街は、宣伝する車の謳い文句と、気にも止めない通行人を生贄にして
せり上がる暑さよりも、乾いた空虚さを従えていたので
僕等は、長い橋の上からきらめく水面を眺めている。
そこにありもしない目印を探し ....
薄闇の映画館の中
鴨川のことを思っていた
土手にしがみつこうとする亀
にぶいオオサンショウウオ
蚊のような蛍
ヒトは思い入れる
かくいう私も
彼らを出汁に
女を口説いたり
狩猟の真似 ....
               ↓
              ↓ 
         ↓      
         ↓      
               ↓
           ....
ひらがなを覚えたのは
褒めてほしかったから

泣かなかったのは
泣けなかったから

望まないのは
叶わないのが怖かったから

受け入れられないのが
受け止められないのが
拒絶され ....
全国から観光客がえっさほいさとやってくる
そんな地元の夏祭り
北の短い夏だからこそエネルギー爆発!
なんていうキャッチフレーズ
どうなのかなあ
どうだっていいけど最近ずいぶん積雪量も減りまし ....
「ママ、ママ、ママ」
と呼ばれて
振り向く
ホームセンターの中
カゴの中に
ふくろうの仔
ああ、
お前かあ
覗き込むと
何度も何度も
「ママ、ママ、ママ」
ふと気がつくと
周り ....
パパが怒って
僕のハーモニカを曲げてしまった
銀色と水色のハーモニカは
真ん中あたりで
ぐにゃり
と曲がっていた
幼稚園生の僕は




今度
新しくハーモニカ ....
昼が過ぎる。真夏日が待機した窓を開いた。
半裸な都会の露出度は、夕方に足を突っ込んでいる。
ベランダから返り討ちをしてやろうと、長袖に手をかけてやめた。

―ソファーの色、体毛よりも淡い、素肌 ....
脳みそが
君にとっぷりと浸かってしまって
手がつけられない

引きずり上げても 引きずり上げても
ひたひた滴る君の残像が
後を絶たず 伝って落ちる

もはや私は 君で形成されている
 ....
花が散ってしまっても
桜土手通りは
桜土手通りだ

なぜかって
それは
秘密さ
生きるときも死ぬときも
私はいつも あなたと共にいます
この生命は あなたと出会うためのもの
あなたが傍にいることが
私の生きる道にある幸せです
たとえ背に矢を打たれても
あなたが生きてと ....
吸いかけの赤マルを未練なく道に投げ捨てた

入門はマルボロライト

吸い方も知らずただふかしていた

本当に好きな娘が分からず失恋した

そして社会にはむかうように親に反抗した

 ....
もともと性に合わないんだ

優しくされるのも
穏やかになるのも
まんざらではなかったけれど

もともと性に合わないんだ


じっと見つめてごらん
鉄塔のもっと上

じっと聞 ....
曇り空の晴れた日の夕暮れに、昔からおしゃべり好きな友人が自信たっぷりに言ったことが気になった僕は、土手まで歩いた。

「夕暮れになると魚はいっせいに鳴くんだ」

そいつはアッカンベーが好きだっ ....
おまけみたいな僕は
露店でビールを配る
一杯四〇〇円也
腕に妙な刺青をした
お兄さんに意地でも
売りつけてやろうとするが
睨まれてもごもごする
仕方なしにちょろそうな
カップルにヨイシ ....
寂しさを紛らわすひとり遊びはもう飽きた
飽きたからといって、呼吸は止まらないし
心臓も未だ体中に血液を送り続けている

黒く長い髪は暑さに弱い
それでもいつまでたっても
迎えはこないんです ....
かぼそい声で呼ばれた気がして
ふとたちどまった夕暮れの小道で
蜘蛛の巣の罠にはまった羽虫が食べられていた

逃げ惑う

追い詰める


私は向き直りあるきはじめる
家に帰って牛と野 ....
宝を探しているつもりで
必死で掘っていた穴は
実は自分の墓穴を
掘っていたのだと気付くように

そんな風にして
いろいろなものごとが
終わっていく
世界のどこかで
一秒あたり二人死ぬそーだ
あの人もその一秒の二人のうちの一人にすぎないわけだ

「自分が死ぬ瞬間に、どこかでもうひとり死ぬ」

それは少しだけ優しいトリビアな気がする
そ ....
いつもの駐輪場の屋根の上で
虎縞が昼寝をしていた

あいつめ、昨日俺の前に来て
にゃあと鳴きやがったが
今日はすやすやか

薄目を開けても
何もやらんぞ

ちんまりと背を向け
弛 ....
この世界には もう
ひとつも乾いた場所など無い と
そんな風に思うほど
360度 水浸しの溢れ出る水槽です。



窓を開けると 外は白い縦線で埋まる巨大な水鏡で
映った私の全身から  ....
工場地帯の駐車場に捨てられていた吸殻から
男女のひそやかな絆が曝される。互いにひかれ合う、
男と女の意欲と表象、一度出ると伸び広がりつづける地平線に
偽りの太陽や月が、沈まずに居座っている。何個 ....
穴のあいたナイキをつっかけて
オンボロの自転車にまたがって
BGMは耳元を通り過ぎる風の音
駅までの長い坂道
飲み干すように一気に滑り降り
背中に翼が生えてくるイメージで
そのまま行かせて ....
お昼時の込んだ食堂で
ヒロシ君、と呼べば
3人は振り返る


ヒロシ君はクラスの中に2人はいる
ヒロシ君はテレビの中に5人はいる
ヒロシ君はヒロっちゃんと呼ばれることが多い
らしい ....
交差する車両たちに囲まれて
立ち尽くす
PM7:00

正しい世界が見えるような
そんな気がして
見上げた
低い天井

あの日あこがれた草舟は
ゆっくりゆっくり 沈んで ....
いろいろなことがあった
いや なさすぎた
為すべきことを為し
為すべからざることをも為し
僕の一生は
いよいよ終わりに近づく

考えてみよう
僕が為したことどもを
恥じることはないか ....
埠頭に
群れなす
カモメはすべて
哀しい心のなれの果て


船は今日も出てゆくのだ


海は広いというのに
のぞきこめない
瞳の深さをもって
船は今日も出てゆくのだ

 ....
すべてのおんなのこは
みんな桃の実のようで

ピンクに染められた指先を
風が撫でてゆくたびに
わけもなく泣きたくなる
真夜中 駅のホームでは
たまにカレーの臭いがする
それは風みたいにすぐに流れて消え去って
僕がもう一度白い息を吐いたときには
その形すら思い出せなかった

そういう夜は電車に揺られながら
 ....
ハーブの浴槽を
かき混ぜて
えらいねえらいねって
かき混ぜて
わたし、泣いてはいませんでしたか。

いいえ、それでも笑っていたんだと思います。
はらはらとこぼれていくのです。
あの小さ ....
桜さんのおすすめリスト(333)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
訪れない、その手前で- プテラノ ...自由詩11*05-7-20
奉る- 太郎冠者自由詩3*05-7-20
少年は舌を指差している_1- 槙田雪自由詩3*05-7-19
『雪の降る町』- mana自由詩13*05-7-19
夏祭り- チアーヌ自由詩905-7-19
母を呼ぶ声- チアーヌ自由詩1005-7-18
ハーモニカ- 虹村 凌自由詩5*05-7-17
アスファルトに宣誓する- チャオ自由詩7*05-7-15
同じ味- スプート ...自由詩4*05-7-15
季節- たりぽん ...携帯写真+ ...3*05-7-14
蝶々- 桜 歩美自由詩3*05-7-12
思春期- flame自由詩2*05-7-11
紙飛行機になる- 千波 一 ...自由詩13*05-7-9
夕暮れが始まる頃に- チャオ自由詩4*05-7-9
露店にて- 太郎冠者自由詩2*05-7-9
ひとり遊びという名の妄想癖- 無知アコ自由詩5*05-7-8
ハンバーグのよるごはん- 八月のさ ...自由詩405-7-8
愚者- 大覚アキ ...自由詩205-7-8
もうひとり死ぬ- ヤギ未詩・独白7*05-7-8
昼寝日和- 雑魚ヒロ ...自由詩305-7-8
2005・7_雨の終わりの日記- 千月 話 ...自由詩17*05-7-7
偏頭痛- プテラノ ...自由詩5*05-7-7
風になる- 大覚アキ ...自由詩205-7-6
ヒロシ君- 大西 チ ...自由詩14*05-7-6
単調な鼻歌- デニスホ ...自由詩7*05-7-5
南風- 吉岡孝次自由詩105-7-5
埠頭- 千波 一 ...自由詩10*05-7-5
- 大覚アキ ...自由詩805-7-5
品川駅- リヅ自由詩5*05-7-1
てのひらほどの世界- かのこ自由詩505-7-1

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12