拝啓と書く
敬具で〆る

小学生のとき
電話とメールというメディアの違いを考えよ、という課題があった
今はもう、そのどれもがふるい
既読がつき、いいねがあり
三分の空隙にすら意味がうまれ ....
{引用=換気}
現実は醒めない夢
一生いぶかしみ
出口を模索する
後ろで窓が開く
気配だけが淡く恋





{引用=かくれんぼ}
風もないのにブランコが揺れた
瞳の奥の赤錆 ....
先ず、花鳥風月から
離れなさい
そんなもん
今の日本では紛いもんの
張りぼてです
張りぼてで癒された気になっているのは
単なる逃避です
逃げるのを止めなさい

クソみたいな
自分を ....
とてもながいあいだ、からだの内側のそれを、ただぼおうと眺めている、所有
してしまって、むしろ怖い、あるいはとっくに、ぬるいのに、まだ熱い、ふあ
ん よろこび きたい ふあん よろこび きたい・・・ ....
{引用=うたごえ・一}
空気の花びらが散って
時折ほこりが舞うように
手をふって消える光の棘



{引用=うたごえ・二}
その肉体は一本の弦だ
わななきながらさまよって
わたしの ....
{引用=夕涼み}
薄暗がりがそっと首を絞め
あなたは鬼灯を見た
決して強くはない抱擁で
皮膚一枚を越えられず
互いの頬に帰依するように
自分の愛と思える部位を自分で弄って
記憶に補正され ....
水の声を聴くがいい
水面のゆらめきに影をとられ
なお掴みがたきひとよ
あなたもまた歴史の谷を
流れる水の影なのだ
水は石理を濡らし
戦禍をまたぎ
あなたの口を潤した
だがこの水 ....
時の流れに飲み込まれていく生命の波動をこぼすまいともがき、足掻き、意味の判らぬ声を発する、その刹那、常識と限界を飛び越えた者だけが新しい詩を得るだろう、漆黒の闇の中でも、微かな火種さえあれば光は生 ....

いつか風のあきらめが訪れた
としても僕らが滅びたあとで

なにも伝わらないから頬をつたうのだ

アーガイル柄の床の軋み
 骨格があちらからこちら
  誰だってそうなんだろう
 ....
無口な口を縫いつけましょう
言葉は如何にも無粋ですから

帽子をかぶせた
 宇宙がかくれた
  はばたきながら
   地球は夕暮れた

だから、ね……

   蚊がうるさいよ
  ....
○月✕日
今日も駅の伝言板には何もない

無人駅の清掃員である私は、日々をつつましく地味なものとして過ごしていた

今日も今日とて、粛々と退勤時間を迎えようとしていたのだが、そんな私のもとへ ....
特に際立つことはなく
成績だって中の中
だけど何かになりたくて
選んだ
自称詩人なの

書いてみました
自称詩を
載せてみました
詩のサイト
イイねたくさん付いたので
やって行け ....
{引用=微風}
うすくなった髪をそっと撫で
朝の風は水色の羽ばたき
幼い接吻
この目が見えなくなっても
耳の底が抜け
全ての言葉が虚しく素通りし
鳥の声すら忘れてしまっても
変わらずに ....
{引用=少女アデリーの失くした人形のために}
暑い日にはアスファルトに足をとられてしまう
あえぐ憐れなペンギン
目標を喪失した花鋏
放置されたまま錆びて行く殺意
間の抜けた 横顔の
驚きで ....
二〇一六年七月一日 「ヴィーナスの腕」


コンクリート・鉄筋・ボルト・ナットなどなど
構造物の物質的な素材と
温度や重力や圧力や時間といった物理的な条件や
組み立てる技術や出来上がりの見 ....
バイオリンが弾いてみたかった

しらねぇよバカやろー、と犬に言われ
そりゃそうだわ、と泣いているからね
もう駄目なんだろうと始発とすれ違う

なんでもありませんよ、と千回繰り返してる
二 ....
{引用=どうしようもないこと}
絶望を綴ることに何の意味があろう
だが綴ることで絶望は虚構に変わり
また綴ることで希望すら捏造し得るのだ
詩は演劇性を持つ  
演劇は祭儀であり呪術である
 ....
越冬のことはなにもいえない
あれから僕の身体には青空が広がっていて
雲もない
なにもない

誰にもなにも
いいたくなくなってから
人の言葉が
まるで湖のようにきこえる
僕は両手を
 ....
猫のように見上げる
空のまだらを
鳥に擬態した
ひとつの叫びが
紙のように顔もなく
虚空をかきむしる

骨の海から引き揚げた
もつれた糸のかたまりを
自分の鼓膜にしか響かない声を持つ ....
揚げ過ぎたコロッケ食っとるんや

キャベツなんて高過ぎて買えんしな
なぁ、野菜くれんか、屑でええから
えッ、無理なんやろ、わかっとんや 

そんなもんやから
あのキャベツ畑に
行ったん ....
水面をうねり進むのは
中州と呼ばれているものだ
息継ぎもなく川を這う

その背で
菜花の黄が
もえている

微かにひかる

ガラス片
あれは
人の手から
逃れて
中州の鱗に ....
(Q.きりんはくびがだいたいどれくらい
のびるんですか?)

私は街の雑踏のなかのきりんを見たことがある
長い首で歩いているだけで、窓を覗いていると言われ
足下がおろそかになり、ひとにぶつ ....
慄け優しい昼の日差しに
女の帽子の湾曲の叫びを
手を差し延べるのは誰だ

静かに発酵していく発泡と発疹
すべては突き刺さったアイスピック
それはそうだとしてなんでもない

バスが曲がっ ....
よくわからない人たちばかりだ。
この掲示板が汚い言葉で穢れるのがいやだから、
「物置」の侮辱的な誹謗中傷を無視して黙っていた。
そのときには
花形新次さん以外だれも「物置」のデマ、侮辱、誹謗中 ....
二〇一五年十一月一日 「海に戻る。」


 ぼくはまだ体験したことがないのだけれど、おそろしい体験だと思うことがある。自分がどの時間にも存在せず、どの場所にも存在せず、どの出来事とも関わりがない ....
耳から咲いたうつくしい花の声たち
眠っているときだけ、咲く花がある
あなたはそれを観る事はないだろう

生きた証し、誰かの
言葉に耳を傾けた証し
母さんの声は咲いているか
愛しいあの娘の ....
 昏い暗いブルーライトを喰らう蛾侭の鱗粉は
  夢想が作り出した名ばかりの怪物
   ただのネオンサインに遮ぎられた殺虫灯の明かりに
いつかきっと鳥籠に召されたし
 窮屈な空白は塵と誇りばかり ....
水辺春信早梅開
寒裏空中飛鳥廻
傾酒傾杯与君酔
連山風景悉良材
 
 不運なほどになにものにもなれないで
 御幸通を歩き、やがて小野浜公園にやって来る、
 老人たちにまじって、
 おれも炊きだしに並ぶ
 それだけの救い

 人身事故みたいな事実の積み ....
淡く、陽を透かし
青々とした木々の葉は
いつしか紅く、
緋のいろに染まり
やがて枯れ、
樹幹のヒューと鳴る大風の夜に
たちまち飛ばされて
そのさまは見るとも寂しく、
誰もがこの世界の無 ....
田中修子さんのおすすめリスト(910)
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