低空飛行の夜
損なったものなんて何もない
遠ざかる午後に
悲しみの痛み分け
あなたが笑った皮肉に
私も笑えればよかった
僕らはさみしい子供だから
間違いだらけの夜更けの中で
雨の音を聴いている
最近雨が好きになったのだと
君は言う
明日も雨が降ればいいねと
僕は言う
壊れたテレビを何度でも
....
やさしさもみんな抜け落ちて
そいつはセーヌの流れに消えた
キリストマリアを引っかいて
破れた爪で十字を切った
....
暗い夜から
桜の木へ
落ちていく途中
わたしは足から
落ちようとしていた
美容院は何軒行っても
満足できないし
恥かしいくらい何度も何度も
求めたくなるし
ねえどうかしちゃっ ....