--------------------たにおり
ひとり警棒振ってると
いろんなことが思い出されて
片腕 しびれるほどに
警棒 重さを忘れて
道のお手伝い
くるま 流れるほどに
あれ ....
ついに定規は曲がった
まっすぐにしか使われない自分が
悲しくなったという
まっすぐに測れるものなんて
世の中のほんのわずかしかない
そう思ったらしい
もっと柔軟のある生き方を求めて
現実 ....
君を失いつつある僕は
新しい君を見つけに行ってもいいのだろうか
こういう詩しか書けないんだ
この世界では
古くなりつつある君へ
君はいつも何をやっているのだろうか
僕が大きな ....
あなたの写真を 一枚も持っていなくて
あなたに よく似た絵があったから 売ってもらいました
ありったけの貯金をおろして 買ってしまいました
漫画喫茶で生活している
あの子と僕は
まだ一度も口をきいたことがない
僕のタンスはコインロッカーだ
僕のバスルームは公園の水道だ
毎朝、派遣会社からの呼び出しを待って
暗いうちに出 ....
決定なる実情 決戦なる口上
崩壊の途上 決定なる事項
揺らめけ其処何処の日常
たゆたう何故明日への渇望
此れで良かったのか即疑問
残せるのは何時も秩序寄り
泡沫 ....
曲がれば曲がったでそれなりに美しい
完璧な直線にあこがれて狂ったメディアのように
曲がりすぎても歪で使えない心持ち
一方向しか見られないその悲惨な眼力達に
動いて見えれば想像で ....
なんで批判的な文章を書く人はあらかじめ逃げ道を作っているのか。
文句を言われれば「違う、こういう意味で言ったんだ」と書けば
どんな批判的な文章でも逃げられるわけですから。
批判を ....
間違えたと思ったときにはもう遅い
夏小屋のあの子は庭先に埋めた
ああ、ただの妄想と髪の毛を人形につめて
ああ、僕なのか俺なのか私なのか知らないままに
ハンカチをくれませんか
....
あいうえお
かきくけこ
さしすせそ
わをん
ああ、無情
国語の授業で
「五行詩を書け」
といわれていたのを
忘れていて
「え! 五行詩? 今、締め切り? やべ ....
ママあの
超合金買って
またね
またこんどね
こんどって
いついつが
こんどだったのだろう
もう
こんなに
大きくなりすぎてしまったのに
ママあの
超合金いつ
買ってく ....
商品棚から 落ちている商品を 元に戻し
「良い事をした。これで1つ天国に近づいた。」
この口癖は 誰のものだったか。
当たり前のように口にする 台詞。
そんな事あり得ないって 知ってる ....
ああ素朴な人に会いたいのだ
こんな
読めない漢字のように
むずかしすぎる人々にもまれて
どこでなんの役に立っているのかわからないような
仕事をしている
サラリーマンの僕ならば
階段の ....
家に帰ろう
そこには
なにもなくても
買ったばかりのソファ
で
ごろん
天井に
幾何模様を
いくつも描く
うまく
伝えられないね
ただ
あなたの存在に
ありがとう ....
きれいじゃない人と
柿ピーを食べた
柿柿ピーピー
柿柿ピー
のリズムで
熱い渋茶をいれながら
きれいじゃない人は
ぼくにこう聞いた
A 人のこころをほんとうにうつ歌を歌 ....
まちのしろすぎるまがりかど
生成りのきせつののりしろに
ひざをかかえて
ゆきかうひとを見ている
デパートの屋上から
しずかにピアノが落ちてきた
うまく音が出せなかったせいだろう
ひと ....
モナリザという名の
かびくさいモーテルに
ぼくらは泊まった
車のなかで半分とけかけた
チョコレイトのように
きみがどうでもいいというきもちになるまで
ぼくは長い季節をいくつもやりすごした
....
彼女は 作り笑いだと言われれば、そんな気もする。
それは見間違いだと言われれば、そんな気もする。
明日死ぬと言われれば、そんな気もする。
グラスの中身は毒だと言われれば、そんな気もす ....
グレープフルーツを半分に
ぱっさり、と
切ってごらん
まんなかにはいつも
記号
が
ぎゅう、
と
しぼったら
記号のしずくが
溜まるから
飲んでごらん
沈殿するのは
....
結婚したてのころ
奥さんがバスンバスン布団を叩く音を聞いて
親のかたきじゃないんだから何もそんなにまで
なんて思ったけど
十年目に
「布団は親のかたきなの」
衝撃の告白
親のかたきに ....
その日の雨が
今でも時々僕の肩を濡らす
廃園の木下闇に
置き忘れられたブリキのバケツ
松葉を伝い落ちる雫が
想いおこさせる
もうひとつの心臓
眠れぬ夜毎
消え残る雫がほのかに光 ....