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強がっているわけでもないけれど
そして君が厭なわけでもないけれど
君が帰ってこない今晩が妙にすがすがしくて
コンビニで二つあるレジの一つで順番を待っていた
丁度私が並んでいた方じゃない方が空いた時
オヤジが割り込んできた
「先並んでたんで」
そう言って私はレジに商品を置いた
そしたら
「ちっ ....
魂を置き忘れたから
無為に待つ
ベージュの口紅を塗って
いつもより控え目なメイクで
つば広帽子を片手で押さえる
伸びた背筋にきっぱりした足取り
威圧感はないけれど有無を言わせぬ機敏さ
淑女として扱われたいなら
....
負け犬は社会からはじき出されて
今日も部屋に籠って
「芸術」という免罪符を貼った
自慰行為に走る
そうやって世間に
ひそかに楯突くことしかできず
負けを認めずに空威張り
それが ....
夜が来るほんの少し前
西向きの部屋には
橙がふんだんに降り注ぐ
いくつもの世代交代を経て
現在がある
永い間お世話になりました
ありがとう
今までいくつもの風景を映し出し
数々のメッセージを伝えてくれた
その分厚い顔
忘れはしないよ
過去は ....
悲しいね
だけど
いつか死ぬの
一人残らず
ねえ
もうためらわずに
道路のまん中を歩こう
失われたあの日を探して
あてもなく歩き出す
切望していたものを手に入れた瞬間
当たり前にあったものが音もなく消え去った
犠牲になったもののことを思い出しもしなかった
息を潜めていた痛みが ....
窓から降りしきる花びらは
想い出の涙のように音も無く
唯、湿った空気の中に消えていった
雨音は誰も否定しない
部屋の中の孤独をひっそり温める
唯、自己愛のかたまりを照らし出す
美しすぎる自分に恋してしまった
ねぇナルシス、あなたは誰のもの?
隣に居ても 抱き合っていても
あなたはあなた自身を愛してる
美しいナルシス、あなたを否定しないわ
唯、これだけは赦して
....
満たされない
満たされない
満たされない
その隙間を感じることで
満たされる
満ち足りた瞬間
何故か
満たされなくなる
渇いた口に水が注ぎ込まれる
その刹那に最上の歓びを ....
コーヒーがcoffeeでもなく珈琲で
カフェがcafeでもなく喫茶店で
レトロなものがハイカラだった頃
右肩上がりの時代はもう終わってしまったのか
無気力を必死に押し留めようとしながらも
....
見つめ合うこともなく
言葉を交わし合うこともなく
唯体温を感じる距離で
お互いを認識している
肌が触れ合うことに
どんな意味があるのか
きっと答えは無いのだろう
そこに在るというだけ ....
信号無視するあなたが好き
駆けることもなく悠々と
赤いランプの意味をかき消して
あなたはそんなあなた自身が大好き
私よりも家族よりも誰よりも
孤独の壁はそびえ立ち いつまでも近づけな ....
雷雨と寒さにやられて
おまけにすごく読みたい漫画があったから
今日は仕事をズル休み。
何をそんなに恐れているの?
死ぬ可能性なんて今この瞬間だって
決して0じゃないのに
あなたの存在を
あなたの不在によって
より一層実感する
今此処にない腕や声の
あたたかさを
心で抱きしめる
アールグレイの薫りが
そこはかとなく漂う部屋に
雨のそぼ降る初夏の午後
やさしくありたい
でもやさしさって何
あなたのやさしさは十年前の私には届かなかった
星の光のように
遠くからやっと届いたんだ
今そのぬくもりをゆっくり吸い込んだ
もう愛の押し付けは ....
今日もまたブルーに沈む
青い視界には曇りがない
浮つくだけ浮つけばいいわ
私はこう思うの
“あなたの魅力を分けてあげてるのね”
躰ごと何処かへ消えてしまうように
5限目の授業中は
夢の海を泳いでいた。
満たされなければ
埋め尽くそうとする奔流が産まれて
満たされてしまえば
表面張力に負けそうな不安に
何処までも落ち着く事の無い
彷徨う旅のように
今日も私は貴方の捜索を始める
あなたはすぐ
先にいってしまうから
私は追いかけなきゃいけない
私の湿った場所を
どうしてくれるの?
早いことは罪だから
あなたのその手は
私の突起と柔らかい丘をまさぐって
....
起き抜けにchampagne
むしろ浴槽を満たして
煙草の匂いはjazzyに
何て素敵な退廃
絡み合って墜落しましょう
不健康な呼吸
よく分かりもしない上等な言葉で
戯れてるだけ ....
「幸せ」と云ってしまえる自分に驚く
「幸せ」と云われたらきっと
私の胸はかすかに痛むのだろう。
「失いたくない」と思えば思うほど
「失いたくない」と云われたくなくて
だからお願い、何も云 ....
夏が好きな僕らは
陽射しの眩しさに
笑いながらも胸をときめかせていた
初めて迎える
二人の夏に
汗ばんだ期待が香る
総てを感じていたい
火照った躰に
ぬるい水が弾けた
やさしさに馴れてしまわぬよう
敢えて悲観的に考える
何時の日も「有難い」と感じていたい
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