冷たい空気は
一人佇む
この、時の流れを
少し切なくさせる。
寝転んだアスファルトは
冷えていて
孤独の闇を誘い出す。
けど、目を ....
響こうとして、やめた
あの鐘の試行錯誤が
静かに鳴っている
レンガ造りの壁/床/屋根
その全てに
すべからく神は宿るのだと
その象徴として
誰か ....
酷く懐かしいおとの方向に
ゆっくりと重たい足を運ぶと
静かに瞼をとじた
まだらな少女が蜘蛛を数えていました
ここは危ないよ、
逃げないとそのいやらしい銀糸に絡めとられて
ぱくっ ....
今日の朝の空は
雲一つない澄み切った黄色だった
青はどうやら品切れらしい
緑も余っていたらしく
どちらにしようかと悩んだあげく
黄色にしたと農夫は答えていた
いつ青になるのかと聞いたところ ....
稲妻でみんな酔って終われるって言うから此処に来た
だから早くそれを出せばいい
そう言いながら手を傷つけて血を流しながら
貝殻を握りつぶしている友達を笑って見ている
俺たちはライトアップ ....
天球の下で深呼吸した
魂と宇宙とが繋がった
身体の震えが止まらない
精神が歌うこの世界の歌
この限られた世界の歌
月の光に照らされて
足元に広がるこの世界の歌
胸元が温かい僕という人間の ....
この躰
闇に包まれ
消え逝くも
想い変わらず
光となりぬ
いつかまた
君にまみえん
陽のもとで
消え逝く願いを
光に変えて
あんたはほんまにきれいに切りよる
すうっていう音が聞こえてきそうになるわ
あんたの血はきれいやな
そこに顔を映すとき
一番うちが奇麗に見えるわ
あんたの切り口を見てると
だ ....
抱かれて眠りにつく
花びらに抱かれて眠りにつく
気づくと体中が棘だらけで
優しい花びらさえ壊してしまう
願いが届くには棘だらけの皮膚を
奥に眠る何かさえ
ひっぱり出さないといけないの
....
池袋とか新宿とか
そんな
詩みたいにきれいな響きを持った名前の街は
おれたちの暮らす街にはないので
とりあえずできることといえば
コンビニの前にたむろしている若者にビクビクしながら
そいつ ....
あなたはいつも私に
「私は誰にも大事にされなかった」
と諦めたように言うけれど私はそれを聞くのがとても嫌いです。
何故なら私はとても無力だからです。
あなたが愛されたいのは、愛されたか ....
天井が
少し低くなりました
心の一部が
ぬけて
上に上に
あがっていきました
「またお前は自分を
殺しちまったんだよ。」
そう言ってそれは
天井に染み込みました
....
僕が詩を詠むのと同じ頻度で 君はメロディーを刻むだろう
そうして 月曜日に僕はノートを持って
君の家に行こう 君の家は
小高い丘の上にあったね、絵本のような完全さで。
僕が読み上げると
....
瞳の中へと潜り込んだ
光は乱反射して
心までは届かない
深く落ちていきたい
君と共に眠れる日を夢見ていた
君から向けられた線
上に立つことなど出来ないから
飛礫を下に零すのだ
....
夢静か
脳に映る
私の分身
清らな血は
証を問い正すように
湯船に小さな
波を起こす
かすかな吐息が反響する
この小部屋に
赤い水蒸気が
天上に達し
滴とな ....
やっと寒くなった朝に
雪は降った
お前はじっと降り落ちる白を見つめる
白い雪
お前の目の前を通り過ぎていく
外に出たいとお前が言う
長いまつげに雪が降り積も ....
灰色のゴム長靴が
水溜りの道を一歩ずつ
飛沫をあげながら一歩ずつ
いつのまにか雨上がりの
中途半端な空を中途半端に見上げる
待ち焦がれた土曜日の朝を
息をは ....
一人佇む夕暮れに
春を呼ぶ風通り抜け
時の移ろい見えたなら
春待つ喜び湧き出でて
畑の中の土を見る
土の匂いは春の声
歌はなくともリズムあり
その鼓動は夢語り
遠い空まで飛んでゆく ....