奨学金の返還誓約書を提出しなきゃいけないとかで
今日、はじめて三号館という建物の七階までのぼって
はじめてそんな高い場所からこのキャンパスを見おろした

僕は、
四年もこの学校に通って
そ ....
もつ煮込み屋で
黒ホッピーと
さんまを食べる

このはらわたをねえ
日本酒で食べたらおいしいんだよね
それだったら、日本酒、たのめばいいじゃないですか
そうだねえ
そうなんだけどねえ
 ....
さみしかったんだ
ほとんど狼みたいに毛羽立った孤独を
ずっと人の死角にかくして



宇宙に旅立ったアホウドリの飛行士の話。
最近、ようやくこの星に戻ってきた彼の話によると、
宇宙の中 ....
お風呂場にふった雨
バスタブに溜まった銀の雨
消えかけていたばらの芽が
音もたてずに開く とき


窓をすべる雨粒が
不機嫌な猫を起こしてしまって
引っかかれた夏空は
静かに笑って  ....
ゆっくりと
その角を曲がって行け、。蹄でなく
流れる一筋ごと粒子を埋め、加速し
金糸のそれぞれの鈍い光によって
産まれて行け、。

((失速しながら

しかし、果てまで手を ....
書庫の扉を開ける
水の中になってる
たぶん海なのだと思う
昨日まで資料や本の類だったものが
魚みたいに泳ぎ回っている
手を伸ばして一冊つかまえる
ページを開くようにお腹を指で裂くと
文字 ....
一匹の{ルビ蜻蛉=とんぼ}が
脚の間をすり抜けて
小さくさざ波立つ水田
暮れ翳り始めた空に
フラミンゴの色の雲

エミール=ガレの作品集を
撫でる指で繰っていた
男のこと

苗のき ....
八十円切手を
丁寧に千切りながら、考えていた
軽四輪だったかどうだか
切断された偉そうな記憶だけが
粗大ゴミみたいに

音、

みいいんって
ああ、またかまただ
 ....
粉を炊く
白地の布を展開する
酩酊による寒け
ナイロンを取り除く

世界を開いて
中身を注ぐ
錆び付いた綱
哀れな焔



あなたの身に余る幸福の
余った部分をください

 ....
豚はどうなるんだ、と怒号が飛んだ連休前の特別会議


ファックスのそばに置かれた空き缶は明日誰かが捨てるのだろう


二度目の稟議書が読まれることなく机の上に放置されてる


唾つけ ....
ひとが
ゆめを
みているの

それとも
ゆめが
ひとを
みているの

ふるい
ひょうしき
のようなものがあって
おとがしている
あのさきに
うみがあるの

ひのあたる
 ....
まっ赤で
おおきな歌に
くだかれた夕暮れの
かけらをよせあつめて
ぼくはトルソーを
つくった


奄美の島ざらめを
たくさん、うみにながしたら
おおきな涙に ....
あなたが中にいる時は
わたしはずっと外にいて
見下ろしている、。心臓
二つ((十五度ずれて
地球が振り向く
その音に
カーテンは揺れ
隠れた場所を明かしてしまう

鳥が
 ....
ぬかるめば、。まだ
容易いだろう春の目覚めは
アスファルトの下で息を潜めて
丸めた背中に街を築いた、。今朝も
大動脈を車は行き交い
目を見開いたまま
居眠りで
寄り道もせずに落ち ....
夜が更けていきますね
送電線を伝わって
ふらりふらりと麦畑を行けば
ほら
電線が囁いている
星屑をまとった天使たちが
口笛を吹きながら散歩しているんだ

軍用ブルドーザーに破壊されたガ ....
涙を混ぜる、という行為には
冬の夜は長すぎる

ひつじが百匹を超えたら ふいに湧き出す
僕って何だろう、みたいな問いかけに、いつも
たまたまこの星に生まれて
たまたまこの国に来 ....
今年も一人のクリスマス
だが、俺はさびしくなんかない
ジェームスブラウンの
クリスマスアルバムを聞いているからさ

こいつはすさまじくゴキゲンで
ヤツのステップを一字一句
間違えることな ....
あるところに男と女がいて
であって 好きあって
子供ができて 家庭を持った

あるところにできた二人の家庭は
明るい家庭で
子供は二人
跳ねて 飛んで

子供の頃によ ....
自分の名前を
忘れてしまいそうになる
遠いとおい旅路なのです
だけれども
決して忘れない
名前もあるのです

あの月と星をいただく塔の上で
そらに吸い込まれる
ただひとつの呼び名のよ ....
諸君 私はカレーが好きだ
諸君 私はカレーが好きだ
諸君 私はカレーが大好きだ

カツカレーが好きだ チキンカレーが好きだ チーズカレーが好きだ から揚げカレーが好きだ
ソーセージカ ....
{引用=映写機の音がする}



彼は 人のいない小さな劇場の

 古く湿った 客席に座り


 白くぼぉっと光るスクリーンを見つめる




 {引用=ただ、かたかたと廻 ....
昨日は開襟シャツの男が死んだ
今日はスプーンをくわえた女の死体を見ながら
明日もきっと生きているものは逝くのだろう
死は簡単に転がっていて
気づかないふりをして過ごす毎日は
とても息苦しい
 ....

おもくながい 風は
淀んだ空気を気だるくふるわせながら
駆ける一輌の列車の脇で寛いでいるように思える


浮ついて上気した 私は
正気に戻ろうと
よろめく身体を夜の灯に預け
轍 ....
とべない君の
飛び箱になりたい
夏のあいだの
君の上履きになりたい

君のすくうプリンの
一口目になりたい
君のぬるリップクリームの
真ん中らへんになりたい

君のさくらんぼの種に ....
冷たい消毒槽は
三歩で渡ると決めていた
プールサイドの足跡が
しゅわしゅわと、夏にしみこむ

浅黒い肌の散らばる奥に
見え隠れする
白い朝顔
先生の御子だという
なるほど、鼻筋はそっ ....
わたしがサミーラと知り合ったのは
見知らぬ国への好奇心と
ちょっとした向学心
辞書を引き引き書いた拙い手紙を
赤と青の縁飾りも可愛い封筒に入れて
生まれてはじめての海外文通
切手一枚でつな ....
わたしは
夏を追いかけて
川辺に花火を見に来たはずなのに
自分を満たしに来た事に気づいた


{引用=
 父は昔
 子供と出かけるより
 自分のお店で働く事に熱心だった。
 うちの ....
封を切った宇宙からは、
懐かしい薫りがしました。

お久しぶりです。
と、
挨拶をして、
あなたを二匙。

ゆっくり沸かし、
ふんわり注ぎます。

 ....
どうしても捨てられないものがある
幼い頃母に買って貰った運動靴
靴入れの奥に今も大切にしまってある
いつかあなたもシンデレラになるのかなと
七歳の誕生日に買ってくれた運動靴
そういえばこの季 ....
(でっかいのが、死んだ。)

風殺すようないかり肩に丸刈りの白髪頭乗せて来るのは あれは
ロブス 漁師で 工房の隣の教会の管理人だ
逆光でも分かる お調子者の いつものいたずら ....
ilohaさんのおすすめリスト(228)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ドライ- チグトセ自由詩15*08-11-11
さんま- 夏野雨自由詩57+*08-3-15
プール- チグトセ自由詩14*08-3-8
レイニー- アヅサ自由詩14*07-6-22
「瞼の交響」- 焼石二水未詩・独白6*07-6-20
書庫中- たもつ自由詩3407-6-19
予感- かや自由詩23*07-6-1
山翡翠- はらだま ...自由詩14*07-5-1
有食- チグトセ自由詩6*07-4-28
オフィスの休日- たもつ短歌1007-4-25
くんれん(ゆめ)- たもつ自由詩11*07-4-15
トルソー- はらだま ...自由詩44*07-4-11
鳥籠日和- 焼石二水自由詩15*07-3-21
楼閣- 焼石二水未詩・独白9*07-3-20
旅の終わりに- ダーザイ ...自由詩52*07-1-17
サークル- Rin K自由詩32*07-1-8
James_Brown's_Funky_Christmas- 構造自由詩1206-12-23
あるところに- 水在らあ ...自由詩74+*06-12-19
誓い- たりぽん ...自由詩18*06-12-17
諸君_私はカレーが好きだ_(コピペ改変)- 松本 卓 ...散文(批評 ...8*06-12-16
彼の_人生- もも う ...自由詩27*06-12-7
名探偵コナン- たもつ自由詩8*06-8-6
帰路- 古河 セ ...自由詩7*06-8-6
蚊取り線香になりたい- しゃしゃ ...自由詩1006-8-5
淡い夏雲の少女- 佐野権太自由詩17*06-8-4
サミーラ- 恋月 ぴ ...自由詩30*06-8-3
サティスファイ_ミィ- さくらほ自由詩18*06-8-3
「_紅茶神の微睡む、_」- PULL.自由詩22*06-8-3
捨てられない運動靴- 恋月 ぴ ...自由詩47*06-8-1
パサヤ・ドニバネには道が一本きりしかない- 水在らあ ...自由詩56*06-7-27

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