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赤ん坊のころは一日が途方もなく長かった
太陽の落ちるスピードは メリーゴーラウンドのようにゆったりとして
空の模様は 私が目で追いかけられるほどに やさしく変化した

今よりも朝ごはんは時間を ....
宇宙 果てしない荒野
まっくらやみの孤独の海
きっとそこは
命の源泉でもなんでもなくて
死にゆく命もないから
墓場にもなりきれなくて
ただ 馬鹿みたいに寂しいだけだ
天に敷き詰められた灰色のふとん
かみさまがおねしょをしたから
ほら、雲間から
かみさまが恥ずかしそうに手をふってる
雨の降っている朝だった
雷が近くでうなっていた
ときどき地がふるえ
木がゆるゆる揺れ
小学生が嬉しそうに道をいく
わたしはゆううつだったが
彼らを真似て
ステップを踏みながら歩いてみた
 ....
朝のにおい
冬のにおい

夕げのにおい
夏のにおい

かあさんのにおいって
どんなにおい?

春 陽が高く昇っているころ
空はすこーんと明るく晴れて
車が少々走っている道路脇
 ....
空は
むかし
透明で

この世の青いもの
全部すいこんだ

(わたしの青いブラウスも
空に持っていかれた)

空は
いま
青色で

透明な雨を
はきだしている
ニキビ薬のかおり 通りすがり

名も知らぬ君だけど

成長のにおいは

知っている
あなたの中では
わたしは未だ幼児の姿を保っている
わたしは最近化粧を覚えた
わたしの右脳と左脳が
けんかをしています

頭が悪いのはきっとそのせいです

わたしの右足と左足が
けんかをしています

足がのろいのはきっとそのせいです

わたしの右手と左目が
 ....
転んだはずみで
地球のコアに近づいた

膿みたいに
どくとくと脈打っている

心臓の周りにへばりついてるみたいだ
ポンプが上下するたび
わたしは息をする

わたしと平行に
地球は ....
お釣りのでない街で
ひとは一円玉のありがたみを知っている

過剰に与えすぎることもなく
不足することもない
むやみに邪険にするわけでもなく
ゆきすぎた保護もしない
ただ
ひとは一円玉の ....
ひとの繋がりがうすい 過密地域の

携帯の電波しか届かない都会のかたすみ

一人暮らしが テレビをいくつも所有し

新品のまま維持された システムキッチンが

埃をかぶっている固定電話 ....
ふたりでどこかに行かないか
夏のプールで見た底の方の傷に僕ら
惚れ込んだら
もうすぐ息継ぎのいらない世界へ

ふたりで見つけにいこう
夏のプールに浮かんだ小さな虫
助けたら
神様がきっ ....
体を駆けるこの思いは何色か
錆び付いた赤色の鉄のように鈍く光る

きっと愛よりも憎しみが君を突き動かす
列車が揺れている

私は寒がりなので

毛布にくるまりながら

じっと座っている

ポケットの中には

手に握りしめられた切符が

入っている


行き先はわからない
 ....
指先は凍えるほど冷たくて
だからストーブの前で解凍しなくてはいけない
笑ったまま冷凍された表情筋をほぐしながら
わたしは新聞に目を通す
なるだけ 幸せな記事だけを選びながら
途中 クジラが座 ....
あのね

あなたと手をつなぐために
生まれてきたかったんだよ

あなたを抱きしめたくて
大きくなりたかったんだよ

覚えていてね
あなたに芽生えたいくつもの愛が
この地球上に存在し ....
梅雨の季節のにおいがした
まとわりつく湿り気があった
地面をみつめる
黒く濡らした雨は
もう降っていない
きょうから彼女は
この街をでていく
列車にゆられて
新しい駅に降り立ったとき
 ....
栄えている街も 工場も
ある一瞬   不意に眠る
たったひとつの音しか聞こえない世界に
億千万の意識が
大気圏で浮いている  眠っている
あなたの脳は
意識を手放して
気ままに夢をみる
 ....
殿上 童さんのマフラーマンさんおすすめリスト(49)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
誕生日- マフラー ...自由詩5*11-6-7
たゆたう- マフラー ...自由詩4*11-5-13
かみさま- マフラー ...自由詩2*11-5-3
雨の日の朝- マフラー ...自由詩5*11-4-26
におい- マフラー ...自由詩4*11-4-20
そらのいろ- マフラー ...自由詩3*11-4-14
こうして大人になる- マフラー ...自由詩2*11-4-10
進む退化- マフラー ...自由詩3*11-4-9
けんか- マフラー ...自由詩8*11-4-7
脈打ち- マフラー ...自由詩2*11-3-30
小さなもの- マフラー ...自由詩1*11-3-26
むなしさに覆われた生活- マフラー ...自由詩2*11-3-19
夏のプールで- マフラー ...自由詩3*11-3-18
衝動- マフラー ...自由詩1*11-3-10
列車- マフラー ...自由詩3*11-3-7
帰宅して- マフラー ...自由詩3*11-2-26
胎児- マフラー ...自由詩2*11-2-25
サルスベリが脱皮するとき- マフラー ...自由詩3*11-2-24
一日の後半から前半にかけての詩- マフラー ...自由詩1*11-2-23

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