なにが入っていたのやら
わからないのだけれど
綺麗な包装紙や箱
おふくろが
いただきものの
高島屋なんかの包装紙なんぞを
ていねいに折ってあるものが
押し入れの隅からときどき ....
例えば愛されることが
順番制だとしたら
わたしの番は
一億二七〇〇万番目
いつか必ず
いつか必ず
そう信じながら
年老いて
死んでゆくのでしょう
けれどもわたし
本当は
一番が好 ....
大雨のようにバチ当たれ
流星のようにバチ当たれ
直射日光のようにバチ当たれ
なあ今からどうしようもない馬鹿が
青一色の空の下
赤一色の太陽を浴び
緑一色の原っぱを歩くから
気が向いた ....
おにさんこちらてのなるほうへ
追いかけても
誰も捕まえられなかった
嫌になって
薄目をあけると
どうやら
周りに誰もいない
口惜しくて
やみくもに走ったら
迷子になった
何 ....
磨りガラスの向こうの公園で
外国人に話しかけられた
どうやら、フランス語らしいが
何を言っているのか分からない
家に帰ると母親が叫んでいた
ひとつひとつは意味のある言葉
けれど、つなげ ....
ももいろは すでに
室内に 溶け
腐れた二、三枚のひだが
私の手にはりついて ちぎれる
けれど、その がくは
最後まで花のかたちを 保とうとしている
おそらくは ....
noteにたまらない
心は身体と一緒だから
無数の収束点に
落ちていくだけの
小鳥達
羽はもう身体と一緒だから
混濁した向日葵の裂いた黄色い舌
無数の小さな
子供達
....
かなしみでなけるといいな
このままずっと
さいごにわらわないで
みんなにさよならなんて
いわないから
乾杯してはしった
はしった
このことを
おもいださないで
どうか
....
瓶の中にとり残された
ピクルスひとつ
蓋が開くのを ただ
待っているだけの日々
見通しが良すぎて
すっぱい孤独
《ピクルス:2013年11月10日》
露草な心のまま こぶしを天に突き上げ
リズムを刻むたび 霧が 晴れてゆく
遥かな思い出は 縁側の飛行機模型
竹ひごをしならせて 夢は青空
若くて死ぬことも
老いて生きることも ....
貴方の祖父は画家
貴方の父も母も阿蘇山を駆け上がる 馬の姿を描いていた
貴方の弟も絵をふすまに残していた
でも貴方は描かない
すぐに脱いでさしあげるのに
私のささやかな夢の ....