無数にドライバーを突き刺され
美しきあなたの肉体よ
鋼鉄の逞しき肉体よ
それが端から崩されていく
何百人もの工員があなたの上を這って
いやらしく群がっては蠢いて
そしてみずみずしい肉体を剥 ....
繰り返される日々の中で
身も心もすり減ってゆく
紫陽花が咲く坂道を駆け下りる
雨色の風が頬を撫でる

ここまで生きてきた
どこまで行くのか
わからぬまま
歩く

蛍火はなつかしく揺 ....
ぼくはいつから
幽霊だったのだろう

きみはいつから
幽霊ですか

幽霊である事は
隠さねばならない
のだそうで

誰かに言われて
慌てた記憶

隠さなくては
と言われても ....
ガラス窓の向こうで
風が吹いている
木々の梢は風になびき
空を掃いて 葉が{ルビ細々=こまごま}と翻る 
くろく空裂く鳥の群れか
とおい湖の 波間の影かの ごとく

音は聞こえない
あ ....
黄色い果物と言えばバナナである。
あの寸詰まりでない流線型のかたち
何よりも甘くて柔らかい
正直なところ羨ましいと檸檬は思う
檸檬は本当の意味で安心できる人間関係を
経験した事がない
兄弟 ....
石の中の振動子が活動をやめている
以前は暗くなればぼんやりと光り
触れば柔らかい温もりが有ったが
数日前から硬く冷たくなった
僕達は予測していたから
特に驚きもしなかったけど
ただ悲しかっ ....
傾斜を下り刺し殺された命たち
多くの者は海の最果てで
多くの者は自明な住宅で
この土地で地を這い工事していると
命たちが呼吸に紛れ込んでくる
もはや死んだ命たちは生活の粒子
我々の ....
火の消えたタバコを自分の左手に擦り付けた
それがせめてもの断罪だった

罪と知らず犯す罪は
知らずの内に他人の罪になった
償うことも
学ぶこともせず大人になった

誰にも知られず犯す罪 ....
ああ、いい風だ
涼風が坂を吹き降りて来る
そのたび体も魂もすっと軽くなって
吹き出る汗を拭くことも忘れ
風に乗りふわりと舞い上がっていくようだ

ここ最近は夏日と春雨が交互にやって来て
 ....
両手を広げてみる
手の平じゃない
腕を
肩を張って
手を肩の高さまで上げて
腕を水平に真っ直ぐに伸ばして
手の平は地面に向けて
身体全体で十の字になって
真っ直ぐに立ってみる
特に目 ....
日射しにぬるむ木蔭に焼かれた
横たわるしろい肌
くるぶしを舐める犬の舌のざらつき
渇いていく唾液とこぼれる光は
すこやかにまざるばかりで手放しかたを忘れながら
あたまをなぜてやる

季節 ....
とっくに終わったよと
あきれ顔で南の国に言われそうだが
待ちに待った開花だ
長かった冬に別れを告げる合図だ

こんにちは
思い出を咲かせる
友よ
そとのあかるさは
風のように部屋を訪れる
異国の布の隙間からのエトランゼ
誘うように歌いながら

もう春のワルツでなく
初夏、その一歩だけ手前の
ひと時だけの静けさへの{ルビ招待状=いざ ....
何度殺そうと思い
何度死のうと思い
やっと今日を生きて
平穏を噛み締めたか

痺れていく四肢に
冷たい雨が降り
ここで死ぬのだと
孤独に感謝する

溢れる接続詞
砕けない水晶
別れなどいらない
 ....
さて今日も花が咲き
往来はあざやかな灰色
卵を割る指に思いが絡まって

( )

シャツを洗い シーツを洗い くつ下を洗い
はがれ落ちる自意識をかき集めてくり返し洗い
 ....
脇目も振らずに走ってきたよ
余所見をしている余裕はなかった
家と会社を往復するだけの毎日

ケースに入れたままのギター
若者の音楽を受け付けなくなって
大好きな歌も歌えなくなっていた

 ....
実は二十七歳とか三十前とかに死ぬんだと思ってたんだ
別に悪魔と契約した訳でも無いけれど
気付けばおめおめと生き延びてる事に気付いたんだ
別にそれが恥の多い生涯でも無いけど
さっさと和了って死に ....
ぶどう畑の
青いぶどうのふさは
一粒ずつが細かく鈍く

木漏れ日は淡く
静けさは緩む
水のようになめやかな
静止した時間と飽和した空間

  眠るように感じ入っていると
  このあ ....
内なる外が押し寄せて来る
外なる内が押し寄せて来る

誰もいない、繋がりはない 
白い空間奥まる深夜
圧迫され窒息する
深みへ奈落へ落ちてゆく
(揺れ震える肉の魂)
ぬらりと赤い舌に呑 ....
音楽は子供組が舐める風邪シロップみたいなものなんだって
遠い昔にいた偉い人がそう言ったんだって
いつかのあなたがぶっきらぼうに教えてくれた
わたしは中古の楽器を担ぐあなたについてまわ ....
大きな箱だった
膝を抱えてすっぽり隠れられるほど
そんな立方体を展開図にして
悲しみの正体や理由
いちいち解説してくれるけど

「まったくなぐさめにならない」 そう言うと

 《なぐさ ....
水音のなかに
時間が並ぶ
どこを切っても
倒れゆくもの


耳元の螺子
洞の夢
すぎるかたちの声たちが
すれちがうたびに語りあう


勝者も無く花冠は増え
言 ....
そうや、おらんかったね

自分以外の人がいる居間は暖かかった
冷えたこたつの中で丸く、眠るその影に小さく蹴りを入れても
明日もそうだろうね、言い訳することもないよ

灯油を乗せた車の音楽が ....
照るもる
本懐セルカ試合
もうてんの
ぱっついちのちの
本懐セルカ試合
らーめん
チャーハン
餃子の安穏
経て経て
のいちのやりとり
それがにちにち
じゅうねん
にじゅうねん
 ....
懐で古銭をじゃりじゃりさせながら
暗い大通りを歩いていく
多くの脇道が横に伸びていて
かつてここを一緒に歩いた人が
上から見ると「馬」の字になっている
と教えてくれた町
何百年も前に大火の ....
月見草
銀に揺れている
透明な水流になびき
引き寄せられ
傷んだ身体
俺は引きずっていく
引きずられていく
寒風吹き荒ぶなか

青、蒼、碧

陽光余りに眩しいこの真昼

俺の ....
外に臼がほしてありました
もうすぐもちつきだからです
家族はそれぞれに白い息をはいて
うったり
うたれたり

白くて柔らかいもちを
家族の手でまるめて
少しいびつなそれは
部屋に飾ら ....
彼が世界を美しいと思えるようになるのに二十年かかった。
冬の風呂の暖かさを知るのに、夏の風の心地よさを知るのに、
青空の透明さを知るのに、草原の輝きを知るのに、二十年かかった。
此処には見えない風が吹いている
どうしてなのかぼくには解らない
失った物も失われた物も解らない

石が転がり
葉は失われた
ぼくにはそれしか解らない

落ち葉がトランプのように散らばり ....
見た目に少なくとも毒はないらしい
わたしの顔立ちを思ってのこと
とにかくおまえは黙っていろとのアドバイスは
おとこ友達からしばしばもらっていた
ちゃんと頷く、そしてみんなで遊びに行った
飲み ....
松岡宮さんのおすすめリスト(1126)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
解体- 祝儀敷自由詩217-6-20
紫陽花の坂- 星丘涙自由詩14*17-6-12
護るべきものに気づかないから変なものを失うことに怯える- 長治和幸自由詩4*17-6-11
ガラス窓の向こう- 「ま」の ...自由詩1*17-6-10
檸檬- 長治和幸自由詩5*17-6-9
振動子- 長治和幸自由詩4*17-6-7
生活の粒子- 葉leaf自由詩417-6-6
途中からよくわからなくなった習作- るむ自由詩317-5-29
涼風が坂を- ひだかた ...自由詩617-5-27
十文字- 坂本瞳子自由詩1*17-5-15
五月の犬- むぎのよ ...自由詩917-5-13
北の桜- 乱太郎自由詩11*17-5-6
ひかりの風- もっぷ自由詩717-5-4
生誕- ネン自由詩2*17-5-3
洗いざらし- はるな自由詩1017-4-30
花残り月- 1486 106自由詩9*17-4-29
あしあと- 虹村 凌自由詩317-4-27
ぶどう畑- 霜田明自由詩3*17-4-24
悪夢再び- ひだかた ...自由詩4*17-4-15
音楽- DFW 自由詩10*17-3-13
悲しみの展開図- ただのみ ...自由詩18*17-3-1
ひかり_言葉- 木立 悟自由詩417-2-22
+2℃- 青の群れ自由詩617-2-6
はれるや- 次代作吾自由詩417-1-30
狂馬- 春日線香自由詩717-1-29
病巣- ひだかた ...自由詩14*17-1-16
臼の陽の目- 朧月自由詩516-12-25
二十年- 水宮うみ自由詩7*16-12-19
凍る世界に- レタス自由詩1016-12-14
瞬く聖域- もっぷ自由詩416-12-12

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