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響きが立つ
色彩が立つ
輪郭が立つ
知覚が立つ
広がる意識 何処までも
壁が近い
浮き上がり
近い壁
くっきりと
像を結ぶ
私は喜びに満たされ
壁の響きを聴く
....
久々に訪れた病院の園庭は、
十数本の桜の木が
無数の赤い蕾を膨らませていた。
その生命力は、
春の大気に漲り震え
園庭という枠を獰猛に
突き破っていく不穏さを含んでいた。
膨ら ....
騒乱騒乱、
光の洪水だ
爆発的な消尽、
圧倒的な光の洪水だ
浴びる、浴びる、浴びる
(白い巨鳥が空を行く)
ひたすらに進み
ひたすらに跪き
今、生きる
この渦巻く真昼の界
....
一雨毎に深まりゆく
この春日に佇んで
私は浅く息を継ぐ
虚脱の朝に不安な昼に
剥ぎ取られてしまった色を探し
記憶の奥の入学式
通り過ぎてく畑の野草
お母様と手を繋ぎ
降っていた降っ ....
静けさ 揺れる
春の雨、
光の空から
降り注ぎ
宇宙を回遊する言ノ葉たち
凝集しては時を刻み
思考の流れをこの界へ
屈曲しながら艶やかに
在る物、在る物、造形する
静けさ 奥 ....
薄暗い影の縁に
取り込まれて
居た、
なんだったかな
何処だったかな
宇宙の窪みに
休らって
然るべき場所に確保され
ふんわりと明るみ目覚めた
午前二時半
薄暗い影の縁に
わ ....