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羽織る、シフォン色のカーディガンに雨
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岸壁に繋ぐロープの金具が ....
どんな蝶でも蜜を求める花に
好き嫌いがあるように
あなたの望む花と
わたしのなりたい花には
どうしても相容れないものが
あるのかも知れない
たとえば地味目なおんなのひとがいて
百人のおと ....
彼方からの気流にのって 届いたそれを
あのひとは
夏だと言った
わたしにとって
わたしの知らない、どこか
遠い場所で あのひとが
笑ったり、泣いたり、しているということは
あ ....
それは
降りしきる雨の
隙間をぬって
遅れて届けられた
一通の手紙のように
雨と雨が
触れあう音に紛れて
見慣れた景色の
匂いの片隅
未送信のまま
閉じられ ....
{引用=
一、漕ぎゆく者へ
明るいうたは明るくうたおう
明るくないうたも明るくうたおう
そうすれば
必ず
いつかどこかが壊れてゆくよ
治すというのはそ ....
情報通の友人から
感情の食べ方を教わったので
早速今ある幸せをかき集め
ジックリコトコト煮込んでみたところ
これが何とも薄っぺらい味であった
アイスのフタを舐めているような
惨めったら ....
さざなみが月を潤ませて
消してゆく二人の名前
ゆうなぎは心の糸まで
もつらせて切ってゆくのか
灯台も暮れ馴ずめば影にまみれ
境をなくす浜辺と海
こわれた砂の城に波が
さよならを塗 ....
校長室には牛がいました
校長先生の牛でした
健康に育ちました
たくさん話かけました
ある日牛が大きなあくびをすると
校長先生はその中にとび込みました
牛だけが後に残されました
旅 ....
{引用=一、くじらヶ丘
口に出してごらん
うるおい、と
その
やわらかな響きは
途方もなくひろい海の
すみからすみまで
満ち満ちてゆくようなものではない
干 ....
空は青く澄んでいた
雲は白く大きかった
鳥は軽く自由だった
木々は柔らかくしなっていた
草花はたくましく美しかった
大地は遠く円くたいらだった
海は穏やかに荒々しく
....
させられて 触れたわけじゃなくて
あきずに続けただけの ことだから
だらしなく つっかけて
ぼろぼろの 噛み癖
気の毒なんて
言われないし
悲嘆は
花さえ開くことを望めば
....
誰も知らない顔をして
通り過ぎていく君の強さ
夏の制服の薄いシャツから伝わる
淡い匂い 淡い声 淡い想い
すべてが溶け込んだような
プールの塩素の匂い
もう過ぎてしまった七夕は ....
今年も古い母屋の軒先に
つがいの燕が巣作りしました
生まれたての可愛い雛たちは
親鳥の帰りをひたすら待っていて
精一杯の幼い首を伸ばして
甘えたような鳴き声あげている
(なんだか可愛いな
....
この路地裏の
アスファルトのひび割れは
どこかの埠頭の
それと
似ている
相槌を打ってもらえる筈が
ここにあるのは
頬を刺す風
見上げる雲の隙間から
一筋の光が降 ....
大きなガラス扉
日焼けしたブラインド
貸店舗、の白い貼り紙
コンビニになりきれなかった
角の、たなか屋
殺風景な店先のコンクリートには
ただひとつ
小さな郵便ポストが生えたまま
舌 ....
ぼくは詩を書きたい
自分が自分であるために
今日を今日とするために
心は起立する
今日もまた
朝の散歩をしていると
起きる心に出会いました
灰色の雲が流れる空は
今日一 ....
雨が止みはじめた頃に、
傘を差しはじめてみた。
びしょ濡れになって傘の下、
僕は何かに守られていると強く感じる。
道の向こう側から、
少年が歩いてくる。
あの懐かしい長靴の黄色が、
僕の ....
初夏の陽射しは 便りを運ぶ
宛名も消印も
差出人も
見当たらないけれど
懐かしさという
こころもとない手触りに
わたしは ゆっくり目を閉じて
紫陽花のさざなみに
いだかれる
....
しずくのことは
一輪、
二輪、と数えあげたく
青空ならば頷いてくれるだろうか と
躍らせた髪
真昼の月の通い路と
銀色乗せた浅瀬の流れは
中空で いま
十字を結ぶ
か ....
夜
一羽の鳥が生れる
絶え絶え灯つてゐた
電球の切れた 丁度その辺りに
これからは おまへにだけ見える
明りを頼りに
羽ばたいていくだらう
....
窓と壁のはざまから
水のような顔があふれ
外を見もせず消えてゆく
風が光に 光が風に
裏切りの等価を与えるとき
狭いところ
熱いところ
いたらぬ波をくりかえす舌
輪 ....
{引用=夜を裂く青星の爪 雄たけび上げ
駆け下りて来い わたしのなかへ}
夜の天蓋に{ルビ静寂=しじま}はこぼれ
瞬くのは
ただ蒼い隻眼
その牙は光り その爪は光り
そのたてがみは光り ....
ぼくは詩を書きたい
雨は雨であり
風は風であり
人は人である
今日もまた
朝の散歩をしていると
雨風に出会いました
家を出るときから
雨が降ることはわかっていた
....
ぼくは詩を書きたい
自分の過去が幼く拙く思うのは
自分が成長しているからである
今日もまた
朝の散歩をしていると
小鳥に出会いました
まだ幼い
飛び立とうとするも
飛ぶ ....
望んで、息を止めている
駆け抜けていったのは誰だったのか
その先に生まれない景色を夢見て
地図の見方を覚えていたはずだったのに
信号の変わる瞬間を逃さずに、狙撃する
駅前の海は潮騒を響か ....
真昼の公園で木漏れ陽を浴びて
癒える筈のない悲しみのことを考えていた
ときおり吹き抜ける風はすこし熱を帯びて
客待ち顔のアイスクリーム売りの老婆の
麦藁帽子を踊るように撫でてゆく
....
きのう木星で
くるはずのない電話を待っていた
土星の輪にちりばめた宝石は
帰って来ることのない
遠い遠いおもいでのように
押入れでみた走馬灯のように
はるかな点滅と軌道をめぐっていた
....
紳士である前に、男
男である前に、獣
淑女である前に、女
女である前に、獣
化けの皮の下に、本物の質感
風にゆらめく、
踊り子たちが
激しい春に
ときめいてゆく
日常。
(ゆうや、ゆうや
あなたがぼくを、呼ぶのは
小犬の甘噛みに似ている、の。
ゆうや、ゆうや)
....
深夜の静けさ
心地よい気候
誰もいなくて気楽な部屋
カラオケで歌った歌が
頭の中でリプレイされてる
何度も何度も
永遠にはじきあう
プラスとマイナスの磁石のように ....
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