友人のS氏は寿司屋の店長さんで
毎日、寿司を食べている
メル友のAちゃんに、その話をしたら
羨ましいなあ、寿司なんか年に一度か二度食べに行く位だもん
私もそこで働きたいと仰る、
確かに寿司なんて、 ....
猫だとばかり思っていた
真夜中の道を歩く
白いものは
風に漂うポリ袋だった
と気づくまで
ほんとうは
猫だったのかもしれない
全ては過ぎてしまった
真実のように
....
この雨は
誰の涙なのでしょう
傘もささずに
わたし
悲しいほどに
濡れてます
メモらないと
覚えられない
言葉がある
メモっても
覚えられなくて
見直すたびに
ぼんやりしてしまう
詩人になればよかったのに
その人の仕事だけが
いつまでも ....
{引用=あなたをずっと待っている}
月がたとえば
落ちてもあり余るほど
たくさんの数 あれば
そんなに「キレイ」と
神妙にも
見上げなくなるだろう
ひとつだけ、
というもの ....
例えればあなたは
この砂漠に育った
風の紋様のように
年輪を刻んだ
太陽の灼くように
苦痛と恵みとがあって
月の照らすように
癒しと哀し ....
ホームの向こうに
鮮やかな花が咲いている
緑のなかに
ひとつだけ輝いて見える赤い花
風と戯れ揺れる姿は
まるで手招きしているようだ
しかし
ここは隔てられている
それでもあなたは誘 ....
陰鬱な雨音が窓辺に滲みて
低くつづく唸り声と
さかんな水飛沫とともに
霧中に奔り去る夢の銀輪たち
仄暗い部屋で
目覚めると
突如、
胸に激しい痛みを覚えた
良くない
一日の訪 ....
汚れたうさぎ色の空から
アスパラの雨が降る
雨は次々に根を潜らせ
背中から空へ白いまっすぐな筋を何本も何本も何本も
川の溜まりの鋼の渦に
くるくると浮かび上がるそのひとの「きのう」
....
月のひかりに近い
比重の
愁いが
瞳から溢れたとき
あなたはすでに
詩人であった
淡い湖に半身を浸して
何かを探し求め
深層に沈む
リングに手をのばす
ひと ....
ほとんどのことは
なんてことないんだよって
どうにかなってくんだって
教わったのは
病院の、ロビーで泣きじゃくるわたしに。
無言で母はわたしが立ち上がるのを待ってくれたね
何時間も
....
渚を歩いていたときのことだ。
波打ち際に、細くなめらかな黒い曲線が描かれていた。
それは波の姿を象って視界の及ばぬ範囲へと延々と続き、
足元に目をやれば無数の点の集まりで、なにかの種を思わせ ....
大好きなあなたと
笑顔をともに重ねたい
陽の見えない換気窓から
影とほんのり外界の時を伝える
*
枝豆をパチン・パチン
鋏でとってゆく
土のにおいが
なぜか懐かしく
ゆらめい ....
如何せんガクがない。ふわりぷかりと営んできた賜だ。
あるだけじゃあ大してイミは無いけども、無いオレが言ってもやはりボールは枠には飛んでかない。
それとやっぱり使い方なんだろうけれど、もう一つだ ....
文鳥は
帰ることができませんでした
あんなにうとましく思えた
ステンレェスが
今では
こんなにも
いとおしく想えるだなんて
文鳥は
....
世界は円で完結する
民族も
思想も
姿かたちも
些細な異差の
凝縮された拡大
あなたのどこかが
もしも欠けてしまったとしたら
誰かと
手をつなぐとよいのです
....
放任してはならない
読書にふけていようと
トマトを食らっていようと
あの人のリズミカルなノックが
私の耳をいびるから
あの人のこころは
この時のみ
私の中の
遠いどこかまで ....
6月25日 0:17am
パパとママが罵りあう声が床を転がってる。
なんで朝まで帰ってこないの、からはじまって
どんどん醜くなる言葉たち。やがて高周波に達する。
悲鳴は床にたた ....
透けたそこから見える
青い光が好きだ
くじ引きみたいな駆け引きよりも
青い光が好きだ
夕暮れとカレーのにおいよりも
青い光のが好きだ
キミはいつも青く光っている
だからボ ....
なんでこんな晴れた日に
なんでこんなときなのだろう.
ぶつかりたいし 名前を言いたいし
みつけてほしい
みつけて
みつめ
その指にあまがみをして
サンプリングをして残した ....
また、嘘をつきました。
嫌なことから逃げました。
馬鹿みたいで、
情けなくて、
申し訳なくて。
何やってんだろ...って
思う時にはもう過ぎていて。
ほら ....
*
昼に停まった季節の便りは
いつぞやの名残を含んだセピア色の背景に、日向に生まれ落ちたパステルの淡い配色と、幼子の視線のラフなスケッチとなって
単色に描かれていた風景画を小さな額縁の中から取 ....
公衆浴場のぼんやり広がる湯気の中
いろんな裸がごろごろしている
あたしだって そう
ひとつの肉の塊に過ぎない
すべる足元にご注意を――――
それにしてもここの照明は明るすぎます
....
人は誰だって
夢を見ている
それが明日叶えられる夢だって
遠くて遠くて100年経っても
叶えられない夢だって
きっと幼い少年少女のように
夢を描いているんだ
でもその夢が ....
ねぇ
そのひんやりした床に
目を閉じて
耳をあててみて?
高速で道路を走り抜ける車が
ささやかに笑い合う地下水が
優しい歩調で歩いているあの人が
おしゃべりしながら列を成す蟻 ....
いいたくても
言えなかった言葉
心の中じゃ
100回だって言えるのに
いざとなると
喉の手前まできて
声にならなくなってしまう
伝えなきゃって思うのに
心を通わせる一歩手前で
目をふ ....
ねぇ、知ってる?
あの空も
この言葉も
本当は何もかもパプリカなのよ
私の創り出した世界
(レプリカ、と言いたい?
な、なに言ってんのよっ
パプリカよ
決まってるぢゃないっ
....
旅するひとよ、空は
くるくる重低音を行き来して
雨の匂いさえも はなうたの
材料にしながら
「これからの僕を分けよう」
粒は汚れのない アリスの涙
少女は聞きわけよく
旅するひとに付 ....
光の跡を指で辿って
途切れては、また
切なる時間の中にいる
瞬きに願いを乗せることもなく
水面に寄り添うのは
想いが透き通るから
清水に耳を傾けるのは
貴方の声を ....
わたしはちっとも朽ちない
咲いているあの赤い花のように
なぜわたしはいつまでたっても
朽ちていかないのだろう
食パンに生えたカビをまとっても
古くなるだけ
わたしは朽ちない ....
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