かなしいがいっぱいになって
泣きだした
よくとおる声で
しゃくりあげ
虐たいではなく
とおり魔でもない
がんぜない
わがまま
しわのない顔をせいいっぱいゆがめ
大つぶの涙おしげもなく ....
打ち出の小槌から米しか出ない ひとりぼっちの部屋の向こう
空は高くて雲がない
見上げる天井(うえ)は蒼く透け
耳鳴り満ちる静謐や

投げ出された蔓薔薇の髪
薄く重い空気が肺を撫で
水揚げされた金魚の気持ちを思う

 ....
花の中反発しあう磁石かな 初桜自転車をこぐミスポリス 私は黒いものが好き。
私は暗いものが好き。
黒さには深い果てしなさがある。
黒い果てを降りていくと。
暗く真っ赤な川がある。
川には熱がある。
この熱からたくさんの物語が生まれる。
私も ....
きみはぼくの知らないところで、ぼくの知らない人と知らないことをしているってことを、ぼくはきみから教えてもらった。スイッチはぼくが切ったはずなのに、きみは自由にオンオフできるようになったんだね。いつ .... 鳥は、
空を空と名づけない。
鳥たちにとって空こそが、
果てしない大地だから。
鳥たちは、
彼らは翔ぶことを意識しない。
彼らは空を駆けている。
全速力で、遠く、遠く。

魚は、
 ....
石ころが、道の真ん中に落ちている。
いや、石ころは道の真ん中に立っているのだ。
彼には目も耳もなかった。
ただ、感覚だけが、
虫の触角のように鋭かった。
彼は大地の熱と風の愛撫を糧に生きてい ....
見上げて月のない星に生まれる         160419

お地蔵様に
お線香を立てる
火が付かない百円ライター
今では何というの
使い捨てライターー
君とおんなじだねと
お地蔵様が
典型的な顔をして笑う
だ ....
ボディブローのように
じわじわ効いてくるのは
僕の中にも君が居るから

君の中にも居るらしい僕の片鱗を
君がこよなく憎むように

その嘲りは抗い難い誘惑

拒むにしても
逃げるにし ....
見えなかったものが見える
ふくらんで
ふくらんでほどけ
ふわり ひらく
ゐろかおりかたちあまく
風に光にとけて
そらを渡るもの
ほそい弦で触れながら
匂やかな{ルビ詩=うた}の足跡をた ....
寝息が
夜のカーテンを揺らす
いつくしみという
どこかに潜む母性が呼吸をはじめる
白い肌のわが子の
すーっと通る鼻すじに口づける
溶ける音がした気がした
抱きしめるものがある ....
風帯びてローファー鳴らすハイティーン戻れないわたし片道切符 シルヴィーがよみがえる
花々が一斉に掻き毟られる
足ひとつの孤島が 点々と

シルヴィーが落ちて来る
貪婪なクジャクの爪
わたしは乾いたペンキ缶 

空間だらけの女から抜け落ちた
う ....
私はことばを貪りながら
あなたをワルモノにかえる。
ワルモノ、わるもの、悪いもの、
割れるもの、
あなたは林檎のような赤ん坊だ。
いや、赤ん坊のような林檎だ。
私はがりがり林檎をかじる。
 ....
ホームスィートホームから風俗嬢にならなければならなかったあなたへ

しんじゃった友達との記憶が許可無く薄らいでくつらみ
四角のなかのアナウンサーは巨大でにっこりともすんともつかぬ顔
ニュースを ....
静かな冷媒の音
誰かの企画が売買されている音
主張された封止のデザインを
ただ商品として見ること
喉の渇きを覚えるまえに
百円玉を入れること

なあ、ボタンが点灯するのに
あと10円足 ....
トナカイを売って最後のクリスマス さいごまで赤くならない実のなかにいっぱいにあるなんにもないたち

さか道を行って戻ってころがって恨みながらもバスには乗らない
子供たち風と戯れ駆け回る広すぎる庭自然いっぱい

川底に沈んだゴミを掃除する深呼吸したくならない臭い

秋風に紅葉の色含まれる平凡な日々色が濃くなる

休日は家族連れ多い公園内家族一つにな ....
港町夕焼け市場のおばちゃんが持たせてくれた金平糖


ビードロの光りのなかの金平糖「空に帰りたい」未明のなみだ


「金平糖の中毒ですね、食べるのはいいけど見てはいけません」


雪 ....
ひと足歩くと メェ―と啼く
ふた足歩くと 
メェー メェー

やっと見つけた
あたしの足にぴったりの
ショートブーツ
シンプルでオシャレ
これからのシーズンにぴったり
気どり過ぎても ....
事件とは関係のないクリスマス ゆっくりとでも足早に夏は去る陽射しが弱くなるのがわかる

永遠に今が創り出されるように幸せが咲く心の畑

朝早く毎日同じ場所で逢う野良猫の視線人懐っこい

透明な水の流れが心洗う濁っていな ....
最近は、ぼくは殆ど詩は書いていませんが、現代詩フォーラムや文学極道に
投稿する際に、たまに新しいのを作ることがあるくらいで、まぁ、ここ5年
くらいは、詩を書くという行為から遠ざかっています。

 ....
 
 
バスに乗って目を瞑ると
私の中を通過していく
一台のバスがある
開いた窓から
誰かが手を振っている

懐かしい気がして
手を振りかえすと
バスは小さな魚になり
泳いで行っ ....
これが、わたしにとっては、この世の中でいちばん美しくって、いちばんかなしい景色です。1962年11月27日岩波書店初版本「星の王子様」130ベージの景色に似ているけど、すこし違います。


 ....
別に履くのを忘れたわけじゃないのよだってそうでしょ靴なんか履いてたら逃げられちゃうじゃないのそうでしょみんなそうするでしょ履いてるヒマないわよね敢えて履いてないのよ履き忘れたわけじゃないのよなのに ....
光冨郁埜さんのおすすめリスト(32)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
がんぜないもの- ただのみ ...自由詩11*16-6-15
打ち出の小槌から米しか出ない- 北大路京 ...自由詩116-5-6
白い昼- 梟 由香 ...自由詩4*16-5-1
花の中反発しあう磁石かな- 北大路京 ...俳句416-5-1
初桜自転車をこぐミスポリス- 北大路京 ...俳句216-5-1
黒い手- あおい満 ...自由詩516-5-1
ロボ- 阿ト理恵自由詩8*16-4-30
遠く深いものたちへ- あおい満 ...自由詩716-4-28
心のかたち- あおい満 ...自由詩216-4-24
見上げて月のない星に生まれる- 北大路京 ...自由詩516-4-23
初恋ライター- あおば自由詩5*16-4-22
君が小さな悪意なら- Lucy自由詩12+*16-4-17
春小景- ただのみ ...自由詩12*16-4-16
添い寝- かんな自由詩14*16-1-3
駆ける_今- えんちゃ ...短歌315-12-29
シルヴィ―の夢- ただのみ ...自由詩18*15-12-26
なみだ- あおい満 ...自由詩6*15-12-26
ホームスィートホームから風俗嬢にならなければならなかったあな ...- モリマサ ...自由詩1215-12-25
爆買いの世紀- 高橋良幸自由詩415-12-25
トナカイを売って最後のクリスマス- 北大路京 ...俳句315-12-25
バス- はるな短歌115-12-25
子供たち- 夏川ゆう短歌315-12-22
「金平糖」_2015.12.21- もっぷ短歌315-12-21
ラムスキン- Lucy自由詩1115-12-21
事件とは関係のないクリスマス- 北大路京 ...俳句415-12-15
視線- 夏川ゆう短歌415-12-15
”ネット詩”を経由して―- オダカズ ...散文(批評 ...11*15-8-19
見舞い- たもつ自由詩2015-7-15
海と星 - 阿ト理恵自由詩17*14-11-20
被害妄想のサ●エさん。- いとう自由詩7*10-6-10

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