先生が転校生を紹介した。
キリンだった。
だけど首が長すぎて教室に入れないから
教室の外で、窓から顔を入れて勉強している。
キリンの家に遊びに行った。
部屋の中心に座れば、取りたいものを ....
私、S極
恋の電磁誘導切ないね
ケンカしちゃって
出てってよって
怒鳴り散らした
わたし、N極
あなたが出てってから
わたしは泣きじゃくった
すぐに後悔しちゃうんだ
戻ってきてよ ....
旅立つ前に少し気持ちの整理をしておきたくて、少し感傷的にぼやきます。
帰ってきて気持ちが落ちついたら、削除してしまうかもしれません。
永遠の迷いの痕跡をして残しておくかもしれません。わからないけど ....
“真夜中に雨が降ると良いですね”
押さえ切れない怒りの中で
死神の言葉はそれだけしか聞こえませんでした
息子が一人暮らしを始めました
あの子にも手がかからなくなって
お互いに二つ ....
“言葉にはきちんと止めを刺してあげなさい”
俺のじぃちゃんは死神だ
母さんの名付け親だから
血が繋がっているわけではないけど
昔からよく遊んでもらって今も良く遊びに行く
命がかかわる ....
“かえりみちでほたるをとってきてください”
平仮名ばかりのメールが届いたのは
電車が駅にすべりこんだ瞬間でした
アドレスは息子のものでしたが
明らかに使いなれていない平仮名と文調子 ....
“白い蛾が産まれると困るのでしばらく家を出ます”
“追伸”
“白い蛾を見ても殺してはいけませんよ”
こんな置手紙を残して
死神が家から居なくなりました
いつも一緒にいた名付け ....
“回転木馬は月夜が本番ですよ”
目の前をスキップしながら語る死神の後を
私は諦め半分で歩いていました
夏の果実は真っ赤に熟しているというのに
少し遅めのマリッジ・ブルーが私を襲っていま ....
君を
守るために
たくさんの武器を
手に入れた
君を
守るために
たくさんの武器を
いつでも
持っていなくちゃ
いけないのだけど
この手じゃ
君にさわれない。 ....
“夜霧よ今夜も有り難う”
風呂場からのん気に聞こえてくる鼻歌を尻目に
私は部屋を出ていきました
前前から
死神の電波加減や頑固さには目を瞑って来ました
でも今回ばかりは限界です
私 ....
“朝は優しく起こしてください”
というのは
寝汚い死神のきまり文句です
名付け親の死神は寝起きが最悪です
五個の目覚ましなど死神の眠りの前では無力なので
死神を全力で蹴り起こすこ ....
燃えるような恋とか
ドラマみたいな展開とか
そんなの要らないから
どうか、神様
僕ら二人を
そっとしておいてください
月のしたで。
“電車に乗る時は”
“なるべく人の多い車両にのりなさい”
“蒼い電車に出会ってはいけませんよ”
口うるさく喚く死神を後に
私はドアを閉めました
名付け親の死神は時々どうし ....
昔、あなたに宛てて書いた手紙
あなたが受け取らなかったので
まだ手元に残っている
手渡そうとすると
あなたは決まって困った顔をしたから
わたしは何故なのだろう ....
盥回しにされたから
君は強くなるよ
だなんて
どこのペテン師の
台詞だ
今は
この胸の中で
休みたいだけなのに。
なにも言わずに
ただ此処にいます
いつか誰かが
蹴り飛ばしてくれるかも
しれないですし。
グル グル グル グルメ!
グル グル グル ベロリンガ!
大きな舌でぐるぐると
食せんものは一つも無い
食についてはうるさいが
その長い舌は本物だ(ベロリンガ!)
言いたい事は遠 ....
淋しいと呟いたら
きっと何もかも
消えてしまうから
後ろから
暖かく見守って
涙は
苦手なんだ。
また『薬指』を拾った
今月で3本目だ
白く細い
白魚のような指に
上品なシルバーのリングが
しゃん、と通してある
今まで拾った中で
一番美しい薬指だった
いつものように
....
“夜に抱きしめられてはいけませんよ”
というのは
死神の口癖です
死神は
私の名付け親です
両親を無くした今
一緒にくらしています
命にかかわる問題以外は
かなりアバウトな ....
幹さん、
どうでもいいですけど
高円寺のキャバクラで詩人っていう名刺配りまくるのはやめて下さいよ。
大将二号店で2本目のつくねをほおばりながらキムがつっけんどんに言い放った
どうでもいいけどキ ....
正月に日本酒を飲みながら詩を書いていたら
火曜日に詩を教えているキムからskymailがきた
「幹さんやばいっす、オレ犯罪犯しちゃいそうです」
『ちゃんと詳しく説明してミソ』
「ちんこ ....
1.
かみさまはいるよ、
って
教えてくれた人は
もうすぐ死んでゆく人だったけど
それは黙っておいた
だって、あいしてるんだ
2.
きのう、かみさまを見か ....
満水の夜に
感覚をとぎすませながら
無数の魚が泳いでいる
距離と、位置と、
上昇する体温と、
そういうものを
止めてしまわないように
蛇口に口をつけて
あふれ出すカルキを吸うと ....
幼い頃のひとり遊びの記憶は
影となって私に纏わり
誰かを愛そうとするたびに
耳元で呪文を投げかける
楓の色づく様を
薄の頭をゆらす様を
人と分かち合うやすらぎを ....
「おー、よしよし。いいこだねー。
ムニムニとしておってからに。」
「ぷきゅーう。ぷきゅぷきゅーう♪」
パタパタ…。
もたもた。
ばったばった。
ドッタバッタ。 ....
また明日会えるひとへ
あなたに 手を振る
こころに灯る確信は
また明日も会える
なのに
さよなら、が言えない
じゃあね
またね、
そんな言葉で
ぽん と背中を押して
さらさ ....
サンディの煙草は誰にも止められない
と、誰もが思っていることを
サンディはなんとなく知っている
黒く長い髪
茶色のひとみ
その他の身体的特徴
にもかかわらず
サンディといえば
....
白くふちどられた白の中で
僕は病身だった
看護婦の中の
とびきりのセクシーは
ボタン一つで僕のベッドにやって来る
赤い口紅
赤いマニキュア
....
ゆうらんせん に
ぼろぼろ つめあわされた
ちの かたまった
けあな が すっているのは
どすぐろい よだれ
くんしょう に にぎわう
きれいな まちに
ぺたり ぺた ....
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