ぼくたちは静かにシンナーを吸引する
ボンドやパテやガソリンはやらない
誤ってガソリンを飲んだロッテは恋人のアパートで死んだ
その恋人の名前をぼくたちは知らない
ぼくたちは常に純 ....
心の中に一つの頑健で豪奢な台座をこしらえてある
それはいつ頃造ったものか忘れてしまったが
確かなことはその台座は心の中のどこよりも高くに設置したもので
僕という人間は多聞に洩れずあま ....
ペニーロイヤルティーに
ネガティブクリープを入れて
混ぜて混ぜて飲んでみれば
十代の魂の香り
ごめんね
色々と
全部ごめんね
ハート型の箱を置いていくから
遠くに行くから ....
幼子が堅く握った手を
僅かにゆるませるように
朝の光を浴びた梅の木が
真白い花を孵化させている
豪華さはないが
身の丈に咲く、その慎ましき花に
頬を寄せれば
まだ淡い春が香る
....
家に帰ると門が壊れていた
妻と娘が代わりに立っていた
家の中では妻の短大時代の
同級生だった山本さんがいて
食事の準備をしていた
十年ぶりですね、と言って笑った
煮物の味見をしてあげた
....
うなだれた湯船に乗って対岸へと渡ると
おもむろに湯を三度かぶり
最初はシャンプーと決めてある
目をいつまで開けていられるかという挑戦をいまだ続けつつ
怒られた記憶を引き出そうとして ....
ぐらりと揺れたのは
景色じゃなくて私だった
見知らぬ若者に少し体重を預けバランスをとる
助けてはくれないが積極的に拒みもしない
そんな時代だ
電車を降りて足早に地下道を歩く
私の前には ....
今、発車前の夜行列車のなかで
この手紙を書いています。上野駅
は昔から無数の人々が様々な想い
を抱いて上京する駅なので、昔と
変わらぬ空気が今も残っている気
がします。
先程、少 ....
血、が、
腹の上にこぼれてとどまる
暗い おまえの血 月がこぼした おまえの血
おまえは笑っている
自分からこぼれ出た色の美しさに
おまえは目を見張る
血、は、
....
鼻毛出てるよと言われた。
まあいずれにしろ出ていたので善しとした。
体調の悪そうな亀みたいと言われた。
まあいずれにしろ亀は好きなので善しとした。
あなたっていつも煙草吸ってるねと言わ ....
?.
ヒヨドリたちが庭に現れる
鳥は歌うものだと思っていた
あれは
叫びだ
桜木町から横浜に向かう道で
君は叫んで
何度も叫んで
アスファルトの上に寝転がって
....
笑い
2001/05/20
(現代詩フォーラム既出)
一人遊びの友は静かにほほえむ
彼の目にも明るい影が白く光り
....
火を付けて、
風で煽って燃えだして、
手に負えなくなりましたか。
静かに見守り心を痛め涙を流しているのですか。
涙で火は消えますか。
ほら。
....
二人で作りあげた数式の右辺を
ある日失ってしまった
左辺とイコールだけで
成り立っている数式を見て
きみは笑う
だから
真夜中に起きた僕は
左辺を消しゴムで
消しておい ....
彼氏が泣いていた
じゅうにこも年上
子供みたいなひとだ
ばんばんびがろ
とゆう人が死んだって
とても悲しいらしい
つよすぎも
よわすぎもしない
プロレスラーだったとゆう
わた ....
名古屋から来た君は
動物園通りを抜けて
髪の毛ぼさぼさで
連絡を待つ
ろくでなしの
連絡を待つ
ろくでなしは
その時ある一つのやさしさに抱かれていて
抱いていて ....
犬を飼ってた
猫に出会うまでは俺は犬派で
朝っぱらからクーンクーン鳴きやがるから
うるせえなこんちくしょう
やめろやめろ顔をべたべた舐めまわすな
こいつめ
うわはは
書いてて気色 ....
透明と漆黒の間
無限階調の青い温度を
滑らかにはばたく
マンタ
重力は知らない
裏返り、途絶えてゆく
浮力の哀しみだけを
白い腹に秘めて
辿りついた系譜は
争い合う知識ではなく
....
四畳半の狭い部屋も
一人で暮らすには問題ない
仕事が終わり家へ帰っては
テレビを見て寝るだけの毎日
最近は料理する気も失せて
夕飯はカップラーメンで済ませている
買いたい物も特に無いか ....
眼球の下にそっと差し込んだヒマワリの種が
芽吹いた
冬だと言うのに街が暖かい
ラフロイグのビンがそこかしこに転がっている
白い玉砂利を食わされた犬がひっくり返っている
通り雨に ....
わたしは死んだ
あんたはさぞかし喜んでいるやろう
あんたは周りにいっぱい女の人こさえて
家にも帰って来うへんで
月に一回お金だけ落としていって
なんかの義務みたいにわたしを抱いて ....
へそで茶を沸かすにはどうしたらいいのか?
俺はそのことばかり考えている
誰もがへそで茶を沸かせるようにならなくちゃいけないと思うし
実際そうなればガス代が浮くしエコロジーだし
サミットでへそで ....
うなじにもいて
みぞおちにもいる
雨はいろんな速さの生きもの
応える声に重なってゆく
肌をついばみ
葉のようにすぎ
甘く指を噛み
飛びたつしるし
強さでもな ....
2007年 1月24日 午前7時26分 東京にインプロージョン方式のプルトニウム型の原子爆弾が投下された
東京は一瞬にして吹き飛んだ
3度目の悲劇がこの現代の日本に訪れたのだ
投下後の様 ....
資本主義という名の透明な怪物が
ビルの谷間を音もなく駆け抜けてゆく
それとはまるで対照的な緩慢さで
新型都市交通システムが
のろのろとモノレールの上を這っている
銀色の箱型の車両には ....
彼は 物書きだった
彼は古いランプを持っていて
ほかには何も持っていなかった
紙も
ペンも
なにも持ってはいなかったのだけど
彼は物書きだった
パリからオルレ ....
軽薄な
ロボコップとお茶する
ロボコックが歌うので
ロボット三等兵が
鉄砲担いで入ってきて
厳しい顔して
敬礼するので
休めと言って
後は
知らん顔
充電する間にカツ揚げて
....
先生、誰も来ない放課後です
理科室は薬品の匂い
閉められた
暗幕の心地良い温度
埃が泳いでいきます
気だるい午後です、先生
魚になるにはどうしたらいいですか
答えの出ない ....
{引用=
雪睫毛、って言葉を
貴方に送る手紙の冒頭に書きたくなって
意味も勿論分からないままに
便箋を箪笥から出してきました
}
「雪睫毛」
二〇〇六年 十二月 三十一日 大 ....
中学の頃黒板の前に立ち、棒読みで嫌な教師の授業を切り抜けようとしたら
「生意気ですね」と言われた
社会科の授業に使われる教科書には、パンや小麦粉の写真ばかりが載っていて偉い人やコッカイギジ ....
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