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山の桜は満開でした
おとうさん桜だよ
見える?

父は眼を見開いて
悲しげに少し眉を寄せて
(眩しかったからかもしれない)
車いすの上で
桜をじっと見上げた

あー見てる見てる
 ....
白木蓮の花びらが
届かなかった手紙のように
散り落ちている

強い風の吹く
五月の日暮れ

咲いたばかりの桜が
ちりぢりに
遠くへ吹き飛ばされていく

行かないで・・

白木 ....
この国では
国民が憲法を守るのではなく
憲法が国民を守っているのです

憲法は国民を縛るのではなく
為政者を縛り
国民の
自由と人権と主権を
守っているのです
不戦の誓いも
そのた ....
パンジーの隣に
スィートアリッサムを植えようとして
移植ごてを手に
しゃがんでいた

視界をよぎる小さなプリズム

見上げれば
空はどこまでも青く

あたたかくなりましたね
本当 ....
私は卵を毎日産む
優秀な鶏
多くの同胞と同じように
一羽ずつ
ケージの中で大切に守られ
整った環境で
健康に育てられ
栄養が 無駄な筋肉や
要らない羽にいかないで
卵のみに集中するよ ....
自分が思っているようには
他人は自分を見てくれない

それで私は
極力自分を
客観視しようと試みた

気付いたら
他人の顔色ばかり伺って
ますます自分が
わからなくなっていた

 ....
地上に引き出された私の網膜に
無数の矢が
容赦なく突き刺さる

モグラになって初めて知った
過剰な光は
漆黒の闇よりもさらに凶暴で
瞳を凝らす事を禁じ
見る事を私に許さない

視神 ....
糸のように細い茎
葉は小さなハート型

切って
水に挿しておくと
傷つきやすい神経のような
白い根がはえ
土に植えると
再生する

そうやって
いくらでも増えるクローン植物
 ....
走って行って渡った
点滅を始めていた
青信号
お昼休みに
買ってきた弁当が
手の中で跳ねている
サラダがいくらか多いのにした
空は晴れ渡っているのに
風は冷たい
私の胸の中にも
 ....
冷たい風の中を
歌いながら歩いたら
歌が千切れて
後ろへ
飛んでいった

飛んでいった歌が雲になって
遠くの煙突と
空を繋いだら

紫色の歌の塊が

夕陽の方へ
押し寄せてい ....
庭に花園を作って楽しむのは
未来を
思うこと
球根は裏切ることなく
毎年花を咲かせるし
宿根草は年毎に株を大きくする
一年草は種を落とし
思わぬところから芽を出している

白いつるバ ....
雪解けを待ち切れず
雪の中に芽を出してしまう

だから雪を早くよけてやろうとして
芽をちょん切ってしまったこともある
苦い記憶
切られた芽は花にならない
でも次の年には
必ず芽吹く
 ....
三月のかた雪の上を歩いて
湖を行くと
半分水につかったまま
凍りついた樹の枝に
ふくろうがいた
ふくろうは目を閉じていたが
やがてゆっくり見開くと
私をみつめた

ひらべったい猫に似 ....
雪国の春は
急に速足でやってくる

庭の雪がみるみる解けて
クリスマスローズは
地面に張り付いていた体を
ゆっくり持ち上げて
太陽を見てる
土に溶けてしまった葉っぱもあるが
その真ん ....
寝てる間に僕は
バージョンアップされているらしい
知らないうちに新情報がインストールされている
過去と未来の脈絡もなく
誰かと入れ替わったことにも気づかず
昼夜を問わず
意識にのぼる暇もな ....
短い夢の中で
大声で泣いた
会いたかった
探した
追いかけた
夢の中では
心が息を吹き返す

例えば
一日の疲労にゆらゆら身をまかせ
バス停まで歩く道
夕焼けでもない
うす曇り ....
春が降り注ぐ
固くこわばった雪山に
冬の汚れをこびりつかせ

シャーベットに足を取られ
車が跳ね上げる泥水に
コートを汚され

春が降り注ぐ
微笑がこみあげる

春が降り注ぐ
 ....
捕まえられた殺人犯は
群がるマスコミ関係者に向かい
マスクをずらし
何か 喚いた

「あっ、彼が何か叫んでいます。
なんと言ったのでしょうか?
ちょっとよく聞き取れませんでした・・」
 ....
君の言葉が泳ぐのは
淀みのない海流

北上しながら溺れるのは
空と
水平線とのあり得ない接点

君が脱ぎ捨てたいのは
どこまでも纏いつく
垢じみた毛皮
切り捨てたいのは
画布に滲 ....
鳥の姿の失せた空には
鳥のかたちの欠落がある

影が消え
言葉は失われても
羽ばたいてゆく記憶が
風車をまわす

失われた鳥の形の
風が舞う


私は
声を出せるだろうか
 ....
夜の間に降った雪で
季節は逆戻り

誰かに投げた言葉の礫
今朝の気分は吹きすさぶ

更新された背景
鳥籠の中で
冷たくなっていたインコ

突然
マグカップの持ち手が&#25445 ....
沼のほとりにあなたは立って
覗き込む
濁る水底
揺らぐ藻の影
素早くよぎる魚の気配に
煌めく泡が
まっすぐに
昇ってくるのを待ちながら

言葉の淵にあなたは立って
覗き込む
尾び ....
道化者
僕はただの小心者
小心だから
嘘をつく
ばれるに決まっている嘘を

はじめはうまくいっていた
あまりにも
うまくいきすぎて
引き返す道を失った

ばれるのが
怖くて
 ....
父は今日
返事をしなかった
話しかけても

目だけはじっと
私をみていた

まゆみだよ
わかる?

といっても
黙っていた

聞こえる?
と聞くと
うなずいた

声は ....
手紙を入れて
春の小川へ流してやるのだ

壜はゆらゆら流れて行って
コルクの栓もしだいに腐り
水が浸み
河口近くに沈むだろう
それとも海へ流れ着き
波に揉まれ
誰も聞かない音をたて
 ....
紙の前には座りたくない
鍵盤の前にいたい

昼ひなか私は没頭する
緊迫する
高揚する


せわしなく
抑揚の激しい旋律を
いつか
さりげなく
やさしく
奏でることができたら
 ....
色褪せてしまうまで
崩れ落ちるまで
見届けたかった
遠くなる影を見送り
不在を確かめたなら
踵を返し
歩きだすはずだったのに
あとからついていったのだ
見失う一歩手前の距離を保ち
二 ....
夕暮れの空を見上げると
今日はお月さまがいない
と思ったら
真上やや後方から呼ばれた
「ココニイルヨ―」
ふりあおぐと三日月
こないだ見たときは
真っ黒な空の真ん中で
薄笑いの口みたい ....
おおゆきが降った夜
雲の切れ間で
三日月につかまって
空中ブランコしてたのは
木の葉の舞う頃
行方不明になった黒ネコ

最初は新聞の折り込みチラシ
猫のアップの写真の下に
「飼い猫を ....
みなさんどうかよいお年を
今年一年数々のご無礼を働いたことも
どうか水に流してください

わたしとしては
それなりに
誠意を尽くしたつもりです

努力が足りない事も
わかっています ....
あおばさんのLucyさんおすすめリスト(133)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- Lucy自由詩15*14-5-12
白木蓮- Lucy自由詩16*14-5-5
平和憲法- Lucy自由詩9+*14-5-3
シャボン玉- Lucy自由詩13*14-4-29
白色レグホン- Lucy自由詩20*14-4-22
客観視- Lucy自由詩15*14-4-21
点眼- Lucy自由詩20*14-4-16
ワイヤープランツ- Lucy自由詩13*14-4-15
シグナル- Lucy自由詩14*14-4-11
風の中を- Lucy自由詩12*14-4-10
花園- Lucy自由詩17*14-4-9
クロッカス- Lucy自由詩11*14-4-9
ふくろう- Lucy自由詩19*14-4-2
雪の下から- Lucy自由詩8*14-4-2
更新- Lucy自由詩11*14-3-24
短い夢- Lucy自由詩10*14-3-24
春が降り注ぐ- Lucy自由詩17+*14-3-17
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もぐら叩き- Lucy自由詩12*14-3-14
鳥の影- Lucy自由詩26*14-3-7
自覚- Lucy自由詩14*14-3-6
沼のほとり- Lucy自由詩19*14-2-28
ピノッキオ- Lucy自由詩11*14-2-25
父は今日- Lucy自由詩22+*14-2-20
- Lucy自由詩17*14-1-27
レッスン- Lucy自由詩13*14-1-19
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今年はこれでお終いです__(詩人サークル「群青」今月のお題「 ...- Lucy自由詩15*13-12-28

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