が走り抜けて行く
あの頃はよかったね
何も考えずに毎日を通過
感情を失いそうで
ベットで疲れた体を横たえる
フラスコに一輪 ....
肉屋さんで少しの肉を買った。
黄色に塗られた自転車が
すれすれで通り過ぎていく。
母親の腕から赤ん坊が
指をくわえて笑いかけてくる。
小学生が
細い足を絡ませあって遊んでいる。
恋をした ....
把みきれない現実に
心が過剰で収拾がつけられない
はみ出してゆく言葉たちが
僕を取り囲む時空に傷をつけてゆく
瞳はいつも怯えたように見開かれてしまう
何故対峙してしまうのだろう
何故融合で ....
少しだけ死なせて、と
たった一人
君が言った
春の
うつくしい夕暮れだった
ぼくは
君なら死んでもいいと
思ったから
ばんご飯の時間には
帰っておいで、
と言った
ぼくは君が
....
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