恥じらいをレモンに例えよう
その丸み、その香り
べろの根が押し上げられるような
ちょっとした痛み

足がわなわなとする
勢いにまかせ
こんなところまで走り着いた

さっきのあなたが西 ....
若芽をもいだ。青々しい痛みがまぶたを腫らす。

タールのようにぬめりとしたこの影も
洗いながすだろか。初夏のはらわたを破れば
透明な血があふれて、みな しらずしらず濡れてしまう。

罪と罪 ....
愛したのは
哀しい目でした

わたしより弱いひとしか愛せませんでした

あなたはいつも俯瞰していました
わたしのことも俯瞰していました

わたしの浅ましさ
こころの醜さ

あなたはいつも俯瞰していまし ....
シチリア陶器のにおいが
肺にひやりと触れて
食卓に佇むかすみ草は
ほろほろと崩れだす

心を涼しげにもち
からりと笑え。

重たい熱風に転ばされた
ちいさな天使
痛くとも泣くな。
 ....
(星が過多に絡まる布を
ずっ、と引き摺って歩く)

祭りに群がる
こどもらの声

茹だり茹だる旋律の
真中で がぼがぼ溺れている

(乳の道をたどり
誰かが母に辿り着く)

私 ....
パリィン。

斬りつけるような輝き

立体に組みたてることを
途中で飽きられ
かたちにならなかった僕らの
最後の復讐

(また皿が割れた。
お母さん、お母さん。
僕 お母さんを愛 ....
ましろい花瓶に
水を汲む

生けるものに迷って
水を打ちあけた


羽衣のようなカーテンが
風にゆられている

こがねの光さす庭で
背の低い花がわらっていた
天使の影をみたくて
窓べりに腰かけて朝をまつ

鳥の囀りと 衣擦れが
うるさくて天使は来られない

震えるからだをかためても
鳥は鳴く

こらえきれず風も漏れはじめた



 ....
ふらりと月が立ち昇る

しっとり濡れたベンチに
横たわり
息をひそめる

今 遠くで
かたちを成しはじめた月
もっと高くへ昇れよ

つめたい窪みに
春の海を注ぐように
骨の隙間 ....
果物屋は空調がきいている
バナナの薫り
痛んだ苺のにおい

小さな路面電車
通りすぎる車窓のひとつに
あなたの暗い顔

今、どう暮らしているの
スーツを着ていたわ
仕事かしら
 ....
xx陽向さんのおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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かろい夏をわらう- 印あかり自由詩5*16-4-29
カンパネルラ。- 印あかり自由詩5*16-4-24
いっとうの流れ星- 印あかり自由詩3*16-4-22
白んだ部屋のなかで- 印あかり自由詩4*16-4-21
神聖- 印あかり自由詩8*16-4-21
煙草と月- 印あかり自由詩9*16-4-21
青い商店街- 印あかり自由詩7+*16-4-10

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