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ゴーヤが実る光のなかで
君と一緒にパンダをみてた
日々の出口で夜空は暮らす
青いから海になったりもする
赤々と燃える送り火を眺めながら
今年も夏の終わりが近いことを知り
一抹の寂しさが、胸を過る
盆が過ぎれば間もなく
朝の空気が変わる
早朝 太陽が昇る前
ほんの少しだけ
軽くひんやりと ....
惨めさが増す
振られて
このまま
絶対に
誘い直すことも
あいつはしないだろうね。
しじみに砂を吐かせた。
僕もそろそろ白状しないといけない。
わたしという器に
一塊のさびしさが盛られている
それは
昏い色をしているのだが
光の当たりようによっては
時に
ほのかに真珠光沢を帯びる箇所があったり
ほのかに虹色を帯びる箇所があっ ....
日曜日、忘れないように。
天使の羽より軽いエアコンの風を
貰って来たのです。
さんまんきゅうせんはっぴゃくえん。
でした。
それでも、心は、冷えません。
憎しみばか ....
みとれていたのは恋をしたから
朝のひかりで空の詩を書く
手紙のように話をしている
風にはきっと心があった
紙ひこうきで何度も出会う
買っておいた胡瓜と茄子に割り箸をさして
精霊馬をつくり
朝の玄関に置いた
、
いつからなのか
サンダルの隙間に
しろい腹をみせてころがる
蝉の死骸を拾い
リウマチの指を思い出す
....
心の湖に硝子瓶が一つ沈んでる。
もし本当にそうなら、なぜだか僕は幸せだ。
闇の重みがぐんにゃりと
魂に激しく切迫し
私の意識は朦朧として
呻きながら覚醒する
真夜中の病棟にただ独り
呻きながら覚醒する
ハッと息を呑むこの瞬間、
孤独が生きて立ち上がり
....
君の幸せは、もう、静かな心臓へ帰るといい。
夜間飛行のともしびが、
寒い砂漠の夜空に灯るといい。
君の笑顔は、もう、私の部屋から出て行けばいい。
そこで砂漠の闇のような心と ....
さやかに聞いた
竹の花が咲くゆめを
みどりと土の色の混じる
薄暗いさなか
ちいさなとかげが
わたしのひふを すべる
魂が
つまっていたという
どうして うえつけ ....
小窓にも可愛いカーテンをつけよう。
いちいち、そういう事をしよう。
寝返りひとつ
打てない身体は
僕の留守中に
壁紙の点を
あみだくじにして
沈む太陽の
歯で指を切る
時だけが知る
命のカーテンが
色を打ち消し
光を遮る
誰かを待つ日の
....
真夏という結界が解けないうちに
その中で身体の輪郭が
虹色に光っているうちに
口づけを交わすがいい
せつなく囁き交わすがいい
夢幻のようであればあるほど
あざやかに灼きつく一刻一刻
....
街灯の下で
佇んで
気づけば乾いた眩しさ
スマホを
みても
ボンヤリと
息をしてる
あっちへ行けって
開放感
が髪の毛の頑なな過去を
ほどいている
髪、乱している修羅場 ....
暑い夏の通夜にゆるんだネックタイ
どの家の戸も開け放たれ
箪笥の匂いが軒先からあふれてくる
ガラスの風鈴が涼やかに鳴り
カラスの群れが電線で毛づくろいし
包丁座が夜空に輝き
エンバ ....
風に乗り
真夏の匂いが立ち込める黄昏時
草葉に注ぐ夕日と影
蜩の声は{ルビ空=くう}を舞い琴線に伝う
目に映るもの
聞こえる声
とり巻く全てのものに心惑う夕暮れは
束の間 平和だった幼い ....
光が渦巻いていた
熱風が絶えず吹いていた
人々は絶えず歩き過ぎ
俺は串カツ屋の前で
アイスコーヒーを飲んでいた
とても苦い味がした
身体が熱く飢えていた
生きることに飢えていた
す ....
燃ゆる炎を宿したこの翼を
閉じる術を知る由もなく
それでも過ぎてゆく{ルビ時間=とき}の中で
愛しさや甘美なそれを知りたいと
束の間過ぎったその想いこそが
そもそもの過ちの始まりであった
灯りに群れる虫もいれば
闇に灯る虫もいる
子供と大人ははっきり区別され
子供の目的は大人になること
そのためにひたすら食う
大人の目的は子孫を残すこと
ひたすら交尾の相手を求める
あ ....
思い出の欠片も落ちてはいない
生まれて初めての南の島
君はそこで何を探したのだろう
たなびく細長い雲に薄くスライスされながら
溶岩のような輝きを溢れさせ沈んでいく
座間味の濃い夕陽
崖 ....
まだはやいと
手毛を抜いて
ハンドクリームを塗ると
夕星が棚引く
テフロンの夜空
そういえば
ぼくは椅子を持っていない
だれかぼくのところに来なくてはならない日が来たら
ぼくの ....
あの夏の朝に 私が見たものは何であったか
まばゆいかなしみがほとばしり
そして私は そのまばゆさのままに
一心に 泣いたのではなかったか
*
あ
あ あ
....
哀しみから哀しみへと至る
光の回廊の中で
涼しさを運んでくれた人
それは私だけの風
命の発露であったのだ
早朝 四時半
少しは剥げたサイクリングロード
いつものように まだ眠い
後ろから追い越しされて
目が覚める
でも追い越したくない
全く人気(ひとけ)もないけれど
私と同じ ようやく目 ....
一生この煙草を吸っていくのだと
決めるような出来事を
経験してこなかったからだろうか
身体のあちこちがやわらかく
まだ幼虫のようだ
目が覚める
一日に何度も目が覚める
長く眠れずに
....
置き去りにされた筆は
黴びて、いいにおいを放ち
窓の隙間から吹き込んでくる青空は
甘く舌に転がりこんでくる
永遠を誓うように
誓われた永遠はキャンパスの上で
苦しみにのたうち回り
....
その冷気に驚いて、振り返ると
君はその夜も凍っていた
孤独は冷たく瞳のはしから
ひとすじツーって流れ落ちたね
うすい赤色の唇が、吐息を漏らすのは
しあわせという嘘を舐めつくした ....
女の中には無尽蔵の怒りがある
そして無尽蔵の慈しみがある
幾代にわたって夜を継承しながら
女は毎夜眠りと同じ形で眠る
女を彩る数限りない世界
その世界の振幅を
女は怒りと慈しみでもって ....
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