とってめかしいリンパの流れに、
ストップウォッチは疾走する。負け
ないようにCD―Rを回し投げ続け
たら、白樺の木を切り倒す結果にな
った。カミナリから我が家を守り続
けていた白樺の木。
....
ある日電車で向かいになったおじさんが
ちょっとうれしそうな顔して居眠りしてるのみたら
どうしようもなく親に電話したくなって
寂しくないのに涙ぐんで
なんでもないようなあたたかさ
感じている ....
生きている限り湧き上がってくる
もう駄目だと諦めかけた思いを
励ますかのように
五体のひとつひとつが
出口を求めようとさざめきだすのを知覚し
もうひとつの確かな意思
本能だとか呼ば ....
携帯をなくした。警察に届けて、あとは使用を停止して。きっと誰かが、海に投げたりしたんだろうな。さよなら。2年間ありがとう。
必要なとこには連絡した。しばらくは予備のPHSで暮らすことにした。解約 ....
四角い鳥かごの小鳥を
人差し指という小枝へ導く
みなみは細く圧迫される指を
目線まで上げて
「この部屋も 鳥かごみたいね」と言う
秋とは名ばかりのあやふやな風が吹き込む
窓辺に吊るした ....
しろいしろい
まっしろな頁
そこには
紙いっぱいにひろがる
まぶしいかなしみがある
それはいつか
日にやけた
本のようなにおいがする
いま
そのにおいをかいでいる
....
夜更けのベッドの中で
あなたの背中にしずかにくちづけをする
くちびるを通して
言葉にできない言葉たちが流れだす
それは「うれしい」だったり「幸せ」だったり
「ありがとう」だったり
....
まどろみながら
僕が見失っていたのは帰る場所だった
それとも
もしかしたら行き先だったかもしれない
目に見えるものの手触りを確かめて
それをどう思えばいいのかを確かめていた
孤独な色だ ....
今日は良くないことが
起きる気がする
例えば僕が息絶えるとか
なら今日は君に逢いに行こう
今すぐ歩いて逢いに行くよ
必ず行くから待っていて
花を持って行くよ
君の好きな花を沢山
....
シャツが僕に滲む
けれどどうでもよかった
息継ぎもなく
おでこは
机とずっとキスをしている
僕は其れを見ない
脳に埋め込まれた
小さなモーターだけが
頭の中で回る
震 ....
君の夢をみたよ
君を抱きしめている
相変わらず細っこいなぁ
でも暖かいなぁ
そんな幸せな感情に包まれた
瞬間
君が
あっという間に
赤い赤い毛糸になってしまった
その ....
真の賢者に
恋の相談はしない
悩みとともに
その恋からも 解き放たれてしまうから
愛について
優しさについて
僕は何もいえないし
本当の事なんて何も知らないから
僕は君を抱きしめたんだよ
伝わればいい
ただ
僕のぬくもりとか
それだけでいいから
君に伝わればい ....
夏がゆっくり 歩み
晩夏のうしお
ひたひたと
我が胸を濡らし
透明な羽根 輝き
つくつくぼうしは
夏の最終章を寂しげに歌い上げる
木々の圧倒的な緑の先に
秋の気配は
そよぐ風 ....
すべての灯が消えて
私は闇と静寂につつまれた
携帯電話のディスプレイだけが
取り残されたかのようにひかっている
それも数秒したら消えた
今度こそ私はひとりになった
....
はじめてラブと出逢ったのは
新宿歌舞伎町にあるペットショップ
狭い檻のなかで怯えるように震えていた
あなたの瞳をみつめた瞬間から
ラブ
わたしたちはあなたの虜になってしまう
思わず ....
行き交う
小さな悪意と微妙な善意
溜息をつき、ふと見下ろせば
エノコログサ
都会の路の隙間から
ひっそりと顔を出す
猫の尾のような、ふさふさの穂
まさ ....
指の動きでドレミを造った
見たことのない音
奏でることに夢中だった
何に夢中なの?
そう聞いて返ってきた言葉に
私は膝を抱えた
寂しいからじゃないよ
....
夏の盛りの日差しを受けたので
あの家の壁はあの人の肌のように白くなり
日陰がますます地面を焦がして
午後の家並みはきりりと彫が深くなり
空はじりじりとしてあなたへの思いのように
もどかしい ....
エアコンをつけっぱなしにして、裸で寝たせいか
今日は少し、頭が痛い
のどが痛い
食欲がない
アボカドを半分に割って、醤油をかけて
スプーンですくって食べた
昨日のキスが忘れられなくて
....
白い紙
鉛筆で詩を書く
間違えた文字を
消しゴムで消した
ごめんね と呟いた
なんとなく切なくなった
白い紙の上
黒い塊見つめ ....
玄関の向こう側で
人の声がする
それは私の知らない人の声
玄関の向こう側で
行き来する自動車の声がする
それは忙しいと街が嘆いている声
玄関の向こう側で
ジェット戦闘機の声がする ....
ピエロが嫌いっていつか言っていたのを思い出したんだ
夏の暑い日、鏡の館の迷路の中で、
ピエロが一緒に行こうって手をひいた
わからなくて、何かの外に出れるかもしれなくて引かれるままに
行った ....
この手が
いくつもいくつもあったなら
泣いて光をうしなっている
あの子の
背中を
なぜてあげたい
頬にこぼれるものを
ひろってこの川に捨てたい
この手が
いくつもいくつも ....
いこう
この丘をのぼったら
一面の星空みたいに、きらきら輝く町並が見下ろせるんだ
キミの手をつないでゆくよ
いこう
澄んだ夏の青は
海を宝石のように輝かせるんだ
....
トイレで用を足したなら
ちゃんと流す
それがおとなの対応
いくら大好きな彼のであっても
普段は決してあからさまにすることの無い
若かった頃の女性遍歴やら
誰かと何を食べたのか見せつ ....
旅の合間に
僕を癒してくれたもの
それは遊園地
観覧車に乗って楽しむ
毎日車に乗って
色々な場所に行く
休む日なんてない
一人にされて不安になって
城や寺や山や湖や
毎日日替 ....
もうやめようって言ったその日から
あきらめるための日々
3日経ったら「大丈夫」って声をだして
4日経ったら「笑って」って言ってみて
5日経ったら「なかったこと」にして
風がふいたら思 ....
手があなただけに触れて
ひまわりが雨に打たれて
うな垂れる
声が震えないように
祈った
言葉以外のことの方が
伝わってしまいそうな 雨の 日
足音が長く ....
勢いに任せて 何となく今日まで生きてみたよ
違うよ 生かされているんだ ああ言えば こう言う
もうどっちだっていいよ どっちかなんて 決めたくないよ
何とかなるだろって 切羽詰まって
結果 ....
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