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エンドロールの途中に
まさかのどんでん返しが
意表を突いたハッピーエンドが
そんな気がして
なかなか席を立てないでいる
場末の映画館

あるいは
アディッショナルタイムの
カウ ....
黒い夜の画布を背に
彫刻刀で刻まれた白骨のように
浮かび上がる鋭い流氷の切っ先が
すばやく流れる雲の切れ間に
瞬時に現れた細い三日月を
祈りのように照らし出し

私が確かに聞いたのは
 ....
母さんがせっかく作ったんだ食べて行け

父のひとことに逆らえず
しぶしぶ食卓についた君は
スープを一口
口に入れると
涙をこぼし
絞り出すような声で
ごめんなさい
と言った

 ....
塞がれた傷なら
新しいほど
ほの明るい

命と呼ぶには薄すぎる
生まれたばかりの緑の雲母は
はかなげに震える風の欠片

アスファルトに跳ね返る
光の刃が
明日には切り刻むだろう
 ....
心配していることなんてきっと
うんざりするほど感じているだろうから
心配してますアピールなんてしない 
幸せを願っていることなんて
どうせ痛いほど感じているだろうから
言わないでおく
心配 ....
このメールを打ちながら
ほんの少しあなたは微笑んだのだろう
ありふれたジョークのような
たった二行から
一滴零れた微笑みが
ザクザクの雪解け道をよろけながら歩いていた私の
胸の底にぽたりと ....
  

凍てついた川面を蹴って舞い上がる
氷点下の風
丈高い建造物の隙間を吹き抜け

厳しく雪を吹き下ろしていた雲が
ため息ついて
気まぐれのように座を譲る
冬だけが見せる裸身の蒼穹 ....
戴いた去年の賀状を
眺めながら
一枚 書くたび
次々に
押し寄せてくる
記憶の波に
浸るのではなく
溺れるでもなく
むしろ
耐えている
再生多発する 複数の痛みに

懐かしさな ....
 


分厚い雲のはるか向こう
白く明かりを投げてくるのは
まるい太陽

アスファルトに吸い込まれながら
乱れ舞う淡雪
踏みつけようとすると消え
歩こうとすると
視界にまとわりつ ....
詩作においては
私今とても
低迷しております
気取ってそう書いて
自問
低迷・・って わかる?
低く迷うって書くんだよ
たしかに
では
高くまっすぐ行きたいのか
青空を横切る
戦 ....
探すつもりもなく
期待もなく見上げた空に
おもいがけなく大きな月を
見つけると
不意を突かれて
涙ぐみそうになる
今日は満月でもないのに
晴れた夜空に低く浮かぶ
大きな月
死んだ人の ....
 

沈殿する鉛の溶液
筏の上を旋回する風
雨燕の航跡に
月の光を編み込んで
透かし見る夕暮れの
押しボタン式信号機


「おつきさまはついてくるんだよ
ほらずっとみててごらん」 ....
寂しいから寂しくないふりを
しているなんてお見通しなの
寂しくないならどうして
そんな限界集落の無人駅に
会いに来ないかなんて言うのよ
あなたの孤独を映し出す
鏡のように澄んだ湖はもう ....
先週までのうだる暑さが嘘のよう
公園の木立は重い影を落とし
鬱蒼と風に吹かれているが
家々の庭に
咲き尽くした夏の花々が
どこか安堵したようにうなだれる
もうここからは秋
静かに目を凝ら ....
私が水の娘だった時
その人が私に望んだのは
夕暮れの淡い光に満たされた
一枚の
黄色い風景画となること
郷愁のような安らぎをもたらす
穏やかなさみしい静止画像

額縁に収まり切れない私 ....
時の過ぎるのを忘れ
畦道にしゃがみ
ひらく瞬間を待っていた
山の向こうに月が姿を現すころ
何かが限界をむかえるように
耐えていたがくが
プツリと裂けて
薄黄色い花びらが
ふるふる ....
初夏の夕暮れ
やわらかい風に吹かれながら
玄関先にしゃがんで
ビオラの花柄を探しては
摘みとる
こんもりと咲き茂る寄せ植えが
あたらしく
生きかえるのが好き

いつからだろう
 ....
陽ざしが注いで
私の庭にも
優しい色の花が咲く

柔らかい雲が
少し動くと
空に向かって
胸を開いていた
白木蓮も
風に 花びらを
はらはら散らす
百均で買ってきた
ミニチュアの黒いうさぎは
手のひらに載せて
選りすぐろうにも
どれもみな
哀しくなるほど同じ顔
同じ姿勢同じ表情
どうしてこんなに正確に
大量生産できるのか
まるで ....
夕暮れの空は
少し甘めのコーディアル
濁り踏み荒らされた雪解けの道に
照り返し

闇雲な胸騒ぎも
無知な喧噪も
先鋭化した矛盾の
せっかくの露呈も

ほんのり澄んだ彩で
やさしく ....
笑ってほしい
人がいるので
私は笑う

元気を出してほしい
人がいるので
私は元気を出す

私より淋しい
人がいるので
会いに行く

耳を傾けてくれるので
他愛ないおしゃべり ....
壁の向こうで
雨が歌う
今夜
雨は涙とちかしく壁に染み入る優しさで
噂の流星はみえずじまい
空のステージに
始まるはずだった
ピアノに向かって
私のためにとは
言わないけれど ....
ごつごつとふしくれだっていくものが
望む形に程遠く
お前を育てていくのだとしても
遠く海を越え吹き渡る風に
しなやかな枝を延べたい願いがある
母から聞いた遠い日の思い出話です

貧しい農家だった父と母は
農耕馬に馬橇を引かせ
町の市場へ暮れの買い物に行きました

正月のための食材を買い
家族の冬のビタミン源として
おそらく当 ....
渇いた落ち葉を踏んで歩いた
湿ったアスファルトに
暗い空から
時折雪がこぼれてきた

かじかんだ手で傘の柄を握り
歩いたことのない道を選んで
なるべく迷子になるように
帰る方角 ....
憧れの地を目指し
長い旅に出たはずだった
針葉樹林が空を突き刺し
波頭が眠たげにまばたいて

気球に乗った少年が
スローモーションで手を振っていた
漂う筏に寝そべって
分厚い書物を読み ....
予想を遥かに上回り
伸び過ぎて
手に負えないほど
細い支柱に幾重にも絡まった蔓を
所々自分で縛った紐をほどきながら
根気よくはずしていった

はじめは
知恵の輪をはずすようで
楽しか ....
  



言葉を
全力で守る

シュプレヒコールを唱える事が
ハロウィンのパレードと
どれだけ同じに見えようと

発言するほど
唇寒く
弱点を突かれ
攻撃されることになる ....
名付けなさい
君を縛る暗闇を
君を閉じ込める闇の正体を見極め
君自身が
名付けるのです

例えば
「コウモリ」
と名付けたら
君の闇からコウモリが
切りとられた影絵のように
現れ ....
マチルダその名に惹かれ
やはらかなドレスはオーガンジー
淡い薄紅のグラデーション

俯きがちな優しい微笑み
丸い瞳は少し淋しげ
見開いたまま
散り落ちる

マチルダ
虫に食われ
 ....
レモンさんのLucyさんおすすめリスト(30)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
エピローグ- Lucy自由詩5*17-10-26
冬のオホーツク凍えながらたった一度でいい最後に私は意識の勝つ ...- Lucy自由詩13*17-10-17
ミネストローネの秋- Lucy自由詩17*17-10-13
草蜻蛉に- Lucy自由詩11*17-9-15
君の誕生日- Lucy自由詩12*17-5-10
微笑み- Lucy自由詩15*17-3-16
二月の空に- Lucy自由詩16*17-2-13
年賀状を書きながら- Lucy自由詩17*16-12-12
曇り空の向こうに- Lucy自由詩12*16-12-4
低迷- Lucy自由詩10*16-11-11
月に- Lucy自由詩8*16-10-18
秋の暮れ- Lucy自由詩13*16-10-14
白のブルース- Lucy自由詩20*16-9-29
晩夏- Lucy自由詩3*16-9-14
水溶性- Lucy自由詩8*16-8-24
待宵草_- Lucy自由詩17*16-8-8
うつくしいもの- Lucy自由詩15*16-5-21
五月- Lucy自由詩14*16-5-7
ベンジャミンバニー- Lucy自由詩22*16-3-26
ティータイム- Lucy自由詩14*16-3-7
そういう人- Lucy自由詩23*16-2-19
トモダチ- Lucy自由詩20*15-12-16
北の木- Lucy自由詩1615-12-4
林檎の思い出- Lucy自由詩15+*15-11-21
散歩《2015年11月18日》- Lucy自由詩15*15-11-18
憧れの土地- Lucy自由詩9*15-11-14
晩秋のクレマチス- Lucy自由詩16*15-11-10
沈黙が力を持たない時代に- Lucy自由詩17*15-11-3
名付けなさい- Lucy自由詩24*15-10-7
マチルダ- Lucy自由詩16*15-9-15

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