くらやみは、
探さなければならないくらいの
あかるい雪夜でした。

小道をあるくと、
足あとがうっすらと残り
窓あかりの向こうには
しあわせな笑い声が聴こえるようでした。
 ....
わたしは病院に行く用事をひとつ飛ばして、ろくでもない約束のために着飾っている。意味のないこと、何にもならないこと、だけどそうするよりほかないこと。駅のパン屋は混んでいる。ここには気持ちよく声をだす .... つい、さきほどまで
天国と地獄が
綱引きしてましたのよ。
でも
結局のところ
天国側の負けでしたわ。
だって
あの力自慢のサムソンさまが
アダムさまや、アベルさま、 ....
瀉血に対する憧れは
その響きと
書くには難しそうな漢字と
血の生臭い鮮やかさが
感じられるからであろうか

一昔前の浪漫さえも感じられ
心のもっと奥の方から
じわじわと地味に沸き立つよ ....

閉店三十分前のスーパーマーケットの駐車場に
クルマとめて待っていたら

店舗前に並んだ数台の自販機の釣り銭受けの中を
1台1台手を入れて行く
怪しげな男があらわれて
疾風の如くきえた ....
妹よ 夕暮れの卓袱台にまごころがなくなり説得しか残らないのは淋しい
りかいしないままりようしようとしないでおくれ


日がな
海水浴に
明け暮れる
まだ胸のない妹よ

淡水学派と海水 ....
たくさんの目ざましい詩があり、たくさんの素晴らしい詩人もいて、たくさんドンドン凄いものが次から次へと…。

ぼくは、本当言うとすこしヤダなぁと思います。何故なら、自分がみっともなくみえるからです。 ....
薄暗い
漠然と広がった
空間のなか
台形の
ノッペリとした
大人の背丈半分程の
鉛色の工作機械が
等間隔で何台も
一列に並べられている

大きな金属音があちこちから
互いに呼応す ....
積み上げたものがパーになっても大丈夫。
いつかチョキで勝って、すべて取り戻せるよ。
通り過ぎていく物売りの声が
私を非難したのかと
過敏になる窓の隙間から
秋風がするりと
いかにもなれた振る舞いでカーテンを揺らし入り込む

今直面している重大な問題を
言い当てられた気 ....
もし、世界と、それ以外があるとしたら、
わたしはそれ以外で、他には何もない。
鉄塔、「カテゴライズされた」、伝統模様、プリンの空き瓶。
塩は肌からく、あついよ。
皮膚やからだが、自分のもの ....
当事
彼は三十代の半ばで独身だった。アパートで単独生活をしていて、恋人も同性の友達もいなかった。
職場まではバスで通勤していて、毎日が単調な日々の繰返しだった。
実家にほとんど帰る事がないのは、 ....
命、光輝く
命を生け贄として
幸せ、花開く
不幸せを養いとして

どんなに喜びの深い海にも
一粒の涙が
溶けていないということはない










*谷川俊太 ....
詩を書く
声にして言葉にせず
文字にたくす
叫ぶように
囁くように
人の見るものを見ず
見えないものを溺愛した
僕のなれの果てを
誰かに吐露するために

詩を書く
念じるように
 ....
太陽があまりに悲しい
あの永遠の寂寥のうちに
蒸発の悲鳴さえ許されないとは

風が、吹いている
あらゆるものの上にある空から
火と岩と水の星へと

そして冷たく聳えている街は
き ....
過去はまやかしで現在は一瞬、未来は与太話で人生は蝶が見る夢、塵芥掻き回しながら汗みどろの俺はなにもかも知りながら徒労を繰り返す、滑稽だって?では教えろ、懸命さとはどのみち、そうしたことでしか先へ進 .... 蜘蛛のように
歌うように
少ない匂いを手に取りながら
分けるゆくえを
春に放つ

色を触ったら
どこを見渡しても花火はないのに
花火になった
よく見たら花火ではなかった
だがそれを ....
 自称メディアアーティストの水谷毅は、観客の骨をリアルタイムで映写する作品を発表した。レントゲンを使っているわけではない。骨の像はカメラの入力を基に合成される。観客の動きと骨の動きにタイムラグはほとん .... この深夜、
独り在ることに寛いで
宇宙の時流に乗っていく
すっと孤独に留まりながら
この隙間だらけのあばら家に
雷鳴が轟くのを待っている

境界の門が開く、その時を
ほんとはね、考古学なんてどうでもよかったの
常識って、あるでしょ?
どこの世界に
日がな一日土掘って
見つかるかどうかもわからない土片を探すのが
大好きって女がいるのよ?
ほかに世界に ....
死なない詩を書きたい
だが同時にそれは雨風にさらされる
道標の立て札と同じだ
徒花だろう
かつて戯曲の事をそう言ったのは
鴻上さんだっけ
寺山さんだ ....
僕は、シンプルになりたかった。ひらがなになりたかった。
ひらがなになれたら、悩むことはないだろう。苦しむこともないだろう。
悩みはなやみに、苦しみはくるしみになって、隣の文字たちと混ざり合って ....
土星がこんなに走れるとは知らなかった。いくらボールを入れても得点にならないので火星はいらだちはじめた。水星に至ってはペットボトルに作り置きしたウィスキーの水割りを枕元に置いて眠り出した。金星は泥にまみ .... いよいよ何かにならぬときが来て

期待していたような、羽も{ルビ角=つの}も爪も牙も生えなかった

自ら首を括った同い年の匂いが残る面接会場で
信楽狸とおじぎ福助と招き猫に
頭の先からつま ....
書きたいときに、いつでも気軽に手軽に詩やエッセイや書評、短編小説などが書けてしまうのが、このスマートフォンないしアイホンだろう。私も仕事のかたわら、ほんの少しでも(ほとんど昼間だが)時間を見つ .... {引用=*名を呼ぶ}
名を呼ぶ
ここにいないあなたの
井戸へ放った小石のように
真中深く 微かに響き
瞑っても
抱き寄せることはできず 
こみ上げる揺らめきの 
糖衣はすぐに消えて
 ....
もしも思うがままに詩を書けたなら
僕は今より格好良くなれるだろう
もしも思うがままに詩を書けたなら
今よりもっとポイントもらえるだろう
もしも思うがままに詩を書けたなら
ひょっとしたら詩 ....
理由なんかゼロかも知れない

ひとつでもみっつでもなく

理由なんかゼロかも知れない

ない、ということがゼロだとしたら

ゼロかも知れない、とは二重のゼロだ


ないのない、は ....
古いマンションの空き部屋のような一室におれの生首がびっしりと並べられていた、そいつらはみんな生きていて床の上で首の付け根で座り、血走った目を見開いてなにごとかを叫んでいた、おれははじめそいつらがな ....   ――水脈を捉え ひとつの
薬湯のように甘く
 饐えて 人臭い
       廃物の精液  
            輸入された
どれだけ銭を洗っても
どれだけ子を流しても
      ....
幽霊さんのおすすめリスト(42)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雪夜- 秋葉竹自由詩424-9-28
メモ- はるな散文(批評 ...424-9-18
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妹よ- 末下りょ ...自由詩7*21-7-26
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チョキ- クーヘン自由詩11*19-10-4
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プラスチック依存症、カスタード・レーズンサンド、三輪車そして ...- はるな自由詩119-8-28
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命、輝いて*- ひだかた ...自由詩9+*19-8-26
詩綴- 両性具有自由詩219-7-20
零度の透明- 新染因循自由詩819-7-20
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何も分からないがある- moote自由詩419-7-9
骨を写すカメラ- ああああ自由詩119-3-19
すっと孤独に留まりながら- ひだかた ...自由詩1219-2-16
考古学が好きなんです。(よーく、かんがえてよね?わかるでしょ ...- 立見春香自由詩819-2-12
Hallelujah- TAT自由詩318-2-16
平仮名- 水宮うみ自由詩10*17-9-1
恋のABC- ああああ自由詩517-8-31
二十二歳- 蓮上平晃自由詩317-8-18
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おかし詰め合わせ- ただのみ ...自由詩18*17-7-29
思うがままに詩を書けたなら- 水宮うみ自由詩1*17-7-25
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そしてそれはどちらであればよかったのだろう(オリジナル・スー ...- ホロウ・ ...自由詩2*17-7-4
世代論- ただのみ ...自由詩16*17-6-21

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