すべてのおすすめ
空という無辺際をまとって
バランスから身を乗り出し
石器時代の少し前までしなやかに跳ぶ
言葉による情報伝達のゆるやかさは
ある種の懐かしさをもって書棚から
ペール・グリーンの表紙にこ ....
夏の乾いた心に結晶する
ホワイト・サイの六花
明け方 西の空に力強く
まだ月が見えたころのはなし
気持ちを繋ぐロープは
駅前の人、人、人で混線中
ひとまず心を落ち着けようと
スコッチ ....
期末試験の採点が済み
ポストにコトンと
成績報告書を投函する
苦労してつけた成績は
大学の教務課に届き
機械的に処理される
名前の並んだお寒い紙に
SだのAだのBだのCだの
....
そのようなわけで あたしは世界を語りなおすことにする
眼球のゼラチン上の表面を ツーと流れていく 有象無象
海原に繁茂する雑草は 水のビロードを刺す アイスピック
糜爛していく脳の恍惚を 過剰な ....
混淆する 人の 言葉 詩みたいなもの
不思議ね 書くことがとてもむずかしい
滴るような感情や 季節感や 絶望 夢
恋愛や 苦悩の湧出は もういらないの
自分以外の誰かが すでに 同じ言葉で ....
川沿いに 鉄橋をくぐり
舗装がない場所も ぐんぐんと
前へ 前へ 赤錆びた
よき死者たちの 記憶の中へ
道すがら ネコが驚いて
逃げ出したり 道を譲ったり
時々は 水の流れにのって
....
風が止んで ガスの元栓を確認し
さっと玄関を出る さっとが肝腎
留まっても良いが それなら
留まらなくても 同様に良い
季節を数え 殻を厚くする 呼吸を整えて
強さは弱さで塗り固めた セ ....
起きてすぐに布団の中で
体の上に重み 体の下に重み
一瞬を出来るだけ長く引き伸ばして
耳を澄ます朝 君を探す朝
引力がそのまま町を
地面に張りつけているなら
それはgravityなどと ....
こねこねつるりと
心臓を抜くような
夕立 ずぶぬれになって
長い長い 坂道を下る
サンダルで失敗したなと
思わないように夏でも
ちゃんと 紐の靴を履いて
のぼった時はお天気 だったの ....
冴え冴えと月 秒針よりも鋭く
心まっすぐに 君へと向かう
新しいコート 最初にね
見せたかったんだけど
袖を詰めに君は
風の中に僕を置いていくよ
風が強い 誰もいない
いや 誰かがい ....
marie
息がつまりそう
もう僕ら二人
地下鉄に乗って
堕ちるところまで
堕ちるしかないかな
あれから夜は一人きりで
ガードレールの白く浮き上がった道を
ずっと歌を口ずさんでね
....
やわらかすぎる窓辺で
まだ未来を知らない
不安を覚えるよりも
呼吸するのに忙しいと
しなやかで軽い繊維
気持ちばかりが走る夜
時間と季節を一足飛び
白いスニーカーに風
戻れるな ....
青黒いかなしみは
ようよう光の中で
薄かわをはぐ様に
透明度を増しており
痛む足を庇いながら
長い螺旋階段を登る
週末にはなめらかな
音楽が不在らしい
緊密に並べられた
物事 ....
さむいひなたで
パンをかじる
厚みはパンを
計る指標ではない
なぜなら
それはスライスされた枚数の逆数の比率だから
みごとにボクの日曜日の朝は
敗残の呈で横になる
土曜日は枯れ ....
飢えているのかもしれず
もって生まれた悲しみを
あなたがたは口にしない
島を取り囲んでいる
水のような白き砂を
波紋が渡っていくのを
凝っとみつめている
辛い塩水はもうない
考 ....
「愛している」という
忘れられたくない
だから
/
「愛している」という
レゾン・デ・エートルに敬礼
/
「愛している」という
静脈が動脈になる
/
「愛している」という
こんな ....
いい加減な気持ちで
好きだとか好きじゃないとか
そう口にするのなら
熱されて爆ぜる
種子のように気持ちが
重く澱む リノリウムに
真夜中 澱む バリウム
一回りして夏 そして
....
素敵な朝ごはん
ねえ、今朝はとってもすてきな朝で
あなたがいたらと思ったわ
僕も同じ事を考えた
君と同じことを思った
窓から射す冬の日差しに僕は
カーテン越しに目を伏せ
君と同じ ....
beauty in the library
長い黒髪を微かに揺らして
あなたは笑った 僕の目を見ずに
「私はそれほど若くはないの」と
時の隔たりをグラスに溶かして
夢など見ないという素振 ....
オーガスト来る前に
心 思い 切る
全然論理的じゃない
プレカリオはそういうふうに歩んで
いくものではないでしょうに
全然非論理的ではない
風孕み舞い上がるカイト
急行電車から眺めては
折り重なるシフォンのドレス ....
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