夜の片隅は 窓際に満ちていて
澄みわたった天空のオリオンと
交差しています
歴史の流れを彼なら
知っていると、したら、
交差する窓際と宇宙の果てに
言葉に似たものがあると、したら、
....
お正月ぐらいはと帰った実家で
思いがけず伯父さんからぽち袋をいただいた
幾つになっても嬉しいものは嬉しい
おめぇにもやっからよ
おとそ気分全開な赤ら顔は楽しげに
崩したあぐらはすっか ....
真実を言葉にすると
嘘になる
痛みをやわらげると
傷になる
ただ すべる手と手を
ただ 重なるぬくもりを・・
今日は ホント会えてよかった
口数の多い、いつも飾ってばかり ....
星降る夜にちいさな灯りがぽつん
ちいさなお家で
窓の外にも聞こえてくる
若夫婦が楽しそうにおしゃべりしているよ
プチプチリルレ
プチリルレ
ここは とってもおいしい と
評判のち ....
狭庭の片隅に
妻のみつけた
秋海棠
病院の片隅に
ひそと咲いてた
秋海棠
あのころは幸せの
風が吹いてた
秋海棠に
今日は水族園の定休日
清掃はぼくの仕事だ
すっかり水の抜けた巨大水槽の中
頭上に燃える太陽
遠くジェット機が白い尾をひいて空を行く
濡れたコンクリの地面に空から落ちた星のように
....
大きな水槽の中に入ってしまったのは、
久しぶりだった。
そこは、ゆらゆらうごめいていて、
別々の世界が水素と酸素を融合させている。
やさしみの泡は、その中をぷくぷくと
漂って ....
私がまだサンタクロースを信じていた頃
父方の祖母と同居していて
私たち兄弟の面倒をみてくれていた
今にして思えば幼さ故とは言え
彼女には随分と理不尽ことしでかしたものだと悔いる
それなり ....
小学校に行ったよ
山奥の
廃校になった
なにもかも小さくて
洗面台なんかほんと低くて
でも何でも揃ってて
まだ、ひとの気配がした
あんまり陽あたりがよくて
運動場も広いから
....
アスファルトの熱
耳をつけてキミの温度を聴く
不安で仕方なくって
キミの確かさが欲しくって
塗り固めてしまった弱い僕たちだけど
ねぇ
あすふぁると
あすふぁる ....
うちに任しといておくれやす
うちは京都の女どすえ
錦はうちらの色どす
錦の御旗うち立てて
江戸へお行きやした
お侍さんたち
そんなら、みなはん
錦小路の
....
終わってしまったはずなのに
密閉した重い蓋の透き間から
かすかにに甘くたちのぼる
胸の底 荒野の地中から
かぐわしい薫りはゆるゆると漂い
真夜中の片すみにうずくまる
そ ....
なだらかな曲線を描いて
時間が蛇行している
本当は
霧状のものなのに
浮揚している
空虚な意識を投げ込んで
思考は楕円形のひもの上を回り続け
輝きを薄めていく
....
成分分析:ともさんの96%はソレで出来ています
カテゴライズは確実にソコ
ヒント:題名はアルファベットの配列です
だれに愛されるわけでもなく
だれを愛するわけでもない
あなたはあなたのままでいて
わたしはわたしのままでいる
独り歩くということの
ゆき場も見えぬ哀しみの
....
乙女は恋を抱いて
いつまでも生きてゆくかも
少年はうち悩み
走り出て 木をゆすり
土を掘り返す
娘と息子
少年は6倍も悩むという
今日は こうして詩をかく
....
つよいびるかぜを
さけながら
まちのきっさてんにはいる
ぶれんどこーひーに
くりーむを
とかしこんで
そそぎこむとちゅう
ふたりになって
はなしていた
おんなともだちの
けいたいで ....
あなたがあなたであるために
あなたがあなたであることを
あなたの限り、
生きぬいてください
夜気に退屈をさらけ出すプラタナスが
細い小枝で編んだ投網で上弦の月を引っかけている
葉陰から木漏れ日のように明かりを点滅させて
モールス信号を送る橙色
きっと月の頬には痕が残るほど
....
峡谷を挟んで
街がまた一つ
大きな白い砂漠に
のみ込まれて
消えた報せ
夜空の向こうには
目が醒めるほど
白い砂漠の朝を待ちながら
砂粒は銀色に輝いて
すらりとした紺色の地平線へ ....
葉脈のない手で
壊れそうな
きみを複製して
アロエ
愛がひざまずいて
ここに痣ができたの
ぎざぎざの記憶の痕
なぞるふたつの指
触れる粘液の
とろりと滴る
....
隣のおじさんが
動いている音
階段を上り
こんこんと何かを打つ
僕も一人でないことを知る
午前7時半から一言も
発言してない
午後5時7分前
心の中で今日も言い続けた
6時ごろ妻が帰 ....
恋が恋とはわからずに
そう初恋と云う言葉
さえも知らなかった
少年の頃の焦がれる記憶は
小さな翼が
羽ばたいていく
軌跡のような
鳥たちの
とても切ない
ぬくもりみたいに
少女の小 ....
ゆらりとそよいだ
黒髪は
涼しい黄昏に
やや雑駁な面持ちで
暗がりの多くなった細い
路地の景色を
夕陽と連れ添うようにして
揺らいでいる
ひんやりとした西方にある
最果ての夜空より
....
どこか信じてた
どこか疑ってた
でも
なにもかも
おしまい
どこまでも信じてた
再起を願ってた
でも
繋いだ手は
....
1
姉は、猿が、親を殺している夢を、夜ごと見ては、
目覚める度に、硝子が砕けるように、怯えていた。
地味な窓から、手を伸ばすと、
裏庭の空き地越しに見える、マッチ箱の家たちは、 ....
さあ給食当番
鯨の立田揚げかー
みんなによそってあげないと
そんな時に来る
モリタカユキ
おい一茶、
ロボットロボット!
ぼくはロボットじゃない
ニンゲンだよ!
違うって一茶 ....
僕がそれを壊しました
真相を探りあてたのです
幸せの鐘の音
フラワーシャワー
未来の感触
僕が引き金引きました
丸ごと引き裂いたのです
甘い夢 ....
(一)
「ぴーちゃん、ぴーちゃん
トイレってどこなのぉ」
河原の石をひっくり返しては
何やら探していた
まーちゃんが突然立ち上がったと思ったら
おいらの元へ駆け寄ってきた
こ ....
携帯電話の液晶画面で
生長するサンスベリア
ぐらぐらと揺れながら伸び
薄白い筋が
増えていく
(ちょっと、待ってよ
どうしても?どうして?)
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