夜の田んぼは湿気た匂い
刈り取られた稲穂から
また柔らかな葉は伸び
もう実はつけない
水にめだかは見えない
でも蟹なら隠れられる用水路に
柵はなく、落ちて命をなくさないでね
「夜にも天気 ....
眠っている街のせほねをなぜていった
風をみていた
髪の毛の先
産まれたての星をやどした
ひとみにも
ひとしく均された夜が降りてきた


つま先立ちの白線に血がかよう
弾性を綴じたアス ....
かわいそうな方を選ぶなんて
悪趣味だからやめて
映画も本もどうでもよくて
春はアスパラガスがおいしいと言って
そんなことでかんたんに幸せになって
あたらしい恋にはさっさと飽きて
いつの間に ....
その代わりに、
骨と対峙すると
頭蓋骨が白くなる

白は
雪の色、
鳩の色
体の中で燃える

血の色みたいな
雪が
降りしきる
錯覚・錯覚・錯覚

街角のビルの窓辺に
垂 ....
惑星をつなぐ鉄道の中継地
真空チューブが
弦のように延びている

定刻をすぎても宇宙嵐で
発車の目処はない

電気石で火をつけて
炭素を吸う

外壁で散るホログラムの桜


 ....
竹に埋もれた地蔵
春告鳥が鳴く

青い瞳の幽霊は
展望台を見上げ

白い髪のオーロラは
階段の途中で脈を整える

桜がゆれて
二人の壁になる

ライトアップが終わっても
 ....
若かった彼らは
桜の枝を折ってパーカーで包み
花束のようにした

自分たちも美しい春になれたみたいで
嬉しかった

出会った日に裸になったのは
運命の人だったから

窓辺にバドワイ ....
ライトアップが終わると
足下の桜は消えていった

老婆は海側へと
手摺伝いに歩く

このまま
夏の花火を観たかった

美しい春の夜に
手をひかれながら







 ....
このままつよい
雨に紛れて眠りたいけど
子どもの涙みたいなお空の夜に
聴くべき歌があるなら知りたいな

ヒップホップもロックもいいよ
大体のことはもうわかった
大抵のことは最低で灰色さ
 ....
春はすこし気持ち悪い
だるく巻きついた青空と
花屋にだんだん並びだす
ミモザもはっと白けるような
そうでもない別れと
それっぽい出会いが
ねじねじとよじれてやってくる
春はすこし気持ち悪 ....
その場しのぎでかけたほうきのあとが
際だたせているホコリの存在

誰もいない教室で
立ち尽くしているあの子が
完璧な掃除をめざすことは
もうない

ちょうどいい汚れを残した部屋で
綺 ....
なにもうしろめたくおもう必要はないと
あなたは言う
わたしのことを許している
あなたが言う

やさしい映像が流れる

そうしてだんだんといろんなことが大丈夫になり
この日のゆめをくりか ....
明日もきっと生きてしまう
野球選手にもラッパーにもなれないまま
ごはんを食べてふとんで眠って
どうしようもなく起きてしまう

あなたが望めば望むほど
何もできない自分に気づくせいで
かつ ....
欠けちゃったんだ お茶碗
きみがくれたやつ
大事にしてたんだけどな

土曜日のニュースは
どんなに聞いてもほどけちゃう
ほんとうは何を言ったらいいのか
わからないくせに
何か言っちゃう ....
いつの間にか私はすっかり健康になり
霧雨が降る夏の日に
じっとりとした汗をかくようになりました
決して集めることのできない水滴を
体に吸い付けて
はじき出して

感官としての人差し指を
 ....
なかったことにした約束のあとの
最初のメールを送るくらいの
その場しのぎの気まぐれで
やさしい人だと言われている
きみのずるさを
わたしだけは暴いてあげたいと思った
それがただの気まぐれで ....
幼い前髪を撫でると
私の内臓の匂いが仄かに香る
私の風貌によく似た少年の
幸せだけ、今日も願っています

今日もあなたが幸せでありますように
十年後も、二十年後も
私が触れることすら叶わ ....
あなたへ、

人の顔を見るのが怖かったね

中心にポッカリと空いたブラックホールに吸い込まれて
2度と帰れないと思っていたね
きっと宇宙の中に私はいないと思っていたね

臆病な ....
どうしたらいいのかわからないなんてことがあるんだろうか

部屋のなかにいて
どこにいたらいいのかわからない夜
さむすぎるせいか
ゆびさきをすりあわせる

どうしたらいいのか
わからない ....
「最近なんか元気ないね」って、たぶん顔色じゃなくって、あたしのツイッターを見てそう思ったんだろうけど、どうもご心配ありがとう。薄皮を一枚へだてたようなやさしさに、あのころ、不本意にも救われていた。感情 .... 深夜のレンタルショップ
うろつく
僕達は映画のなかに
引用じゃないものをさがしている

人類にまみれて
化学繊維のセーターを着ている
ありふれた体で

レンタルじゃ足りなくなっちゃう ....
猫町の午後は空が青ざめるほどの空想に満ちていて
透明なグラスに注がれた水のように
エーテル培養液がたゆたっている
光が当たる一瞬の陰から産まれる海月たちは
何万の子孫を一瞬にして吐き出 ....
ファンタジックな夜に見た
センチメンタルな夢

君の手と私の手が触れ合っただけで
色々諸々爆発しそうだったから
一つだけ星を握りつぶしてしまった
熱々の手のひらで砕けた
星を君と ....
孫に話そう
妻や子どもには
とても言えない
だって生々しすぎるでしょ
いつの日か
わたしの前に
現れるところの
孫ならば
静かに
頷いてくれるだろう
時には
笑ってもくれるだろう ....
母親がくれたジャガイモとニンジンを洗い、味噌汁をつくる。泥がついている。うちの畑でとれたものだろう。でこぼことしたニンジンの表面をゆびさきでなぞっていると、すこし落ちつく。水と野菜の関係は、なんだかと .... 突風がふいたときに、持っている荷物を手放したいと思った。わたしは橋の上を歩いていて、右手にお気に入りの傘をさしていた。それを風が揺すっていくままに任せ、世界がどうなるのかを見てみたいと思った。この傘は .... おめでとうと言いたいから
結婚してくれ
ホテルの結婚式って
うさんくさくて嫌いだけど
たぶんきみは
日本人のくせにドレスが似合うよ

さようならとは言ったものの
思い出してはほしいな
 ....
カラスの鳴き声がした。
小学校の帰り道、ひとりで帰っていたときのことだ。
前方に広がる、両端が田園の、まっすぐな道の直線を見ていた。
いつも一緒に帰っている幼なじみが、休みの日だった。
立ち止 ....
24時間ゆうやけになる 告白をされた。なかったことにしてしまった。他人の恋愛感情がいまだによくわからずにいる。衝動はいつも軽薄だ。すこしのことばも交わさずに、ただ相手を好きだと言う、あなたのなかにある僕を、見つめてみる。その ....
竹森さんのおすすめリスト(106)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜空にある何かに- 宏子自由詩3*22-10-31
繭町- むぎのよ ...自由詩1317-6-13
かわいそうな方を選ぶなんて- ユッカ自由詩317-6-11
その代わりに、骨と対峙する_- 新人さん自由詩317-5-19
トルマリンとアズマイチゲ- mizunomadoka自由詩1017-4-15
life_of_light- mizunomadoka自由詩117-4-10
two_of_spring- mizunomadoka自由詩217-4-8
widow's_violet- mizunomadoka自由詩317-4-8
うまい生き方- ユッカ自由詩217-3-26
春はいつも気持ち悪い- ユッカ自由詩217-3-24
そうじの時間- ユッカ自由詩13*17-3-20
きれいな思い出- ユッカ自由詩317-1-20
何も知らない- ユッカ自由詩316-12-25
あてつけのようなきみの茶碗- ユッカ自由詩316-9-17
風のつよい日- マチネ自由詩516-7-28
誠実- ユッカ自由詩216-7-5
私の分身へ- ゆるこ自由詩316-6-20
あなたへ、- ゆるこ自由詩716-5-31
帰りたいのに家にいる- ユッカ自由詩3*16-5-4
先生のみなさん- ユッカ自由詩516-4-14
レンタル人間- ユッカ自由詩216-4-14
ゆ_う_か_い- ゆるこ自由詩316-4-11
さよならシンパシー- 瑞海自由詩3*16-3-28
物語- やまうち ...自由詩4*16-3-20
愛がジャガイモのようだ- ユッカ自由詩5+*16-3-11
魔が差す- ユッカ自由詩516-2-22
俺のことを夢に見てくれ- ユッカ自由詩316-1-26
まっすぐすぎてこわい道- ユッカ自由詩416-1-24
恋をすると- ユッカ自由詩415-12-25
きみが火事でも助けない- ユッカ自由詩615-12-20

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