{引用=憂鬱な目覚まし時計、日常へ旅立つ自転車のペダル、決曜日


ぽっかり空いた胸ポケットに立葵を活ける、華曜日


眠れる森に訪れたファーブルたちの欠伸、睡曜日


静かなく ....
これを愛などと呼ばないで欲しいね
セックスは白痴の時間だよ
会話にもならないこんな行為、誰とでもできる
双方、
己が器官の快楽を追求しているだけだ

ああ、69ね アラビア数字はエロいよね ....
母さんがオナベをしてブクロに住んでくれた
小林商事つぶれたろうとヘッセと安室ちゃん
古着屋の需要はまだ高い赤耳のリーヴァイス
(後略)
                猿渡群馬

この詩を ....
ブラウン管に映る天皇裕仁をテンちゃんテンスケと嘲罵するほど軍国少年
であった父は明らかに左翼で、党から除名されても宮本議長(当時)の不
撓不屈や不破書記長(当時)の才気煥発に敬服やまず、一般紙の他 ....
 夜、寝たくないので夜更かしをする。面白くもないテレビをつけたまま、渇いた笑い声を聞いて、インターネットで開くだけ開いて、ぼんやりとしている。日付が変わって、頭が痛くなってきたら、寝ることにしている。 .... 素股
 性風俗業界用語で、精神性を重視した男女交際のあり方を指す。禅で言う公案、
 フランス語でサルトル・エ・ボーヴォワール。


素敵
 人類のみに特有の、抽象表現の1類。

 小 ....
あそこに咲いた桜は
果たして、何分咲きなのだろうか

一つ、間の抜けた提灯と
手を繋ぐ親子の声が
きらきらと光る、岸辺の話

鳩を気にかける少年の上で



、あ。
 ....
悪いけれど硬質な言葉を紡ぐ機会は生憎持ち合わせていないので、絹にはなれず綿にもなれないレーヨンの立場から言わせて貰うと、矢張り立場が不利である。斜交いに物事を見る奴だとか、根性が曲がっているのだとか、 .... 始めに朝があった
僕たちは扉を開けて
靴音鳴らして別れてった



「自分に自信がある男程SEXが下手なんだよね、何故か分かる?努力しなくても良いから。自分に卑屈な男の子の方が自分に ....
{引用=彷徨うお前のたましいからもしも右手が差し出されるのならば、}

泣いたり笑ったり
他愛無い言葉を交わしたり
時に交わってみたり
逆立ちしてみたり
泣いたり
笑った(ふり)を
し ....
波の匂いがする。

まぼろしはわたしをさらうことはしない。

やさしさという風が、角のコンビニエンスストアに入っていった。思わず後を追う。ああ、ここにはいつも、誰かがいる。自動ドア ....
ことばに
すくわれたかった
だから
ほんをひらいた
けれど
ほんのことばに
こころはなかった

ことばに
ころされたかった
そんなときも
ほんをひらいた
けれど
ほんのことば ....
 


名刺を作ろうと 印刷の手順を踏んで
文字数が足りないことに気付く
そういえば表面もまったく足りない
どのあたりに 名前をかこうとしていたのか

木蓮は季節ではないので
紙のよ ....
誰も気付いていない
扁平な空と屋根の間に
ブランコがある
そこには
飛行機で行けないが
羽根をばたつかせても
到底届く高さではなく
梅雨にぬかるんだ地表と
レーダーに映る雨雲の間に ....
燃えるごみを
ごみ捨て場へ持って行こうと
外へ出たら雨であった

透明のビニール傘を差して
そのままぼんやり空を見上げる
水滴の降ってくるさまが見えるのが
大変おもしろい

周囲でく ....
 
白地図に雪が降り積もる
数える僕の手は
色のない犬になる
古い電解質の父が
真新しい元素記号を生成している間に
妹は今日はじめて
言葉を書いた
それを言葉だと信じて疑わないので
 ....
親指姫になりたいな
ベッドはタンポポ
お布団はチューリップ
枕はハルジョオン
黄色や赤の夢を見るのです

テーブルはキノコ
クッションは木の葉
カップはどんぐり
お皿は薄い栗の実
 ....
わがままな飛行機雲が
あおぞらに
まっすぐ線をひく

ちくしょう
飛行機雲め

あなたと
私との距離に
まっすぐな線
ひきたいけれど

公園の木々
信号
コーヒーハウス
 ....
身体の中で潮騒を飼っている
辞書はそれを焦燥や憂鬱や歓喜などというが
潮騒はそんなにもシュハリ、と
姿を変えるものだろうか。

生まれて初めての始発に乗った。
どうしてだろうかとは考え ....
―幾年も思い浮かべる蓮の根を身篭りたいの貴方のだから


「ランティルディ」を纏う真夜中
ひねた顔した満月
薄汚れた監視カメラに写るほのかな人影
部屋の中でキー置く音が響く
 ....
長い時間、丁寧に水切りをされた子どもたちを
洗濯ロープに干していく
きゃらきゃらと子どもたちが笑うので
ちょっとした火花が続いた
子どもたちから出たお汁は
大切に集められて牛舎へ持っていく
 ....
地球がもう少し傾いてたら
この斜め振りな雨に濡れることはなかったかもしれない。


寝ぐせとも天パとも云えぬような頭からは
まっすぐな言葉は生まれない、かもしれないから




今 ....
鳥が散っていく
春の風が吹くたびに
周囲の木から
ぽとりぽとりと
しずかに散っていく
その下で
人々は今日も
失うものを
探すことに忙しい
百年もすれば
鳥も人も
すべてが土に還 ....
夜だった。一人だった。暗い川を筏で渡ろうとしていた。筏はとても古かった。櫂で漕ごうとするとバランスを失った。川は濁流で、僕は今にも落ちそうになった。すると、川面からぬめっとした首のような、海獣のような .... 結局のところあなたについて書くほかはないのだ。
選択肢は常に目の前にぶらさがる。
埃だらけ蜘蛛の巣だらけのシャンデリアみたいに、
ぶらりぶらりと。
肝臓の色をした月に腎臓型の雲がつかみかかる。 ....
枯れはてた屋上。
フェンスすれすれに、
ジェット機が飛んで行くのが見える。
君臨する夜に向かって、
いい加減に手を振った。
握り潰すように
掌にはスプレー缶があった。
それで
夜から色 ....
■美味なるもの、について我が独断と偏見を。



一、

焼肉といえば、ホルモンである。
ホルモンを食わずして、なにが焼肉か。

「飲み込むタイミングがわからないんだよね。 ....
校庭の地平線で
夕暮れの鉄棒が傾いてる

いつか海の上で
鉄の船だった頃と同じ
色と角度で

長い影の少女が
さかあがりの練習をはじめる
船と同じ色と角度で
昇る太陽は朝に似ている
鏡のない部屋で山火事を知っている

三角の絵の前に浮く栓から泡

においする村を静かに人呼ばわり

土壁に脆い鴉が鳴いている

空席の朧に縋り尽くす妻

友の内側に鳴り響く湖底があ ....
寒気が
どっさり
目覚まし時計を押しのけ
郵便受けには
号外の雪が
詰め込まれている
のだろう

起きぬけのトイレから
スニーカーをつっかけ
目を閉じて
つま先からゆっくり踏みし ....
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