天空の城ラプタを観ようとしたが、そんな映画は見つからなかった。
それは、発音のままならない幼少期にだけ存在したのかもしれない。
誰か、などとごまかすのはよそう
あなたを、思うときの空だ
湿った雪雲が切れていく
灰色の向こうに広がる薄い青
きっと強く、遠くのあなたを想っている
灰色と青色が近いのは空のせいだ

   ....
ほとぼりがさめるころ 妻子の留守を
みはからって 鬼がかえってくる
おまえもおれの だいじな友だち
からだにめりこんだ 豆をほじくりだし
つまみにして 酒をのみかわす
新しい雪の降り積もった
静かな屋根やねが
水平な朝に焼かれて
私の底辺をもちあげる

増幅する光の波が
うずくまる私の手をとり
青い影を洗う

そうして
裸にされてゆく、わたし
 ....
時折天井から記号が滴る

灰色の水槽の中には青白い都市が浮遊している

祭壇めいた台の上で
少年はくる日もくる日も
華奢な実験をくりかえす
時々淡いひとりごとを呟きながら

ほのかに ....
穴の夜に可憐な花を引きちぎる 心の底から憎まれたくて


『やさしさ』という字はとても丸いのでやわらかなものと誤解していた


ワンピースに西のワインがふりかかる とれない染みに焦がれど、 ....

と思ったのは、鳥の羽だった
くるりとやわらかに丸まった羽毛が
風で、路上に転がって

ここで何が起きたのか知らない
鳥の姿も、形も無い
アスファルトには点々と
わずかな血痕が残され ....
一秒ごとに
とどまる
時間が
抜殻として
輪郭を残し
なだらかに
連なる

呼吸と
思考
いくつかは保たれ
いくつかは置かれたまま

ふりむけば
うすい
半透明の
殻が ....
誰の手にも負えない
お前たち自身の肌寒さが
漏れ吐く息の、
ごくまぢかに訪れて

今日もくたくたの
ダンボールと引換えに
アレやコレやすべてを燃やし、
煙りながら一日が終わる

  ....
月に息吹きかけて
闇を走らせた
自転車を得意気に漕いで
君が笑ってる
雲を引き連れるみたい
王様は君
坂道の巧妙なブレーキで
王座を奪い返して
いつもの曲がり角
直 ....
本の隙間から
光が溢れている

行間のひとつひとつが
とても眩しくて
僕らは本の影の部分を
読んでいるに過ぎない

見失った灰色の街で
出会ったばかりのきみから
きみの本を借りた
 ....
意味なんてどこにもないから書くだけで硝子色した指が震えて


深呼吸吸い込む風の匂いだけ肺をすり抜け消えてゆく丘


くちびるに暗き影だけ塗りつけて躍りだすのよサンデーブルー

 ....
ひとりのための会話を照らし
光は深く息をしていた
遠すぎる背の
土を信じた


熱はどこかへ
到くはずだった
ゆうるり巡る
直ぐに見える道
終わりのような緑だった

 ....
食べ物には嘘が満ちている
でも詩には嘘がない
詩人が嘘つきでも 詩は嘘をつかない
いや嘘か本当かなんて本当はどうでもいい
嘘でもいいから希望を 与えるのが詩だ
言葉はどんな食べ物よりも深い味 ....
  森に歌え
  回廊に響け
  ルチウスのヴァイオリン
  少年の痛みを
  世界にはびこる欺瞞を
  ルチウスのヴァイオリン



  まちがった正しさや
  反吐をも ....
なぜすいません、なんだろう
雪山でロストして
大捜索して助かった
禁止区域に入ったからだ
つつしめ
慎め
行動を
識者たちは憤る
政治の嘘には絡まぬくせに

なぜすいません、なんだ ....
ひとめぐりする
違いについて
考えてみようと思うけど
夕日が沈むのか
それとも
僕らが遠ざかっているのか
わかるものか

薄っぺらな紙も透視できない
僕らには
粘土層を貫いた深い根 ....
いつかどこかへ
去るときが来て
道を奏でて
道を奏でて


奇妙にしばられた
音をひとつほどいて
粒のかたちに返し
行方を見守った


ひるがえる午後の
背の ....
みかんの皮をむくと
いくつかのいのちが並んでいる
土にまけば
また
みかんといういのちが
生まれていたにちがいない

くやしがっているだろうか
人の手が汚いと
叫んでいるだろうか
 ....
こめかみにあてたガラスのピストルの引き金を君に引いてほしいの


さびしさに湿った獣を飼っている、解かれた鎖、と投げ出した足、


両親の祖父母の曾祖父母の骨でできたリコーダーを吹く小学生 ....
燃えつづけ光の穂になる音になるこがねもとめるけだものになる



穂の陰に白と鉛のうたがあるまだ見ぬ夜へまだ見ぬ海へ



曇りから水と光が去るたびにひとしく遠くし ....
暮らしてゆく
かこいの上

眺めると流れがある

土から 
かえるためだけに
乞う 涙ではない

吹きなれた風の足が
ところどころ 無くした
甘いくぼみに にゃーと泣く

逆 ....
甘噛みする
うさぎ
声をあげない

やさしさは
痛み
容易に予言する

はねを広げる
うさぎ
いつしか
鳥を真似て

さみしくてさみしくて
手のひらを閉じた

ささやき ....
たとえば、亡骸を誇らしげに焼き払うような
上手ではない水切りの音
整備された河川敷と、焚き火の跡が
ただそれが魚たちであっても

火葬場が、通学路沿いにあって
人を焼いているときはグレープ ....
あなたの肩にもたれかかった ら
ぱたり という音を立てて
あなたは倒れてしまった
とても軽い音だった


ソファの上に静寂が流れる
誰もいない
わたしひとりがここにいる
現実 ....
                      07/07/15



うさぎバトンがまわってきたので、日記を認める。
ぴょんと跳ぶのは、ウサギ。
ひょいと隠れるのは、キツネ。
猫は、 ....
もう、これで許してくださいという寒さ。二勝三敗、春が遠のく

見上げれば雲が寒さに蓋をして花はなくとも忍び寄る春

今日という朝の晴れ間におはよう、と、たぶん私は{ルビ明日=アス}も生きて ....
{引用=タイトルが半分くらい省略されてしまった。


日常生活でさりげなく笑うことを念頭においていろいろな人と会話をしていると、それが積み重なって、「いつも控えめにだけどよく笑っている、感じのい ....
ころがる
しずかな すいへいせんの上



あさ
お茶をわかしながら
てのひらで
背骨をなぞった
恐竜のように
そらへとつづく梯子の ように

あなたが
つづいている ....
背中が無防備すぎるから
思いっきり蹴りたくなるんだ

気持ち良さそうに伸びをするから
ボディーがガラ空きだぜって
思いっきり殴りたくなるんだ

平手打ちで頬にもみじ作りたいなぁ
死角か ....
千波 一也さんのおすすめリスト(7731)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ラプタ- クーヘン自由詩7*20-8-14
もくれんのくも- たりぽん ...自由詩10*08-2-12
そろもん(旬の歌)- みつべえ自由詩608-2-11
私信- 佐野権太自由詩21*08-2-11
実験室37−C- 塔野夏子自由詩16*08-2-11
穴の夜に- 石畑由紀 ...短歌3508-2-10
確かめもしないで- 北野つづ ...自由詩5*08-2-9
アースシャイン- 夏野雨自由詩64*08-2-8
銀河_★- atsuchan69自由詩8*08-2-8
ミッドナイト・レース- よしおか ...自由詩1+*08-2-8
偽物の光と影を借りにゆく- 小川 葉自由詩508-2-8
小集_「枯れ葉舞う丘の上で」- 紫音短歌3*08-2-7
土にひらく- 木立 悟自由詩308-2-7
詩という食べ物- 新守山ダ ...自由詩208-2-6
ルチウスのヴァイオリン- 草野春心自由詩408-2-6
春告げ鳥- umineko自由詩8*08-2-6
地動説な雑草で- たりぽん ...自由詩7*08-2-6
ノート(ひとつ_しるべ)- 木立 悟自由詩408-2-5
みかん- 乱太郎自由詩17*08-2-5
あれは春じゃない- しろいろ短歌5*08-2-5
冬午- 木立 悟短歌408-2-4
かえる_ほとり- 砂木自由詩8*08-2-3
空のうさぎ- umineko自由詩6*08-2-3
野辺送りのストーン- 月見里司自由詩308-2-3
うたかた- ゆうと自由詩3*08-2-2
うさぎバトン- あおば自由詩4*08-2-2
もう、これで許してくださいという寒さ- たにがわ ...短歌208-2-1
日常生活でさりげなく笑うことを念頭においていろいろな人と会話 ...- ピッピ短歌2108-2-1
花時計- はな 自由詩21*08-2-1
君が悪いんだ- 朽木 裕自由詩4*08-1-31

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