わたしたちはうつくしい城にいた
記憶の赤い海の上にあり
そびえるさまは誇らしく
ひとつの羅針盤として分かちあっていた
それは夢だった
海底に白く折り重なった無数のひとびとのみる
夢であ ....
鳥よ、あなたは自由なのか
風を大気をコントロールする羽よ、
自分が自分でいられなくなるくらい
鳥よ、あなたは自由なのか
こころとからだを
あたまでかんがえる
こ ....
寂しさが死に直結した春の日にシュレディンガーは去ってしまった
幸福な未来のことで何度でも裏切られたり期待をしたり
まだ僕は春の終わりにいますので誰かに会える気がしないのです
こ ....
波の音が誰かの悪口に聞こえるなら
わたしはもうダメだろうね
そのむこうにあるうねりを聞かなければ
わたしはもうダメだろうね
河口の土手でススキが揺れているのを見ると ....
爪先で掻き分ける、
さりり、
砂の感触だけが
現実味を帯びる
ひと足ごとに指を刺す貝の欠片は
痛みとは違う顔をして
薄灰色に溶けている
こころの真ん中が
きりきりと痛んで
....
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