世界中のあらゆる拷問の道具が
天井からぶら下がっている
静かで清潔な部屋で
一人の野蛮人が
膝の上に乗せた子犬を
優しく撫でている
子犬は
野蛮人の膝の上で
まどろみながら
人間 ....
はにかみながらダンスするんだ
拙いステップを踏むんだ
たん たんたんとやって
やっぱり無理だと言って善人面した
河川を軽蔑し 岩をぼとぼと投棄するんだ
はたとみて
こんな浅い川でもスキュ ....
話して
離さない
どうして話してくれないの?
君を愛してるから離したくないんだ。
私だって愛してるわ
だったら!
だからこそ話して欲しいの
僕は絶対に離さ ....
何をすればいいですか
指示を待っています
言われたことはきちんとやります
責任感の強い子です
と
小学校の頃褒められました
公式はありますか
マニュアル通りに動けます
....
じいさん
また戦争のはなし
チョコレート
ぼくは
イメージを喰らう
足のうら
火の雨が降る
ひゅうって
紅い空
熱くて
真っ黒な死体
水のない川
ぷかぷか流れる ....
深夜の洗面所に
たちっ、たちっ、
冷たい音がしている
さっき
閉めたはずなのに
音は止まない
たちっ、たちっ、
寂しそうなひびきで
それはずっと続く
どうにもならないね
....
今夜は雪が降ると思った日
君は寒さに震えていたから
僕の話に黙って耳を傾けた
二人して、ぬくもりが欲しかった
言葉を求めると
何故か君は他人行儀で
それでも二人はどこかで通じ合ってて
....
おばさんちに行ったら
けんたがきて
ピーちゃんって言った
おばさんはコラーと言った
そして
けんたは
ピーちゃんだもんって言って
おばさんは木のくまでぶった
たぶん二百千キロぐらい
....
22歳の誕生日から3日経ち
私は生理になった
さあ、とお腹の中の月時計が私に言う
いつか生まれてくる赤ちゃんのために
お布団を新しいのにかえましょうね
初潮を迎えてから
ち ....
嵐を越えていこう
ときみ
ひしゃげちまいそうに小さい、痩せ細った自転車に乗って
新幹線には浪漫がない
あれ大きな鉄の塊だよ――
―――ついてこなくていいよ もう
連れていく気 ....
なっちゃんだって
辛いこと、悲しいことあると思うよ
みんなが寝静まった頃
こっそり泣いてるのかもしれないな
それでも朝には
こんなに笑顔
自分も頑張ろうと思う
でもやっぱり
「あなたに出会えてよかった」
って誰かに言ってもらえたら
それだけで
(ああ、生まれてきてよかった)
って思うよ
自分のホームページを作るという授業があった
せっかくだから投稿している詩を掲載しようと思った
ハンドルネームはもう決まっている
特別な名前だから
ホームページを簡単な言葉で紹介しろと言 ....
音がしそうなタイミングで
水を流すのに
びっくりして引っ込むから
静かになってきたころに
ぶっ。
「きみの書く詩は、うーんと、なんといったらよいか困るなあ。
はっきりいって、わからない。
テーマはなんだい?
『これを伝えたい』っていうような。
ないのかな?
まあそれでもいいけど、そも ....
この世の全ては必然だという
あなたと出逢ったことも
必然だというのだろうか
傷つくだけの恋なのに
神様は一体何の為に・・・
行き場のない想いが膨らみすぎて
立ってることさえ ....
夢のような激しい恋
それは夢のままだから美しい
それが身を持って分かったのだから
あるいは私は幸せになれるかもしれない
勤勉で誠実な若者が
年をとってから
偉大なる賢者になるとは限らな ....
ほんとはなんか
おもしろい おはなし
おもいついてる
でも
はなしては やらないんだー
そんなかおしてる
ぼくだって
はなしてやらない。
学 校 に 行 き た く な く て
初 め て 学 校 を さ ぼ っ た 日
何 を し て い い の か 分 か ら な く て
コ ン ビ ニ で コ ー ヒ ー と パ ン を 買 ....
散りゆく影を追い
夢は螺旋を描く
振り向かれることも
交錯することもなかった
微笑みが蘇る
たゆたう まなざし
銀は舞い散るのに
光りは指から
こぼれる
触れられず ....
ねるねるねーるね 怪しげに
黄色いねーるね
みどりのねーるね
それはもう ふぁんたじー
ねるねるねーるね 軽快に
ぼくらは何かの義務感で
ねるよねーるね
こねるよねーるね
ねる ....
1.
かみさまはいるよ、
って
教えてくれた人は
もうすぐ死んでゆく人だったけど
それは黙っておいた
だって、あいしてるんだ
2.
きのう、かみさまを見か ....
ふと気が付くと
僕は疲れてしまっている
ただ与えることに
彼女のこと嫌いじゃない
でも果たして好きなのかは分からない
彼女はそれは美しい人形だ
彼女を使えば僕は物語をたくさん作れる ....
キミは誰かの温もりが欲しかった
ただそれだけなのに
上手く喋れなくて寡黙な少女だった
凛とした瞳に宿る意思は確かに
そこに存在していた
だけど誰も触れる事の出来なかった
見えないキミの ....
大切なコトってなんですか?
と聞かれたら
あたしは自分が満足する事かな
と答える
ベタで、性善説に寄りかかった
あまちゃんな考えだけど
やっぱり
自分 ....
飲みすぎたアルコールとともに吐き出した
苦しみも 悲しみも 寂しさも
苛立ちも 憤りも何もかもが
それはもう呆気なく
それはもう大きな渦となって
便器の穴から消えてゆく
吐き出した ....
1人では重たい荷物は運べない
1人では手はつなげない
1人では鬼ごっこもかくれんぼもできない
1人ではなにもできない
....
お兄ちゃん、と
呼ぶのが
照れくさくて
そのまま
僕たちは年をとった。
あなたは家を出て
後を追うように
私も出て
あなたは戻り
あるいは他所の国へ
私は
死ぬまであなたの弟 ....
助けてください
孤独に負けそうな俺を助けてください
助けてください
助けてください
助けてください
助けてください
一台のジープがやってくると
子供たちがいっせいに周りを取り囲んで
口々に チョコレートをと せがむ。
碧眼の兵士が大きな手で
上空に放った 菓子の大雨
戦後日本のひもじさを
兵士の ....