すべてのおすすめ
郵便受けに海が入っていた
海配達の人が入れたのだ
いかだが浮いてる
昨日遭難したはずの僕が
新聞を持って手を振っている
人が眠っている
眠っている人を起こして
人はまた眠る
金物屋の主人が寝言を言う
釣り堀から帰ったばかりのように
びょういんの
まちあいしつで
ろうじょが
テレビをみている
なにもうつらない
ひかひかひかる
しろいがめんをみていた
なにかを
まっているようだった
やがてろ ....
深夜 私は 煮えたぎる
君への怒りで 煮えたぎる
1時間ほどでぬるくなり
2時間後には冷たくなった
寝起きに 再度 煮えたぎる
30分で冷たく ....
硬直は誠実ではない。丸い玉の中をハムスターが走り続ける。同
じことばかり繰り返しているとバカになる。しかし同じことを黙々
と繰り返す熟練した職人はバカではない。悩ましいことは決して
有意なことで ....
真実の森を彷徨っていると公言しているが、その実 森の木が枯れているのか繁っているのか覚束無い足取りで、たくさんの人間に地図を提供している。
お前の地図は誰が書いたのか?己自身に問いか ....
詩を書けばいいことではないか
悪口を表現してよ 君たちの 思う存分
ナイフやペンを 僕は持っている
そこは 自分でも邪魔することのできない場所なんだ
素敵な音楽を 僕は奏でている
....
降り続く白い冬
いまはただ
うつむいた雪が
降り積もってゆく
脊髄が 錆びついてくるのを感じる
骨が膠着し 何も言わなくなると
ますます冬は
冷たくよそよそしくなる
寒さが喉で固ま ....
山砂はもうない
海砂ばかりが浚われ
洗われ
遠く運ばれ
混ぜられる
ごくありふれた砂粒に時折混ざる
貝の欠片の白い顔
ガラスの名残の澄んだ瞳
際立つ別嬪な粒子たち
僅かに
微かに ....
裏庭に佇む気持ち
(あまり陽のささない北向きの場所)
裏窓から外を眺める気持ち
(特に心浮き立つ景色ではなく)
何かに
裏をつけてみると
どこか秘密めいた香りが漂い
私は
つい覗い ....
なにもきかなくていい日がきて、かげのない広場に咲いた花をゆらし、白地のデッキシューズに蝿がとびうつってくる。ぼくはかかとをへらしてあるく癖がぬけないまま、くるぶしの辺りで染みになった蝿がしずか ....
首切り地蔵は
首切り者ではない
雨の日には里芋の葉を誰かが乗せる
緩やかに窪んだ底部に向かって
雨粒が集まっては弾ける
首を落とされた日があった
首切り地蔵は
首切り者ではなく
首 ....
わたしの空には定規があてられている
電柱の先がじゃまでまっすぐ線が引けない
わたしの空には定規があてられている
わたしはそれを美しいと思っている
わたしの空にはすべての青が詰まっている
....
リストカットは死にたいと云う
意思表示ではない
自分は死にたくない
誰か助けてくれと云うSOSなんだ
ぼくはその声なき叫びとして言葉を編む
その通奏低音には四つの言葉が流れている
....
突然見舞われる不幸は
偉そうなご高説によるものではなく
リアルな現実でしかない。
直面する哀しみは
勿体ぶった芸術作品の中にあるのではなく
喪失したという現実の中にある。
今見ることの ....
1、むしゃくしゃしてやった
2、大恐竜展の破壊の思い出
3、あの娘はトラック
4、踊り場にて
5、職安通りコンチネンタル
6、GoJapanese
7、ゆめのある人
8、あの娘はトップブ ....
7年前の皐月の深夜だった
寝返りが打てないと眼が醒めた
左半身がまったく動かない
何かがおかしいと
右半身で左半身を転がし
ベッドから転げ落ちる
電話まで這っていきながら
救急車 ....
超音速で舞い降りたガルーダの
尻尾の先にくっついたまま
世間を見てきた烏天狗の出来損ない
それが自分の姿で
嘴はもちろん黄色かった
そのまま部屋の中に入る
無音
嘴と眼をカッと見開く ....
わたしが泣き出すと
姉は自分の手のひらにエノキさんを描いて
「もう泣きやみな」と言った
エノキさんは森の木こりだった
中学にあがったとき
両手にマニキュアを塗ってくれた
わたしは水色の ....
オーケストラの調律の基本となるのは
オーボエの出す440HzのAの音程
オーボエは音程の不安定な楽器であるのに
ただ音程が聴き取りやすいために
その任を担わされる
しかしコンサートマ ....
ぷらちな
(ぷらちな)
ほしいな
ひとすくいの
チープさで
ひとすくい
きらきら。
ゆるせないなら
ぎちぎち。
つめをたてて
さよなら。
しろいてくび
....
晴れた冬の日に
三年を暮らした家に荷物を取りに行った
....
{引用=
最近のまぼろしって精巧だから、きっときみを欺きます。
友だちや恋人がある日突然、人造人間にされても気付かない。
体育終わって空見上げる女の子、おでこのナンバリングに汗が ....
勝ってどうする
この世のゾンビ
違和感のある前向きさ
未成熟ないのちのちから
勝ってどうする
この世のゾンビ
勝ちがあるから負けがある
黙ったまんまで
....
オリーブの高い枝に取り残した実に
真冬の鳥たちが 激しい羽音をたてて
秋の収穫期の黒い実に 鳥たちは関心がなかった
寒さで 苦味が和らいでいるのか
銀白色のオリーブの葉影に 鳥たちが集 ....
そして真白な夜が明けて
霜、サフランの開く音は
夜中積もった雪に吸い込まれて
窓の中まで届かない
光は反射しながら落ちてくる
雲、菫色の雲をわって
シナモンを焚くけむりが部屋に満ちて
....
ぼくは
なにかと
いっしょになっている
そのとき
たえきれなく
ならないために
なにかと
いっしょになっている
それが
たましい
とよばれるものじゃないかと
それが
ばくは ....
鳥も帰らぬ街の残骸
その真上にも空が拡がる
空には厚い黒雲が犇めき(ひし)
雲の凹凸にたくさんの泣き顔が
泣き出す雨の一粒一粒が
いのちのかけらであったため
泣き出す雨に佇んだ
涙袋が途 ....
+
がちゃがちゃを回すときのわくわく
のどを駆け抜ける炭酸の刺激
あめの歌、ギターの弾き語り
どなり声、罵倒、愚痴、傷
そんな健康的な恋がいい
+
柔らかいだ ....
ほどほどが欲しい
ポタポタ滴る水がコップをいっぱいにするように
ゆっくり、確実に、注いでいけたら
横取りしていく渇いたランナーを怖がらなくていいし
急に溢れ出して倒れてしまう君を見なくても ....
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