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ふたつの果実
なんで生まれてきたんだろう
なんで生きているんだろう
くりかえし熟して
大きな赤ん坊に育ってしまった
耳の魔女がささやく
真実はひとつ
おっぱいはふたつ


膨らんで ....
小さな窓から
小さな部屋の小さな空へ
移りかわる日々
晴れた日は手さぐりの虚ろ
雨の日はとおい耳
風の日は過ぎていく水
暗い夜はあてどなく
ただ凍えている


小さな窓から
12 ....
ヨーイ ドン
校長先生のピストルで
みんな死んでしまった

スタートしたのはぼくだけ
急にグラウンドが広くなったみたい
走っても走っても
ゴールのテープが見えない
しかたがないので
 ....
あさおきて、かおをあらって、ごはんをたべて、それからがっこうへいきました……
そこでもう、ただ鉛筆を舐めている。その先へは進めない。
楽しかったことや、辛かったことも書いたらいい、と先生。
やす ....
けさ
鶯の声をきいた
まだ うまく鳴けない
チョッピリ ハル
と聞こえた


口笛で春を 呼んでみる
チョッピリ ぼくもぎこちない
花の耳をかたく閉ざして
美しく凍えるひとよ
ホ ....
なみだは
にんげんのつくることのできる
一ばん小さな海です

青森県で生まれた詩人の
寺山修司が書いた一ばん短い抒情詩

・・・

瓦礫の道に立ちつくす
ひとびとの涙が止まらな ....
ぼく生まれたい
ぼくの中から
ぼく生まれたい


ぼくの中のぼく
まだ名づけられてない
たずねても
だれもいない
なにも知らない
風のような風と
水のような水
まだ名づけられて ....
きょう
夕やけを見ていたら 空が
あかい舌をだした


飛行機にのって
船にのって
汽車にのって
ここまで来たんだよ と彼女はいった


空と海と陸地と
そんなにいろんな乗り物 ....
ぼくは 生きています
なんとなく 生きています
いいえ ほんとは
生きたいと思って 生きています


ぼくはときどき 詩を書いています
詩のようなもの と言ったほうがいいかもしれません
 ....
山の裾を ていねいに
両手でならしていた おばあさんの
あれからまた
小さな山が ひとつふえた


新しい山は ひとの形をしている
足のしたで 山は
お腹のように やわらかかった

 ....
おじいちゃん
ゆうべもあかんことしはったんやてね
ビニール管抜いたら帰ってこれへんようになんのに
看護師さん かんかん
わたし とぼとぼ
  キリン…とおじいちゃん
はいはい、わかりました ....
ほとんど水平に近い角度で
やっとその星をとらえたことがありました
あと三日で見えなくなるという百武彗星
あれはアトランタオリンピックの年でした
宇宙にいくつも弧を描きながら
あなたの天体望遠 ....
そこに
風の道はなかったけれど
風を運ぶものはあった
見えない軌跡を引きながら
きみの空中ブランコが接近してくる
渦まく風のすべり台では
空のクリオネたちが目をまわしていた
宙を満たして ....
からまつの暗い林を
どこまでも歩いたような気がする
きゅうに空が明るくなって
その先に白い家があった
それは夏の終わりだったと思う
空へ伸ばしたきみの腕が
ブラウスの袖から露わになって
 ....
星が降る
そんな時代がありました

文字が光って
うれしいメールが届きました
たぶん遠い星からです

あなたの住む
青くてきれいな星をいつも眺めています
いちどお会いしたいものです
 ....
小鳥が死んだ
小さな穴を掘って
小さな葬いをした

掌にのこる
かなしみの小さな翼を
空に放つ

夢の中で
小鳥は翼を失うだろうか
ひとは翼がないから
夢の中で
空を飛ぶ

 ....
階段の上に子供がいる
それはぼくだ
ぼくは階段をのぼる
すると
子供はもういない

階段の下に子供はいる
それもぼくだ
ぼくは階段をおりる
するとまた
子供はいない

かつて誰 ....
いつ見ても
仰向けにひとが寝そべっている
その山のかたちを
いくども夢でなぞった

あれからずっと
山はおだやかに眠っている
なにも変わらなかった

夏のあいだ飼っていたコオロギを
 ....
きれいな花は
きみのために咲く

胸のボタンをはずして
きみの乳房に愛をささやく
ぼくは天国へゆき
きみも天国へゆく

*

ボタンを押すと
きれいな花が咲く

砂漠の少 ....
小さな指のさきで
木の実をひろいながら
ドングリ
という言葉を
娘は覚えた

昼間のつづき
眠りの窓をしめて
散乱する
ドングリと戯れていた
ことばと戯れていた

ひとつふたつ ....
父のポケットに
ときどき手を入れてみたくなる
そんな子どもだった

なにもないのに
なにかを探してしまう
いくら背伸びしても届かない
指の先がやっと届きそうになって
そこには父はいなか ....
ながい腕を
まっすぐに伸ばして
陽ざしをさえぎり
さらにずんずん伸ばして
父は雲のはしっこをつまんでみせた


お父さん
いちどきりでした
あなたの背中で
パンの匂いがする軟らかい ....
ひとりひとりの
誰かに似ている石の仏たち
きのうまで近くにいた
でも今日はいない

だれも知らない
過ぎ去った日の遥けさを
石の視界は
どこまで届いていくのだろう

十六人の不動の ....
風の音がした
ふり向くと誰もいない
十八歳のぼくが
この街をつっと出ていく

いつも素通りしていた
その古い家から
いつか誰かの
なつかしい声が聞こえた

敷石を踏む下駄の
細い ....
夕方の六時に
ミュージックサイレンが鳴る
さみしく愛らしく
いぬのおまわりさん

七つの子のカラスではなく
赤とんぼでもない
ゆうやけこやけでもなく
家路でもなかった

だからとき ....
今日もいちにち
風の中を歩いてきた
ひとは揺れている雑草の
つくつくぼうしだった

音は声となり
形は姿となり
匂いは香りとなり
色は光となるように

風景は風光とならなければなら ....
今夜も窓ガラスを
こつこつとノックする
かぶと虫だ

息子よ
きょうの収獲はいっぴき

絵葉書はいくども読んだよ
寝苦しい夜は流氷の夢でもみたいものだ
熊の肉と行者ニンニクをかじる
 ....
夏の終り
小さなローソクに火を点し
山深い夜の川を
ぼく等はすこしだけ明るくする

澄んだ水を飲み
あふれる流れを浴びて生きた
名もない魂が火となって
再び水に帰る

死んだ人との ....
西へと
みじかい眠りを繋ぎながら
渦潮の海をわたって
風のくにへ

海の向こうで
山はいつも寝そべっている
近づくと
つぎつぎに隠れてしまう

活火山は豊かな鋭角で
休火山はやさ ....
耳を立てて
とおくの雷鳴を聞いている
虹の匂いを嗅いでいる
夏はどこからか
ぼく等の原始人が現われる

川は流れつづけているので
終日ぼく等は瀬にさからって泳いだ
唇まで冷えきったら岸 ....
たちばなまことさんのyo-yoさんおすすめリスト(90)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ふたつ- yo-yo自由詩10*11-12-21
小さな窓から- yo-yo自由詩9*11-12-6
運動会- yo-yo自由詩15*11-10-7
作文教室- yo-yo自由詩13*11-8-3
鶯の啼きかた- yo-yo自由詩6*11-3-26
涙の海- yo-yo自由詩8*11-3-20
しずく- yo-yo自由詩2*09-11-6
やまぶどう- yo-yo自由詩10*09-10-9
ぼくは_どこへも行けない- yo-yo自由詩6*09-10-2
彼岸- yo-yo自由詩4*09-9-18
関のキリン- yo-yo自由詩4*08-12-29
星の岬- yo-yo自由詩10*08-12-22
サーカス- yo-yo自由詩11*08-12-3
UFO- yo-yo自由詩14*08-11-24
- yo-yo自由詩6*08-11-10
- yo-yo自由詩5*08-11-4
- yo-yo自由詩6*08-10-29
- yo-yo自由詩3*08-10-25
- yo-yo自由詩3*08-10-21
- yo-yo自由詩14*08-10-14
- yo-yo自由詩24*08-10-6
- yo-yo自由詩21*08-9-25
風の十六羅漢- yo-yo自由詩3*08-9-21
風のおと- yo-yo自由詩14*08-9-12
風のうた- yo-yo自由詩8*08-9-7
風の中をあるく- yo-yo自由詩5*08-9-3
かぶとむし通信- yo-yo自由詩6*08-8-31
灯ろう流し- yo-yo自由詩3*08-8-29
風のことば- yo-yo自由詩20*08-8-26
原始人の夏- yo-yo自由詩9*08-7-31

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