こどものころ
よく聞かれました
大きくなったらなんになりたい?
わたしはいつでも
お菓子屋さんと答えたけれど
ほんとうは
ちがうの
わたしは
大きくなっても
なんにもなり ....
街灯の
周囲に孤独が群れる夜
耳をすませば犬、遠吠える
鳥たちが
十字架のように羽根ひろげ
薄暮の空に貼りついている
雨天こそ
こころ華やぐべきでしょう
赤い傘さしスキ ....
今年から親父の頭が初日の出
【春】
雨上がりの桜並木を駆け抜けたフロントガラスにピンクの水玉
【梅雨】
ロックした車のシートに置き去りの鏡が空の顔色伺う
【夏】
トランクに放り投げて乗せたのはビ ....
雪わける新幹線の速さかな
三階で見ても霰でかすむ街
犬に追われ篭に白雪頬に風
また会える理由を探し差し出したCD3枚「今度返してね」
唇にリップクリームをすり込ませ待ち伏せをする好きです、好きです
マフラーをぐるぐる巻いて捕まえた−4℃から始まる恋
....
寝て食べて
ちょっと甘えて
イヤなことスグに忘れる
猫の幸せ
好きなもの
陽だまり
うたた寝
マッサージ
カリカリ
ほら穴
トカゲのしっぽ
愛嬌をふりまきカリカリせしめた ....
しあわせがこわい
ふしあわせのほうが
ほっとできる
しあわせをもとめているのに
ふしあわせのほうに
よりそってしまう
「わたしがすきなひとのじょうけんは
....
ここは田舎町だから
電車の中はいつもの様子
ポツンポツンと
どこに座れば良いのか
迷ってしまう
どうせ辿り着いてしまう
ガタンゴトン
揺れる
窓の外には
見慣れているという
さ ....
朝が昼に
昼が夜に
夜が朝に
かわってゆくのを
空を
見つめていると
ああわかる
さかいめなんて何処にもないよ
こころもきっとおなじ
つらいこころも
かなしいこころも
み ....
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