鶴見川を渡る

川とは
あの世とこの世の境
すべからく
夕陽の名の元に照らし出される

鶴見川を渡る

私はあなたの所に行けない
瞬き一つ分の命で
体という体が軋んでいるのに
 ....
悲しいですね

人は誰でも独りで生まれ

独り死んでゆく

後ろ姿を追いかけても届かず

想い人が亡くなっても日々は変わらない


      ☆


楽しいですね

 ....
雨降りの日に
部屋に篭もり
ひとり積み木を
積んでいく子に

 涼やかな風、
  すーっと一筋
 網戸から

まばたき
二度、三度
見開かれた眼、
積まれゆく積み木
色とりど ....
蛇が布団の上で死んでいる。いつから死んでいたのか知らない。腐ってはいないが干からび始めている。とても大きな蝿が一匹ぶんぶんと飛んでいる。開け放しの窓から風が激しくて臭いを感じることができない。反故紙が .... 地の悲しみの澱を素足で吸い上げて
嘔吐する
花びらの金魚
収めきれず
破裂するまなざしの気配

その歌が流れると
わたしの中に風が吹き草木を揺らした
ことばは糸でつないだ骨片や貝殻のよ ....
むかし戦争があったなんて
――きっと嘘だ、

円柱型のチョコレートを
小さな花紋のある包み紙を破って、
贈り物だと信じて食べた
チョコを食べると、熱くなって
自分が強くなるのを感じた
 ....
ディランの「風に吹かれて」は
黒人の女性フォークシンガーの
オデッタが歌った
「No more auction block for me」って
知ってたか?

黒人奴隷の人身売買を歌ったや ....
白髪の
髭もじゃ博士、
白い回廊渡りゆく

〉光の翼に乗り押し寄せる魂の波〈

受け容れ生きて
渡りゆくト
白い回廊輝き始め

白髪の髭もじゃ博士、

  ニヤリ純白ト輝き
 ....
あなたのことを
詠おうとおもうとき
実に色んな人が
込み入った現れ方をしますが
それらは終局
あなたへの道でしかないと
私も思うのです

あなたのことを
知っているかどうか
それは ....
体重は五キロ、性別はオス、黒い猫です。
もし見かけたらこちらまで
どうか連絡してください。名前は
「うに」お願いします

雨はふらないよ
うにお願いします
ご飯に困らないよ
うにお願い ....
鱗が汚れていく
星の夜を引きずって
感電した右腕
噛まれた跡に注いだわけは
一夜だけ咲いた青い花
未熟な声だった
猫にまで満たない
瞳に映る色が
深呼吸をするたび
境界線で揺らいで
 ....
ズンチャ ズズンチャ
 
  ズンチャ ズズンチャ




   ハナノイロハ

     ウツリニケリナ

      イタズラニ

   ワガミヨニフル

      ....
焼き尽くす炎の渦中に

 棺は持ち上がり
 立ち上がる死体

残余に拾われる白骨、
物質に打ち勝った〈私〉の証。
あなたたちは
何処にいても何してても
居場所を探す
中心は生きているけど
沿岸が死んでいる
人が暮らしている姿を
美しいって
評価して評価されて
人の中でだけ生きる
目が死んでいるん ....
独りとしての私に
充足しては震え慄き
震え慄いては充足し

 ひかりひと吹き
 ひと吹きひかり

沈黙の内にいつしか
真紅に燃えるガーベラの
花冠、ひたすら見入る

深い森の奥処 ....
 あれは 昨年の秋のこと
 サバトラ猫のアタシが居候している
 竹薮と雑木林の土手の裏にある大きな家の
 離れの建物の中庭に行くと
 
 「あ、鈴ちゃん来たわ。」
 迎えてくれる おばあさ ....
 「はじめまして。」
 こんな所で、突然
 自己紹介させてもらうアタシは
 サバトラ猫よ

 「サバトラ」というと品種のように聞こえるけど
 これは毛色の名称でね、鯖に似てるからなの
  ....
グラスを傾け
独り歌う子守歌
母が教えてくれたあの歌を
酔えば 酔うほどに想い出す
あれほど美しいものはなかった

こんなオレでもあの歌は忘れない

酔ってこそ普段は語れない物語がある ....
 頭のなかの片隅に出現した小さな黒点

 日に日に大きくなり

 蜘蛛の巣のように広がりだした

 不安と動揺が胸の中を走り回る

 解決策はわかっているのに

 言葉が出ない ....
梅が散った今はもう春だというのに
肩を抱き締めながら
五月がやってくるのを待っている

月の光に照らされた夜に
レタスが芽生えて
ぼくたちを祝福してくれるだろう

花咲く牧場のソフトク ....
ひかり
ひと吹き
するたびに、

白い小部屋の戸口

開きゆく拓きゆく
ヒビキ輝かせ
時空切り裂き
宿る悪魔,,、
吐き出し

魔と魔のまん真ん中、

大きな巨きな律動の渦 ....
三月に降る小雪をつかまえようと
手のひらを天にむかって
差し出せば
どの子もふわり、
風にひるがえりながら
上手にわたしをよけて
アスファルトへと着地するから
こんにちはも
さようなら ....
口を開こうとしてやめ
口を開こうとしてやめ
そのうち億劫になってごろ寝をする

現実が早すぎる
明日も生きるはずだった人たちの時間が断ち切られ
まともな水も食料もない

そんな日々が続 ....
 瀬田川に架かる鉄橋に軋む音
 光の帯は今を、過ぎた
 
 引っ越し祝いで友人宅を訪問した帰り
 瀬田唐橋の欄干から眺める
 そこに 拡がるものは

 時の流れすら呑み込んでしまいそうな ....
昼に、近くのイオン・モールで
いつも使っているボールペンを買おうと思って
売り場に行ったら、1本もなかった。
MITSUBISHI UM-151 黒のゲルインク
ぼくの大好きなボールペ ....
ハイビスカスの花開き
水の面掠め飛ぶ原色の鳥、
燃える太陽の無限に向かい立ち
天空の濃密な青、人を貫き染め抜く。



私の内にすべては込められ
私は、
次々と浮き上がる
意識の光 ....
足元をよく観てごらん
幸せは足元に
人知れずいっぱい咲いているから

見上げてごらん
希望は星空のように
空いっぱいに輝いているから

心を澄ましてごらん
愛はあなたたちの心の中に
 ....
(だれが呼んでも
(きこえないよ
(きみが、いちばん!
羽根のない子どもは月に擬態する
集団下校の輪の中に居たはずなのに
だれも名まえを思い出せない
古い友だちの口笛は
(風が散ったから ....
ともに歩いている砂浜、
こちらをむいて、
つよい波風にすこしウェーブがかかる、
花のように、首を、傾ぐ、
ながい黒髪の、まるでオニキスのようにまるい、
とてもおおきな瞳、
しろいレース柄の ....
ふたりで拾った
透明で硬く紅い卵

ぼくが生き物係になって
手のひらで暖め孵化を待っている

何が生まれるのかわからない
虫眼鏡で眼を凝らしてみると
真ん中がトクトクと脈動している
 ....
Giovanniさんのおすすめリスト(472)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鶴見川- 303.com自由詩424-5-30
五行歌_二首_- レタス自由詩7*24-5-28
雨降る街の子のうた- ひだかた ...自由詩5*24-5-28
- 佐々宝砂自由詩11*24-5-27
あの虫がいるのは窓ガラスの内側か外側か- ただのみ ...自由詩6*24-5-26
恵みのチョコレート- atsuchan69自由詩10*24-5-25
風に晒され秘話- 板谷みき ...自由詩3*24-5-2
ヒカリのタマシイ- ひだかた ...自由詩324-5-1
分岐路- 303.com自由詩424-5-1
うにお願いします- 巣本趣味自由詩1024-5-1
ちゅ、親和性。- トビラ自由詩4*24-4-30
Komachi- レタス自由詩10*24-4-29
五行歌、白骨と私- ひだかた ...自由詩424-4-29
ニュース- 日々野い ...自由詩224-3-3
見入る(改訂)- ひだかた ...自由詩6*24-3-3
鏡像_(3)「秋海棠」- リリー自由詩7*24-3-3
鏡像(2)「藪の小道」- リリー自由詩6*24-3-3
琥珀の秘密- レタス自由詩5+*24-3-3
気がかりな事- 佐白光自由詩3*24-3-3
五月- レタス自由詩5*24-3-2
開示- ひだかた ...自由詩624-3-2
人は何処へいくのだろう、命ひとつ抱えて- そらの珊 ...自由詩15*24-3-2
ルート- 凍湖(と ...自由詩9*24-3-2
鏡像(1)「橋」- リリー自由詩11+*24-3-2
Ticket_To_Ride。- 田中宏輔自由詩15*24-3-2
詩想10(改訂)- ひだかた ...自由詩723-12-29
愛する孫たちへ- ホカチャ ...自由詩3*23-12-29
古い光- ちぇりこ ...自由詩14*23-12-29
にじゅうごびょう- 本田憲嵩自由詩1123-12-28
珠玉- レタス自由詩10*23-12-28

Home 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16