すべてのおすすめ
薄暗い
漠然と広がった
空間のなか
台形で
ノッペリとした
大人の背丈半分程の
鉛色の工作機械が
等間隔で何台も
一列に並べられている
大きな金属音があちこちから
互いに呼応す ....
深海に人魚の棲みかがある
海面に姿を表すのはそのなかから
女のみ
選ばれし美しい女のみ
男は深海で一生を完結する
らしいのだが
真偽の程はわからない
昔と言っても
いつの昔かは ....
1
貴方は何でも知っているような
気持ちになって明日を迎える
僕には貴方が分からないから
一生懸命、観察している
すべて心開きたいさ、そりゃ
何事も気にせずに歩いてみたいさ
Bo ....
場所は何処でも
笑顔があれば
愛の空間になる
寛げる場所は愛でいっぱい
ずっと過ごしていたくなる
辛いことがあっても
悪いことがあっても
乗り越えられる
愛の空間は居心地が ....
あゝ、わたしの枕元に
瑞々しい橙を置いたのはだれでしょう
橙の一つ分、ちょうど掌に一つ分の匂いが
わたしを空に誘います
いつかの夕陽からこぼれ落ちた
橙が
たわわになった
樹々の間を ....
冬のまんなか
人のいなくなったリビングで
紅茶が湯気を立てている
季節は
迷うことのない水
人も犬も猫もミジンコも
みんな流れて
泳いでいく
目を開けているのが
辛くなったら
....
朝日は夕日
生き物の気配のない夕日だ
でも夕日は
ちっとも朝日ではないのだ
影が長くのびるよ
ビルからひかりの後光さす
朝から立ち止まってるひと
誰も待っ ....
穿つ
一点の水滴
たえまなく
焦らず
おごらず
白い石、穿つ
ダメな
期待を
いだかせない
過去の自分自身を
穿て
刃物のような崖から見降ろす
目の前の荒海が騒 ....
大きな欅が伐採された
ものの半日かそこいらで
姿を消した
あっけないほど
たやすく
死んでしまうことは
こんなに簡単
雨を飲み
光を吸収し
息を繰り返し
いくつもの季節をその身 ....
浮き輪を
投げてあげたい無数の暗い努力の腕
アデューって挨拶を
輝く笑顔で友のためにする
好きなだけ
好きだから。
一番最初のまだ青い石榴の実は
眠るための大人の詩に
し ....
りんごを
横にスライスしていくと
星の形が現れた
こんなところに
ひっそりと
神様がいたことを
初めて知った
冬の日
湯気みたいな嬉しさを
胸であたためて
いっとき
死を忘れ ....
私という存在はたった一人
時計回りに過ぎていく日々のなかで
私が一番に愛してやまないのは基本的に私自身
そんな私のなかの
良い人と
悪い人の割合
それを計るのは
私以外のその他
そ ....
手を合わせて
いただきますと言う
感謝して
美味しくいただく
自然のままの味
いただきますは
大切な言葉
食材に感謝して
周りに感謝して
両親に感謝して
いただきま ....
《月の石》のない月は赤い
年に一度は
君を守るためにすべての言葉を破却する
歌っている
街の灯の歌
それは
捨てられないミッシングリンク
骨を骨として鳴らし続けるための
....
私は海に帰っていく
歴史という名の迷妄から
少しずつ霧晴れいく
意識の軌跡を携えて
私は海に戻っていく
潮の香満ちるあの浜に
きっときっと帰っていく
いとしいといわない
愛しさ
さみしいといわない
寂しさ
祖母と行く畦道
ふゆたんぽぽを摘みながら
手は
手とつながれる
枯れ野には
命の気配がして
墓所には
命だ ....
やりたい事と
やろうとしてる事と
実際やっている事と
本当にやれる事
が
いつも
甚だしく違う
このギャップは
希望で埋めるのか
それとも追い続けるものか
....
そこにある愛
輝きを放つ魂
ただ、感じる
ただ、感じて
本当の自分を知る
何でもどんなことでも
感じることが出来る
深く感じて
深い場所にあるものに
光を当てる
心 ....
昇る朝陽に恵まれて、小鳥の歌声もこの林道には涼しい。
路傍の人との挨拶も愉しく、足元の落ち葉ですら愛おしい。
別荘地に吹く風は清らかで、空気は澄んでいる。
どこかの家からモーツァルト ....
遠い
在るものすべて
遠い
言葉は浮遊し声さざめき
(意味と響きは解離して)
通り過ぎる人、人、人
わたしは母語を失って
記憶の像にうっとり沈み
遠い
在る ....
みかんが美味しい
コタツに入り
テレビを見て
くされ縁のあの人と
いっしょに食べる
みかんが美味しい
吹く風は
窓ガラスを叩いて
あたたかい部屋に
入ろうとしているのか
....
まゆこちゃんは
ぶらんこをゆらして
ときどき
がむをふくらませて
あしをゆらして
そらをみていた
ふうせんは
かぜにながされて
すぐにみえなくなった
そんなにたいせつなら
....
できるだけ神の御意志に添えるよう感覚を研ぎ澄まして
できるだけ私利私欲や雑念を払って
それを探っている
そして、これだと思うものを
打ち込んでい ....
悪に限りはない
善には限りがある
だからどうした
他人の命を犠牲にしても
自分の命は守らなければならない
だから何だよ
他人の痛いのは平気
一年でも二年でもぜんぜん平気
....
晴れ上がる宇宙の
戸口に立ち手を振れば
降って来る無限の青!
この新年の時を包み込み
森羅万象、在るものすべてを
その清明な静けさに迎え入れる
聖書をよく焚いてから飴玉を投げ上げてください。
反転します。
落下しない
林檎
蜜柑
それから
檸檬。
安物です、この宇宙は。
{引用=( ....
年末年始の休みは若い二人にとって
一緒にいるだけで十分だった
ただ大晦日の大掃除の時は派手な喧嘩もしたが
弾ける二人に年越し蕎麦なんて関係もなく
ましてはおせち料理なんて気にもしな ....
季節はたそがれ、満ちてゆく。
幸福と不幸の狭間に立って漏らすため息。
願い事を信じる力はあるか。
心は風に舞い、静かに溶けてゆく。
古時計のぜんまいを巻いてみるが、過去に戻る ....
青空が見えている
静かだ
青空を見ている
静かに
呑まれていく
わたし
青空が見ている
静かに
桜並木が校庭を一周していたわけではなかったのかもしれません だけど桜並木に咲く花などどうでも構いません
確かに彼の記憶は水分を失い干からびていました
全ては不確かな世界のぼんやりとした景色だったの ....
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