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トランプ遊びしてる
息子とカルタで

きっと何か間違えてる
けれどもそれは
それで楽しい

ためしに
どっちが勝ってるの?
と息子に尋ねると
嬉しい
とだけ答える
 ....
 
 
湯舟に浸かると
そこは港
ゆっくり岸を離れてゆく

目を瞑れば見えてくる
この世にひとつだけの海を
満天の星々を頼りに
湯舟はどこまでも行く

扉が開く音がして
お風呂 ....
 
 
夜が青く明けてゆく頃
除雪車の音が聞こえている
ひとつの戦争のように
降り積もる雪を魂に置き換えて
作業は続く

まどろむ真冬の月の目は
わたしたちと同じ
出来事だけを音で ....
 
戦争が終わらない
真夜中は
戦争を始めるため
回避するため
会議室で行われている

夜更け
戦争のための戦争は
繁華街に移行され
朝まで続く
眠らない街に
灰になって積もっ ....
 
まだ顔を知らない
姉からの手紙が届く
意識だけの

わたしはまだ
返事が書けない
体を持たないから

真夜中
母に触れたがる
父を感じる
わたしの命のはじまり

いくつ ....
 
消しゴムで消してしまうと
虹が出来てしまうから
それ以上描けなかった

あなたの顔は
スケッチブックの上で
雨後のように濡れていて
小さな水溜りにある黒子は
ゆらゆら揺れながら
 ....
 
春が訪れた
ある晩
列車に乗って
終着駅にたどり着くと
妹はまだ
待ってくれていた

春夏秋冬
それからもうひとつの
季節があった
かつてひとつの
家族でいられた季節

 ....
 
陸上競技の大会で
入賞した
優勝ではなかったけど

おにぎりが
少し塩辛い気がした
母さんが少し
変わった気がした
僕も

晴れわたる空
というわけではなかったけれど
い ....
 
しっぽを空へ
ぴーんとのばして
ここにはいない人たちと
話していた
わたしたちには
そんな時代があった

ところがある日
しっぽをのばすどころか
しっぽを持たない
人に出会っ ....
 
ふとその人の
意図してることに気がついて
糸がふるえている

わたしは煙草を銜えながら
返信メールを
打ちはじめたけれど

意図の糸が
いつまでも
ふるえているので
確信を ....
  
あるべきところへ
おさまって
けれど
はみだしたところに
やさしさがある
ほんとうの

うちのつまにも
はみだしたところが
きっとある
ほんとうのやさしさが
うそばかりの ....
 
ヒトのかたちを持たない
友だちが
殖えている

わたしのマイミクシィは
ついに五十をこえた

文字で言葉を話すから
人間なのだろう
とは限らないけど

ふと思う
彼らはた ....
 
しあわせだけでは足りなくて
ふしあわせなら
もっと足りない
ものたちが
ホームから
改札口へ流れ込み
潮の匂いだけのこして
ぼくときみは立ち尽くしていた

立 ....
 
今はもう なにもわからぬ存在の 少女が吐いた 蛤の泡

なつこという 名のある少女がいたけれど あるいはふゆこ だったかもしれぬ

窓のそと 誰もいない景色あれば 虫、花、草、すべて  ....
 
わたしの背中には
一枚の皿が
ぴったりとくっついていて
たとえば高いところから
低いところへ落ちる時など
少し浮いてしまう

そんな時
わたしはこの世界から
少し離れたところへ ....
 
心臓にも
記憶があるらしいんです、と
その透明な
心臓をもつ少女は言った

にくたいが
ほろびてもまだ
記憶というたしかなものが
あったとは

わたしは思って
しかし
何 ....
 
 仙台は変わった、と人は言うけれど、私はそうは思わない。たしかに、形而下の変化はあるにしても、変わったとすれば、それは人が変わったのだ。街を歩けば、古い地元の店は、休日だというのにシャッターが下 ....
 
それはいったい
どんな
かたちなのだろう

まるみをおびた
それと
さきのとがった
それの

いまそこに
あるかのようにしてる
それも

かたちのあるものと
ないもの ....
 
南国の木が立っている
わたしのように
雪国に生まれてから
ずっと

南国の木は知らない
自分が
南国の木であることを
雪国の木であると
信じている

雪国で生まれたなら
 ....
 
もう長いこと
あなたと暮らしてきたけれど
もし今日が
はじまりの一日だったなら
僕はあなたに何を言えばいいだろう
と考えた

暮らしてきた日々とひきかえに
これからも暮らすための ....
 
箱庭の蓋が
ぴったり閉まらない

出会った頃は
普通の箱と蓋だったのに
一緒に暮らしてると
角が立ってしまうこともあるから
そのせいかもしれないわねと
妻はまるで
人ごとのよう ....
 
ふれると
消えてしまうものばかり
見てきました

ふれる
ということは
案外
傷つけることかもしれないと
知ってしまってから

ただ
見ていることしか
できなくなっていま ....
 
なぐさめ方が
せつなすぎるから
苦笑してばかりいたけれど
ちゃんと泣いてくれる君の横顔を
ろくに見ることもできないで
最後にはいつも涙が零れていた

北風が目にしみるね
ふたりの ....
 
いつからだろう僕のからだには
アルファベットと数字が記されている
いくつめかの恋をした時に
恋人により偶然見つけられて
それからすぐに彼女とは別れた
とても怖がりながら僕のもとから去っ ....
 
雪の上に寝そべりながら
ぼろぼろと落ちてくる雪を見ていると
それは錯覚なのだろうけれど
空をどこまでも昇ることができる

このまま
天国までいけるような気がして
目を瞑り
目を開 ....
 
その人のことを
空さんと呼んでいた
空さんは
だだっ広くどこまでも
青くなったり赤くなったり
涙したりして
人のようだった

空さん

時々丘の上から
呼びかけてみるけれど ....
 
段差のない
同じような家のならぶ
団地に住む
友人の家に日曜日
遊びに行った

ちょうどお昼ごろだったので
お昼ごはんを
ごちそうになった

手作りの
パンとコロッケと
 ....
 
ピーマンになって
人生を振り返ってみたけれど
からっぽだから
何も思いだせない

生まれた家のことも
父と母がいたことも
きょうだいがいたことも
結婚したのに
好きな人がいたこ ....
 
十くらいはなれた
妹に
よく似た娘に
やさしくしてしまう

やさしくした後で
そのうかれた顔は何だと
誰かに言われたわけではないけれど
きっと僕は
そんな顔をしてる

もっ ....
 
かくしごとなんて
はじめからなかったはずなのに
生きてると
知られたくないことの
ひとつやふたつあるものでした

できることなら
椅子に生まれて
何も思わずにただ生きて
人を支 ....
あおばさんの小川 葉さんおすすめリスト(445)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 小川 葉自由詩809-3-25
湯舟- 小川 葉自由詩909-3-24
除雪車- 小川 葉自由詩709-3-20
灰皿- 小川 葉自由詩6*09-3-16
意識の手紙- 小川 葉自由詩509-3-14
瑞々しい嘘- 小川 葉自由詩3*09-3-12
ある晩、春は- 小川 葉自由詩509-3-10
美しい夕暮れ- 小川 葉自由詩709-3-6
しっぽの話- 小川 葉自由詩509-3-6
ふるえる糸- 小川 葉自由詩4*09-2-25
三月- 小川 葉自由詩5+09-2-25
ロボット- 小川 葉自由詩4*09-2-20
足りなくて、見つめ合えば- 小川 葉自由詩4*09-2-14
ごむまり- 小川 葉短歌1*09-2-14
- 小川 葉自由詩209-2-11
透明宣言- 小川 葉自由詩5+*09-2-2
雪のひとひら- 小川 葉散文(批評 ...7*09-1-19
かたちとせかい- 小川 葉自由詩109-1-17
南国の木- 小川 葉自由詩5*09-1-15
はじまりの一日- 小川 葉自由詩309-1-10
六角の箱庭- 小川 葉自由詩3*09-1-8
- 小川 葉自由詩3*09-1-7
友達- 小川 葉自由詩708-12-29
R305- 小川 葉自由詩4*08-12-26
世界- 小川 葉自由詩508-12-23
空以外の空- 小川 葉自由詩6*08-12-19
段差のない家- 小川 葉自由詩6*08-12-16
ピーマンショック- 小川 葉自由詩3*08-12-12
- 小川 葉自由詩21*08-12-8
椅子- 小川 葉自由詩21*08-11-30

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