「世界中が雨だね」って
きみが言うから
手相占いみたいに
てのひらを差し出して
白いサンダルを気にして
ひとつの傘でふたりで濡れながら
「世界中が雨だね」って
きみが言うから

 ....
どの君も覚えていよう桟橋にやけに激しい風が吹いてる


僕だけを乗せぬ列車のわすれものやけに激しい風が吹いてる


無名指で前髪を除けきみは言う「やけに激しい風が吹いてる」 ....
傘をさす手を奪われるほど
僕は何かを持ちすぎてはいない

縦書きの雨
カーテンの雨
通話中を知らせる音の雨
改行の雨
鉄柵の雨
液晶に、雨

こんなにも雨にまみれた世界 ....
そとは雨わたしと部屋の五月への旅を見送る欄干の音 ヤクルトを飲んだあと
必ず底に残るものが
輪となり現れる

どういうわけか
そんなつまらぬものが目につき
飲み干してやろうと
舌の上で
容器をさかさまにして
振ってみたりする
ほん ....
また明日! 笑顔で別れいなくなるどこかで生きているような、死

朝と夜ぼくらは器用に行き来しておはようおやすみおはようおやすみ

死ぬことの本当なんかえいえんに教えてくれずまた春が来る

 ....
夏、それは
裏とおもてのある季節
裏道はどこへも
繋がってはいない

向日葵、それは
追いかけていた肩甲骨の高さで咲いて
自転車で踏んでしまった蝉の音で枯れた

波、それは
壊れた ....
一瞬で愛が深まるあの言葉涙浮かべて聞いた想い出

好きならば好きとはっきり言えばいい何も言わずに終わるのはいや

砂浜に残る足跡よく目立つ生きた証もよく目立っている

緊張を和らげよ ....
駆け抜けてしまえないのがもどかしい屋上だった8号館は


まばたきをするたび更新されている影あり春の日は万華鏡


「ガイブセイ?」「うん、外部生。」
かんたんに友がつくれてし ....
空よ あなたは何者ですか? 満ち足りた時は美しく 哀しい時には より美しい

なぜだろう 雨も涙も透明なのに青く塗ってみたくなるのは

何もかも捨てたくなって空に投げ 落ちてくるまで こ ....
肩書きは「青い新宿回遊魚」まだあのひとはいますかここに





膝を抱き「東京事変」聴いていた人恋しくてベゴニアを買う



束縛を嫌いみずから糸切れば動けなくな ....
北山通の並木かなしむ夕暮れの色はほんのり青さをもって


少年が息をひそめていたわけは蛍でしょうか哲学のみち


宇治川を背に立つ君の少しだけ歴史を知っていることが ....
横断歩道の黒白正しく踏み分けていくように押す部屋番号「206」


無機質なふりして並ぶ玄関のドアは夜まで熱が抜けない


ココナツの洒落た香りが悔しくて窓に3ミリ隙間を作る

 ....
私しか「アトリエ」と呼ばない場所で
あのひとは輪郭のまま西を向いている
むせ返るような夕陽の匂いのなか
パレットで乾いた水彩は、それきり


藍が好きだったと思う
雨が好きだった ....
 「みなさんに明日が来ることは奇跡です。それを知っているだけで、日常は幸せなことだらけで溢れています。」
これは「余命1か月の花嫁」のドキュメンタリーの中で出てきた言葉だ。
この言 ....
遠浅の日々はいつの間にか息継ぎの仕方を忘れさせる。
駅まで、の最後の交差点に立つと
呼吸が止まるほどに夕焼けの匂いがした。

  *

「雲は、本当は流れていないのです ....
■秋
すべての色を飲み込んで
ただ透明である、秋

■チャイム
夕陽が窓ガラスに映ったとき
風がいつも置き去りにするもの

■図書館
古びた新築の匂いがする

■デジャヴ
 ....
アスファルトの照り返しは穏やかではない
24号線沿いのひび割れた歩道を蹴って
いつまでも変わらない信号を見上げる
太陽がもうひとつ増えた気がした

雨と晴れの境目を見つけた少年時代の君を
 ....
すこしでもさかむけがあればきみがきてこころをたしかめられるんだ

ちょっとしたかわいさがぼくのたねをまくはながさくまでわらってられる

ぬりつぶすてがみのなかのあてなにはぶらっくほーるよりふか ....
どうして、僕たちはこんな歪んだ形でしか表現できない?
好きなことを好きだと、嫌なことを嫌だと、何故言えない?

いつからこうなった?
もう子供のままではいられないのか?
ずっと子供のままでいてはいけな ....
夕月は君が
先に見つけた

でも

明日雪が降ることは
きっと教えてあげない

   *

君のいちばんのねがいを
たぶん私は知っている

でも

君のいちばんの ....
アンダンテ追いかけて追いかけていても君が見えない陽射しの中で


抱きしめる速度ですれ違う風はセルリアン、君の瞳に映る


炭酸の雨///下弦の月をマドラーで浸しても味なんてないまま
 ....
君となら

どこまでもゆく

地のはても

ついておいでよ

星屑の下
きーぼーど


たた
かない よ


えんぴつは
けず ら

ない



ぱんに!



じゃむを
ぬ るん

だ ん
君のことを描くたびに
ひとつずつ言葉を失っていった
すっかり軽くなった水彩箱には
たったひとつの「ありがとう」が
隅にこびりついて震えている

―――ありがとう。

それだけで ....
廃校の探検隊だぼくたちは廊下がミシンと鳴るアンダンテ


イチゴにも砂糖をかけるアキちゃんが横目で見ているスターバックス


算数が誰より得意なユウくんは今日も釦を掛け違えている


 ....
潮飴は砂糖と海水1:2 沖波駅の名産品です


灯台の指令届かぬ海底に誰かが飛ばした風船のくず


「鼻血ってなんだろうねえ」「なんだろね」しゃべるクラゲの触手は赤い


「 ....
渋柿を
外に吊るす
祖母の背が
あかねに染まる
晩秋の夕暮れ
くれないを燃やしては織る彼岸花
散りゆくあきの路にざわめく



朝を着る嘘としたしむ桔梗の日むらさきいろの欠片をかおる


銀杏というなまえに咲いた羽たちを追いかけている日記 ....
片方の翼の折れた失速を
取り戻すまで我生きるなり


置いてゆく荷物の重さは測らない
翼の先を大事に繕う

夜の風 羽根のひとひらも凍みてゆく
翼よ向こうに朝が待つ

失っ ....
水鳴ハヤテさんのおすすめリスト(396)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
せかいじゅうガアメ- Rin K自由詩14*15-7-8
Intense_Wind- Rin K短歌7*15-6-20
液晶に、雨- Rin K自由詩18*15-6-18
五月への旅_*- もっぷ短歌415-6-18
- そらの珊 ...自由詩15*15-6-15
リ・ターン- そらの珊 ...短歌815-3-11
夏に濡れている- Rin.自由詩14*12-8-25
一瞬- 夏川ゆう短歌212-8-20
8号館_〜遠ざかれない日々によせて〜- Rin.短歌13*12-8-19
洗濯日和- そらの珊 ...短歌11*12-1-21
東京哀歌- Rin.短歌2410-6-15
京都慕歌- Rin.短歌28*10-5-28
下手なキス、して。- Rin.短歌1410-2-13
- Rin.自由詩1410-2-10
忘れられない言葉- 南波 瑠 ...散文(批評 ...20*09-11-13
空を呼ぶ- 南波 瑠 ...自由詩22*09-10-14
サヨナラのテーゼ- 南波 瑠 ...自由詩27*09-9-16
24号線/快晴アオゾラ- Rin.自由詩28*09-6-19
即興(ハート)- 唐草フウ短歌5*09-6-19
思春期- エルメス携帯写真+ ...4*09-2-11
paLadox- Rin.自由詩19*09-2-11
さよならのためのリダイアル- Rin.短歌18+*09-2-8
君となら- 井上尚人短歌1*09-2-5
- 光井 新自由詩2*08-12-10
セルリアン- Rin K自由詩2708-12-10
【短歌祭参加作品】_少年少女たちの自由奏- Rin.短歌19*08-12-2
【短歌祭参加作品】_海のおはなし- アイバ  ...短歌608-12-2
干し柿- ゆきこ短歌108-11-30
◆あきの路- 千波 一 ...短歌3*08-11-21
翼よ、青に向け- 銀猫短歌9*08-11-14

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