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大雨洪水注意報
彼女に涙を流させてはいけない
そのあとですごく経費がかかるから
落雷警報
電気ショックで何かが復旧するとは想わない方がいい
普通のひとは死ぬ
落石注意
気がついた ....
GIRAGIRA
あの頃の僕の瞳は
油の浮んだ水溜り
空も街も人も季節も
虹色に濁って見えた
今にも分解しそうな心を
繋ぎ止めていたのは
少し哀しい臭いのする
ギラギラ
....
無言電話なんかしない
無言電話なんかしない。
そんなことしないから、ちょっとだけ。聞き耳たてさせて。
ちょっとだけ、ちょっとだけだから、あなたの後ろを歩かせて。
こっちむかなくたっていいか ....
夜空が見せる死へ
立ち会えば
人は願いごとをするのだというけれど
想いに比べれば言葉はもどかしいだけで
現実にはそんな暇もないほど
許されている時間は
まるで人生のように短く
まばたきの ....
季節をいいあらわそうと思っているうちに
それは過ぎてしまう
足跡と想いはいつのまにか
季節をすり替えて行く
君と金と銀の
スニーカーを交換して
なんか安っぽいねって笑った
僕 ....
華がなければ
覚えてもらえない
名前がなければ
呼んでもらえない
色がなければ
背景にもなれない
嫌ってもらわなければ
記憶にもなれない
でも
生きている
....
あれは炎だ
理由も道徳も求めない炎だ
まごうかたなき赤い炎だ
怖れを知らぬ
黒い鳥が炎を目指す
命とはそういうものだ
せめて美しい君を覚えていよう
たった一日でしぼんだ朝顔
....
青い陶器瓦の下に埋もれた
記憶を掘り出してどうなるというのだ
焼け落ちた家の跡の
現実と幻想の交叉した風景の中に
私が立っていたあの日
陽光に照らし出された井戸の
湧き出る水に沈んでい ....
真夏の彼方から
静かな夜空へと手前に延びる
扉を開けると
独り涙に濡れている君がいた
ぽろぽろ汗を流しながら
仕事から帰り着いたばかり
ずっと一緒に生きていこうと
伝えた僕は
花瓶 ....
僕らは社会の文体を学んで成長してきた
はたまた親の文体に反撥しながらも生きるために
それを受け入れて
今度は自分自身のフォーマットに縛られながら
それとの葛藤にちょっと疲れているのかもしれ ....
蝉時雨が
それほど新しくない記憶を
影縫いするものだから
そのまま置き去りにもできず
立ち止まる
吹き出す汗
ハンカチを忘れたことに気づく
いつもそうだった
肝心な時に何かが欠 ....
瞳の奥底に隠れてこっちを覗いている
裸の抒情の手足を縛り上げ
哭きながら何度でも犯し続けよう
石切り場から運んできた
重い想いを凪いだ風に浮かし
寛容な字面をことごとく摩耗させて
のっぺら ....
掛け軸の中に残された想い
夜が十分に闇であった頃
月の柔肌に立ち昇る香の煙より
しろくあわく
現世を離れた囁きを運ぶ
ぬるい風を孕んだ柳のように
し ....
トッピングのようなもの男女の恋愛なんて
人生の道に咲く包み込むような寛大な 十分に雨宿り踊る
貴方の胸の傘 空が虹で虹が紺碧の紅一点
盲目なんて覚めた醒め方 闇の病み
トッピングに踊らされ ....
コンパス
―家でコンパスを使って円を描く練習をさせて下さい―
先生から届いたメール
さあ、早速コンパスを使ってみよう!
こうして物差しで半径の長さを測ったら
紙に針を刺 ....
詩人は誰もに見向きしてもらえることを望んだ
私たちが時に異性を恋人として求めるように
己の詩を聞いてもらえる事だけを願って生きていた
書いて 書いて
時に声を張り上げ詩を詠って
己の周 ....
風船をふくらませる
ギリギリまで、ひといき、またひといき
これが、わたしの 愛
読み人知らずの
ささやかな空気の振動を
耳たぶでそっと掬って
外耳道へ流し込む
外耳道の突きあたりの
気弱すぎる鼓膜のときめきを
耳小骨は丁寧に拾い集め
蝸牛の殻に押し込める
....
ただしい孤独は
凛として涼やかな音色であった
愛しい憂鬱は
窓辺に花をさして髪を梳かす
美しい季節は
褒めそやされて散る花びら達で
そこそこ保たれるものだ
どうしようもない時 ....
団地の狭い庭に桃を植えて
安くて新鮮な桃を食べようなどと
欲を張ったのだが
日当たりは良くないので
おいしい実がなったかどうか
それも分からないまま…
たっぷりの肥料と
水やりをし ....
なんとかここから這い出そうと
あらん限り手を伸ばしても
握りしめるのは砂ばかりで
こっちだよこっちだよと
地底から伸びる生ぬるい手に
足首を絡めとられる
もがくたびに砂を呑み込み
喉 ....
上手く折れない
紙飛行機が
放り込んだ屑籠の
縁から顔を覗かせている
拾い上げて
半開きの窓に向けて
今一度、飛ばしてみるが
盲の鳥のように
あさっての方向へ ....
凪いだ水面のしずかさで
花のように老いてゆく
女がいる
さくら
と よばれた
ひとりの女は
ひとりの男の
妹で
おまえのよろこぶような
....
都心の驟雨にアスファルトが匂い立つ。
ここの緑に匂いは無い。
私は長年連れ添った悪習と手を切ろうとするのだが、
そんな心意気も地を這う無数の影に踏みにじられてしまう。
人を旅へと誘う ....
君はクラスの中でただ一人
輝く褐色の肌を纏った男の子
幼児部の時は
「お母さんに会いたい」とよく泣いていた
お母さんはさぞかし優しい人なのだろうか?
遠足の日 君のお弁当は
ポテト ....
左手首の動脈を
右手の指先でさぐり当てる
脈に触れれば
自然とそれを数えてしまう
まるで
生きていることを
確認するように
えいえんに似たそのリズムを
日が暮れて
血の匂いがする ....
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