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遠い朝 日に乗るように
長靴が 畑の真ん中に立っています
沈んでいく桃色の光が 靴底で
何人かの村人に 似ていきます
ひそりと ゆえに おもむろに かぜ
駆け出しそうな 針葉樹の ....
時に溶ける 秘雪崩の かすみ
地の 起立 に ただれる 脈
赤い水平の風 蕾 咲く 眼に
伏している鎖の涙 絡む 微笑
せきとめ続けた 光の りん光
射りこまれた 花びら 触れて
....
月の燃した小雪が
小さな風に産まれて
寝ている黒い土の上の枯れ枝に
微笑んで 触れて行く
土は 春を育むから
そのままでは いられないけれど
幾千億の時間の 今だけ
枯れ ....
日陰は 降り積もりはじめた頃の
うぶな雪 白く内側に抱えていて
ひっそり 溶ける
溶けたつものは 眠る
とどかれること なく
仕掛けのない心の中
もう 桜の噂
だまされちゃいけないよ
おわってなんかいないよ
水色の空 曇らせて
吹き やまない雪
綺麗な花 なんだよ
薄桃色の
枝の名前に はら ....
鍵のかかった時計の針から
音だけしている
止める事で
生かされるものに
従った
まざらない光だと
闇に ゆだねた
けれど 痛みは
あなたの
手におえないだけの
窓まで ....
詩集にするために
詩を集めて
何になるんだ
って あなた
詩集になるんですよ
あんまり驚いたので
だって あまり変な事いうものだから
そんなことして どうなるんだって ....
風にさわる手を
持っている 心
揺らいでいるのは
壁の外 ではなくて
壊す意味も途切れた
伏せた目の奥の ハンマー
持っていられない 紋様を
さらして 威嚇する蝶
かが ....
焚き付けた割り木が
煙と 灰に
分かれていく
土に根を張り
陽の光を 葉に受け
倒れたら
日陰に 宿るものを 育み
倒されたら
日なたに 凍える者を 暖め
遠い水脈 ....
かやの そとは つめたい はれ
もう くらく なるのを まって
とどかせたいと ねむる あさひ
ひるの ひざしに あっせられて
よるに こときれ もう いない
めざめて たむけて や ....
あなたは 土にならず
離れず 月に なった
継がないはずの 木々の名も
つなげぬからだ わたる鳥も
襖に 閉ざされた 小雪冷え
焚きつけたストーブ その奥
影に ....
時の泉に 群れ飛ぶ月の 彼方
のべる腕 さしだす酷に くれて
守る いわれのない 裸の花
晒し 望む 天の 枕木
はしり 散らす 吐息の杖
くぐり 舞い戻る 夜明け
中学校の図書室で
詩の書き方という 本をひろげた
文芸部に入りたてで
それなりに 真面目だった
そこで 出会ったのが
高村光太郎様作 火星がでている である
ひと読み惚れという言葉 ....
ただ手を暖めるためだけに
両手を 握られて
この人が救急隊員でなかったら
ありえない事に
じっと まかせた
仕事と言ってしまえば
それまでで
人としての思いやりが仕事
でも
そこ ....
暗いはずでした
起き上がっても
見えるわけがないと
思い込んでいました
ふすまを開けて
階段を 見下ろすと
一段 一段
角も はっきり
見えるのでした
外に 降り ....
こぼれる 刃
渡った眼 閉じる
光の ぬかるみに
紡いで 望む両手
つかえる やぐら
踏み 登りつめ
土鬼の から腹
澄んだ 眩暈
刈り取られる風
香り
塞いだ灯の
....
鳴かぬ 小鳥は
口止めされたのでしょう
ひとつ めでられたら
無くすよりも たやすく
このくちばしで
守るのは
明日の 春では
ないのです
天気予報の通りに 雨
今の季節は しょうがない
手首と 喉元に 水が
少しでも 沁み込まないように
タオルと 手差しを 巻き
雨合羽を 着込む
六尺のはしごが 私には 調度いい
....
みず色の空に 浮かんだ
白い月
明けたばかりの朝
洗濯物を 干す
厚着をして でた外は
首もとから 冷えていく
夜を終えた 世界に
濡れた 竿から 雫が 落ちる
寒 ....
ちぐはぐなまま
外より
ガラスばかりみて
自分の眼すら
写ってないんだ
だらしないと
陰で言われるよりも
だらり としている
時間が いらつく
なのに
しかけに ....
しつづけた お祭の
後は 返されるだけの 暮れ
頬に かかる 雲の影は
冷たいの?
吐息 途絶えた
夢と 簡単な呼び名
つけて 恥らわなければ
いけないような
....
あまり過保護になっては
ひとり立ちできないなどと
父母が 孫の話をする
だんだん 友人との付き合いが
目の届かないところまでいき
不安そうだが
あまり しばりつけても
本人のためにな ....
ひ ゆるめば
あかされぬ 水平線 の
語り 眠らせる 睡蓮
トレモロ
頬 寄せれば
いななく しらかぜ の
うちつける 火 の 扉
飛沫 で 消して
そこ ....
ついっと 顔をあげ
仰ぎみている
病室の 窓は薄暗く
パジャマ姿の そのひとは
ベットを 脱け出し 立ち あがって いた
「いまねえ そらを かこうと おもって」
少しとまどい ....
私の大好きな二人が
木蓮の詩を書いていたので
私も書こうと思って
毎日 家にある木蓮を見に行った
山の日陰にある木蓮は
つぼみはつけても
なかなか咲かず
そこだけいつまでも
く ....
海辺に
打ち捨てられた羽衣
水底に たぐりとられ
心 なくすばかりの 果て
指が 訪れる
風に 似た とろむ甘さで
ふれる やさしく
どうして そんなこと してくれるの
どうし ....
のどに はしゃぐ みめいの
つきの すずか つむぐ かるた
まわる やまの はるか さます
かやの ねむり まどう むごん
みちぬ おもい ゆきて きえる
かえぬ こころ ぬぐう ....
名前入りの口紅があるんだって
彼女の憧れのスター
ふっと 話し掛けると
知ってる と 真剣にみる
友達が注文するって 言うと
お願いだから私のぶんも と
一緒にすることにした ....
月が 舟を ナクシタ
木陰 に 零れた
ピラミッド の ベール
濃い青 の 淵
触れさせぬ まなざし
ただれた 地殻
うぬぼれた マルイ肩
キィィィ きぃぃぃぃ ....
シャボン シャドー シャトー
エプロンで 涙 拭いて
背中を そっと 撫でる
チョコレート アーモンド アイズ
瞳の中に 写る 私の瞳
リボンを 結び 直して
マイ リトル ....
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