冷え込んだ街の空気がしつけ糸になる
瞬く間に指先から地球の温度に馴染んでいって
フェルトのように絡み合う

人間も冬眠できればいいのにね

美味しいものをたくさん食べて
寝床に綿を敷き詰 ....
ゆーらりと
死のただ中で生きている
明滅するたましい
骸骨が怯えている

カタカタと音を立て
ボルトが緩まり 腐食する身体
錆びついた心に映る闇と光

絶望か諦めか 
すべてを受け ....
意識はふくらみ 肉体から浮き上る
こどもの手に握られた風船みたいに
実体のない 軽すぎるガスで ぱんぱんになった
自我――今にも破裂しそう(でなかなか破裂しない)
が 明後日の風に弄られる
 ....
雨が降っていて
部屋が暗いので
昼ひなか電灯をつけ
本を読んでいた

一冊読み終えた頃
午後の日が
レースのカーテン越しに明るく射してきて

半透明のゼリーの中から
外を見ているよ ....
ひとつには多く
ふたつにはさみしい
径の亀裂に貼られた紙が
雨水に圧され 破れかけたまま
むらさきにむらさきに空を喰む













 ....
食パンを食べてる時

最後に流し込むコーヒーが
妙に旨い

しばらくして

遠い昔の
朝の味だなって気づいた

冷え切った夜の部屋で
飛んでいったコンビニ袋が
最近見なくなった野良猫に見えました
木枯らしが渦を巻いて

去っていく名前のない怪物は
耳の端を赤く染めている

そのうち冷めるからといって
一瞬のぬくもりを抱 ....
詩を紡ぐということは
裸にならなくてはいけない
恥ずかしがっていては
心の襞は描けない

素っ裸にはなれない
野暮な言葉を並べたくはない

ええかっこしいが邪魔をする
綺麗な言葉を並 ....
年に二度バラを買う
六月と十月 ほんの数本ずつ
ずっと深紅のバラだったが
ここ何度かピンクだったような気がする

バラほど美しい花はない
見つめているとそう思う
自分のためには決して選ば ....
ホームできれいな音楽を聴く
レモン色の飲料を飲む
すぐに身体の一部となる

目的地が分かって
最後の挑戦だと手を伸ばす
誰も知らない朝と少年

バスに長時間乗り
黒いシャツを着た人々 ....
デパートの屋上で子供の頃の願望が簡単に拾えてしまう
少し汚れたパンダにまたがって、ためらいなくコインを入れた
童心に帰るほど、帰らなきゃいけない距離ができたこと

まだ寒い春の昼間に
花粉症 ....
黄色い海があってもいいでしょう
膠を火にかける、独特の匂い、かき混ぜながら換気扇を回し
くつくつと沸く鍋底を見つめる
足りない色を数えて
描けない絵のことを考えていても仕方がないね

のめ ....
西塔さんのおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬の裁縫- 青の群れ自由詩1217-11-9
ゆーらりと- 星丘涙自由詩7*17-11-8
極めて人間的- ただのみ ...自由詩15*17-11-8
びいだまごし- Lucy自由詩11*17-11-8
ノート(54Y.11・5)- 木立 悟自由詩317-11-5
オーパーツ- ガト自由詩6*17-11-4
受容と共有- 青の群れ自由詩1017-11-2
裸になれない- 星丘涙自由詩11*17-11-2
十月の薔薇- ただのみ ...自由詩10*17-11-1
白夜- ふるる自由詩6*17-9-4
not_sepia- 青の群れ自由詩1317-2-26
藍に似た色- 青の群れ自由詩917-1-25

Home