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忘れ物を取りに
真夜中
オフィスに向かう

追いかけてくる
警備の人を置き去りに
マスターキーで
ずんずん進む

いかめしい
暗証番号も
全部ぜんぶチャラにして

そうか
 ....
今日
わるぐちを投げた
うまくいかない 輪投げみたいに
二度ほど
書き直してから
送信

ほどなく
私の書いたわるぐちが
白い画面に現れる
匿名の
小さな怒りだ

ああ
私 ....
ろうそくが燃えるのは
それは
ロウが燃えるのだ


では
ろうそくが消えるのは
それは
ロウが尽きるのではなく

燃えるべき
ことばの芯を失うからだ


心を持たない
 ....

あなたは樹木
草原に立ち
両手を広げ


あなたはグラス
降り注ぐ声を
すべて 
受け止め


あなたは交差点
別々の人生が
いつしか
ひとつに


ひら ....
スカイブルー・スカイ
去年の私は
もういない

テロメア
擦り減って
私は少し身軽になった

あなたのメール
まばらになって
私は
一歩踏み出す準備

愛してるって
転写し ....
バックスペースで
だいじな文字から
消していく

逢いたいな
逢いたい
逢いた
逢い





跡形もなく
この世を去った

文字や
私のため息が

抜け殻の ....
ありがとうも
ごめんなさいも
また今度も
いらない

生きている
私たちに
また夜が
祝福する

エレベータ
昇って 
降りて

繰り返す
夜の波だ

打ち寄せる
 ....
傷つけてる?
って
聞きたいけど

聞いたところで
変わらないから

愛は
かたちのない夕暮れだから

終わりも始まりも
ただ

沈みゆく夕暮れだから
 
 
 
  ....
たとえば
主審の吹くホイッスル
スタジアムは
興奮のるつぼ

たとえば
ラジオの玉音放送は
長い長い
嘘の終わりだ

春が来て
木々の小枝に

新たな希望 ....
今日 
おおぜいの人とすれ違った
夕暮れ 

みんなみんな
ベクトルがある
私とは無関係の
距離
方角

自らの影踏みで
月を踏んだ
地球が

褐色の月
息苦しさの
赤 ....
グラウンド・ゼロに何が建つのか
私は知らない

おそらく
洒落たショッピングセンターと
御影石のモニュメント

原爆ドームを見上げると
青空が見える

ドームの小ささを
私たちは ....
生きてるだけでもうけもん
さんまちゃんは言う
そうだね

ときどき
2ちゃんねるをみる
実にうつくしくないことばの羅列
そうだ
ボクらは紙一重で
生きてる
生きてない

ここは ....
生きているのかどうか
よくわからない

会話して
笑って
そこそこのニュース
それから
それから

罪を犯せば
誰かが泣けば

生きてるって
思えるのかな

愛しても
 ....
きょうは
どんな日でしたか
誰かのことを
いとおしく
思い出したりしてますか

きょうは
どんな日でしたか
ひいきのチーム
負けちゃいましたね
よくがんばっても
負けは負け

 ....
全部全部ネットの上にあるなんて思うのは大間違いだ
本当に伝えたいことはこんな画面の中にはないのだ
夕暮れの空の色がグラディエーションで変わっていく美しさを
言葉で表現することはどだい無理なのだ
 ....
ほら
やわらかな終わりがきたよ
やさしい
天使の顔をして

私は
急に思うのだ
三途の川の水面にも

低く高く
トンボの群れが
乾いた
秋を告げるだろうか

ワシは
車を ....
本当は
私を愛して欲しいのだ
貨物列車の地響きの
圧倒的な質量で

乱暴に
私をかしずかせ
それを私は言い訳にする
それを私は言い訳にする

あなたの今を
もはや問うまい
それ ....
無為な時間の使い方を
私は知っている

あなたに
メールを打つ

秒針を見る
秒針は回る
自分の意志で

私は見守る
返事は来ない

期待もしないし
落胆もしない

メ ....
あと
いくつ夏があるだろう
母のいる夏

母に
もしものことがあったら
私は
どんな風に送るだろう
出来れば

いくつかの詩と
数え切れない花束で
彼女を 包んで

黄泉の ....
くしゅ、って
どこかの
紅茶ポットが

できましたって
ささやくように

あるいは
きょうみしんしん猫が
もふもふのねこじゃらし
鼻のあたまをからかわれ

くしゅ、って
かお ....
私たちは
おりがみのくに
二次元を

小さくたたんで
つるになって

おなかの隙間から
ふう、って
息を吹き込めば

祈りを宿した
強い記号だ


メレンゲを
淡く
 ....
要するに
しっぽ
なんだと思う

ブロック塀を
渡る猫が
しっぽ
ぴん、と
アンテナ立てて

バランスをとる
そろりそろり
それでいて
悠然として

しっぽ
うっかり落 ....
今日は歓迎会だったので
先輩が顔のきくバーというところに行ってきました
古典的というかなんというか
カウンターとボックスと通信カラオケ
カラオケは得点制 まあ
それはいいんだけど
得点に応 ....
薄紙を
剥がすみたいに
ほんのりと
春が来ました

川沿いの桜は
もう
ほとんどが散り終えて
ラブホ通りの
車道を埋める

カッターシャツのお兄さん
二人がかりで
お掃除
 ....
もう
よっこらしょ
なんすよねー
後ろ姿は去年と同じ

おひさし
やっちゃったねー
はいー
やっちゃいました
猛スピードで
あはは

疎開出産
じゃなくて
いや
ほんと ....
春は曙
そう言った君の瞳に
薄らいでいた
ミモザ華やぐ

春は曙
悲しいニュースが
空を覆い
水が途切れた

産声を聞く
遠い国から
モウ
ダメナノカモ ....
ワシは
ばあさんの手を
離してしもうたんじゃ

そう言って
肩を震わす老人と
私も
同じだ

できなかった
いくつものこと
悔やみ
さいなまれ

夢見るように漂う今日を
 ....
ツイッターで
熱が出ました
暑気あたり
傍若の海

嗚呼
欲しいのはリアル
ことばでも
停電でもない

ぴったりと
隙間もないくらい
肌とはだ
重ねてたいよ

お叱りとか ....
あふれるフォーティーン
光を追い越して
ただしいフォーティーン
笑顔を見せて

炉心溶融
水素爆発
避難
壊滅
弱者の視点

私たちは
文字を駆使して
文字にあらがい
文字 ....
せみのこわさは
からっぽのむね
とりわけ
大きな声で鳴く

私が
わんわん泣いているのは
私の
心がからっぽだから

あいたい
あいたい
あいたい
あいたい

私のこわさ ....
殿上 童さんのuminekoさんおすすめリスト(95)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
マスターキー- umineko自由詩8+*12-6-5
わるぐち- umineko自由詩11*12-5-13
紅いろうそくと人魚- umineko自由詩12*12-4-27
- umineko自由詩23*12-4-11
スカイブルー・スカイ- umineko自由詩20*12-3-20
バックスペース- umineko自由詩6*12-2-27
いらない- umineko自由詩12*12-1-15
かたちのない夕暮れ- umineko自由詩10*12-1-4
ホイッスル- umineko自由詩10*11-12-29
小さな手- umineko自由詩8*11-12-14
グラウンド・ゼロ- umineko自由詩17*11-11-27
フライング・ソーサー- umineko自由詩18*11-10-21
光る闇- umineko自由詩5*11-10-3
シャボン- umineko自由詩6*11-10-1
時間旅行- umineko自由詩13*11-9-24
しあわせトンボ- umineko自由詩10*11-9-18
ロンド- umineko自由詩6*11-9-5
8月のむい- umineko自由詩5*11-8-21
朝の蛍- umineko自由詩12*11-7-2
くっくどぅーどぅるどぅ- umineko自由詩8*11-6-9
おりがみのくに- umineko自由詩22*11-6-6
まいでぃあ・しっぽ- umineko自由詩14*11-6-3
ラブあんピース、なんだよなあ- umineko自由詩9*11-4-23
はるのうた- umineko自由詩7*11-4-17
9months- umineko自由詩6*11-4-3
エーテル- umineko自由詩2*11-3-27
レイン- umineko自由詩2*11-3-25
肌みいろ- umineko自由詩3*11-3-21
フォーティーン- umineko自由詩1*11-3-14
カナリア・アイランド- umineko自由詩1*11-3-14

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