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僕のからだの内燃機関は
なにを動力にして
ここまで
走らせ続けてきたのだろう


西日はいつも眩しいね

僕の手が掘り出したいものの
手がかりを
きっと
西日は知っている
 ....
冷たい雪の降る夜に

わたしのからだは凍えてゆくから
わたしのからだは
小さくなる

わたしはわたしを抱き締める



冷たい雪の降る夜に

わたしのことを
わたしのほかに
 ....
頬を追い越してゆく風と
手招きをするような
まばゆい光

目指すべき方角は一つだと信じて疑わず
出口へと向かって
足を運んでいたつもりだった


不思議だね
振り返ることは敗北では ....
嘘つきだった君を剥がしてあげよう


昼間のシャツは
白すぎたんじゃないか
夕飯のサラダは
潔すぎたんじゃないか

嘘つきだった君を剥がしてあげよう



すべてを明け渡し ....
雲ひとつなく秋晴れの空

父の運転で越えていた峠も
いまならば
自分の運転で越えられる

アクセルの踏み加減でスピードを調節
ブレーキなんか踏まない
でも
思いの外カーブは厳しい ....
星々の明るさが際立ちます
夜気がひんやりと
澄み渡るらしく
星々の明るさが際立ちます

されど
星々はつねに燃えているのであって
なんの労苦もなく輝くものなど
在りはしないのであって
 ....
「す」よ、住め

「や」よ、住め


 す すめ、も   や すめ、も

 あたたかし。



「す」よ、澄め

「や」よ、澄め


 す すめ、も   や すめ、も
 ....
なんにも無いところから
花が咲くわけなどないのに

私の目はいつも
開いた色しか見ていない
綺麗な色しか見ていない



いつのまに咲いたのか
どうやって咲いたのか
質問したなら ....
白鳥が飛来していた

初雪の予感漂う十月下旬
懐かしい湖面に
白鳥が飛来していた

渡りは
これから本格的になるのだろう
湖面には
ぽつりぽつりと
数えられるほどの小さな群れ
 ....
付け足されてゆくことがあって
それはとても
喜ばしい

差し引かれてしまうことがあって
それはとても
痛ましい


あなたの暮らしは
わたしの暮らしでもあり

わたしの途は ....
水は途絶えを忘れる薬

波を待ち望む青年や
イルカを愛する少女の瞳

波うち際に揺れる小舟や
小高く揺れる果樹の枝


彼ら
彼女らの
その目の海は
わたしには見えない
 ....
改札口にて
お待ち申し上げております


行き先を
詮索したりはいたしません
どうぞ
ご安心を


あなたがここを
通過してゆく事実のみ
確かめさせて頂きたいのです ....
竹の林の向こうから
銀の鈴の音 
リン シャラリン


夜露は
月の輪郭を
ゆるりとその身に吸い込んだ



川霧晴れて すすきが並ぶ



トン カラリン
{ルビ独楽 ....
窓越しのアルデバラン

暖炉が背中でうたうなら
ベテルギウスは指輪にかわる

ポタージュの香り満ちる星座紀行は
甘くも、はかない



やがて旅人は
アンドロメダへの郷愁にかられ ....
わたしは みにくい獣だ

 鋭利な刃物を知っている
 (わたしの爪はいつも)
 鋭利な言葉を知っている
 (やわらかな皮膚だけを)
 鋭利な視線を知っている
 (傷つける)

みよう ....
日常にくたびれた玄関先で
茶色のサンダルが
ころり

九月の夜気がひんやりするのは
夏の温度を知っている証拠

おまえには随分と
汗を染み込ませてしまったね
サンダルの茶色が
少し ....
各駅停車の鉄道がはたらいている
ひとの数だけ
想いの数だけ
星空のなかで
各駅停車の鉄道がはたらいている

天文学には詳しくない僕たちだけれど
きれいだね
しあわせだね
このままでい ....
幾千幾万の人波は終わりを告げない


すれ違う一つ一つの顔を
忘れる代わりに
白の背中が
鮮烈に映える

本当は
黒であり
青であり 
赤であるかも知れないが
白で良い ....
ライオンさんのやる気が
ゼロでしたので

わたしは舌打ちをしました


タイガーさまも同様でした
残念でした


同じくネコ科のクロヒョウくんは
動いていました

しかしなが ....
ごらん あれは
眠りの間際の窓辺たち
ごらん あれは
烏賊を釣る船の漁り火
人々の暮らしは在り続けていてくれる

汗をにじませながら
涙をうるませながら
人々の暮らしは在り続けていてく ....
まなこ に にちりん

もろて に こがらし


つち の かんむり しろ こだち 



かぐわし みつ むし

たわわ の やま つき    


かぜ の ふところ  ....
その階段は
まぎれもなく階段であった

手入れの行き届いた草木

光を反射する 白の像

そこは
入り口にも満たなかったのだ

まぎれもない階段の途中
この両目は 
 ....
久しぶりに自転車をこいだ


思いのほか重くって 
にわかに
ふくらはぎが 
注意報

堪え 
堪えて 
焼鳥屋を目指す 
男ふたり



「とりあえずビール」

 ....
さくら かんざし
あかねの 鼻緒

ねむりの いわおに 
腰かけ
仰ぐ 


ちり ち り りん
金魚の尾ひれが 
風鈴を蹴る

ちり ち り りん
黄色の帯と 
左手 
 ....
むらさきいろの透明グラスは
この指に
繊細な重みを
そっと教えており

うさぎのかたちの水色細工は
ちらり、と微笑み 
おやすみのふり


壁一面には
ランプの群れがお花のか ....
排気ガスの向こうに
こころだけを投げ出せば
いつだって僕は風になれる
鳥にだってなれる


部屋に戻れば
やわらかい布団と
あたたかなシャワー



守りが約束されているの ....
思い出せる涙は
すべて

私のせいであるが故



思い出せる涙は

なんとか上手く 
こころに
収まる




思い出せぬ涙は

だれのせいであったか

どん ....
わたしは 生みの親だもの
おまえが憎いわけは ない

けれども わたしは 手を貸さない


さぁ

潔く 
心地良く
羽ばたいて ゆけ



誤解も あるだろう
嫌悪 ....
わたしがむやみに数えるものだから
蛍はすべていってしまった


わたしが思い出せるものは
ひとつ
ふたつ

美しい光

いつつ
むっつ

美しい光

けれどもそこ ....
買い物袋から
オレンジが転がったのは単なる偶然で

私の爪の端っこに
香りが甘くなついたのも単なる偶然で


果実が転がり出さぬよう
そろりと立ち上がった頭上に
飛行機雲を見つけ ....
士狼(銀)さんの千波 一也さんおすすめリスト(90)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ゴールド・ラッシュ- 千波 一 ...自由詩15*05-12-5
冷たい雪の降る夜に- 千波 一 ...自由詩18*05-11-25
壁画- 千波 一 ...自由詩24*05-11-22
彫刻家の夜- 千波 一 ...自由詩16+*05-11-20
天高く- 千波 一 ...自由詩20*05-11-16
霜月- 千波 一 ...自由詩14*05-11-15
ススメ・ヤスメ- 千波 一 ...自由詩10*05-11-13
花を見つめて- 千波 一 ...自由詩12*05-11-3
白鳥の湖- 千波 一 ...自由詩16*05-11-2
プラスマイナス・ウィズ- 千波 一 ...自由詩13*05-11-1
見たことのない海- 千波 一 ...自由詩19*05-10-31
改札口にて- 千波 一 ...自由詩41*05-10-6
百鬼夜行- 千波 一 ...自由詩15*05-9-30
氷が笑えば水は俯く- 千波 一 ...自由詩15*05-9-29
未熟- 千波 一 ...自由詩28+*05-9-22
九月のサンダル- 千波 一 ...自由詩18*05-9-15
銀河鉄道- 千波 一 ...自由詩31*05-9-14
火の鳥- 千波 一 ...自由詩17*05-9-12
そのような目で見ないでください- 千波 一 ...自由詩17*05-9-11
地下水脈- 千波 一 ...自由詩19*05-9-10
みのりごと- 千波 一 ...自由詩19*05-9-3
逆光の丘- 千波 一 ...自由詩16*05-8-31
発泡の夏- 千波 一 ...自由詩20*05-8-30
献花- 千波 一 ...自由詩43*05-8-29
硝子工房- 千波 一 ...自由詩23*05-8-27
ガードレールで夢を見た- 千波 一 ...自由詩17*05-8-23
思い出せる涙は- 千波 一 ...自由詩21*05-8-22
うたの掟- 千波 一 ...自由詩16*05-8-16
清流- 千波 一 ...自由詩43*05-8-2
家路- 千波 一 ...自由詩53*05-7-27

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